第2節 ストーカー行為,性犯罪,子供に対する性的暴力等

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第2節 ストーカー行為,性犯罪,子供に対する性的暴力等

(ストーカー事案の相談等の状況)

警察庁「令和2年におけるストーカー事案及び配偶者からの暴力事案等への対応状況について」によると,令和2(2020)年のストーカー事案の相談等件数は2万189件で,前年に比べ723件(3.5%)減少した。ストーカー行為等の規制等に関する法律(平成12年法律第81号。以下「ストーカー規制法」という。)の施行(平成12(2000)年11月)後からおおむね1万5,000件以下で推移していたところ,平成24(2012)年に19,920件と急増し,以後高水準で推移している(I-7-7図)。また,被害者の87.6%が女性で,加害者の80.7%が男性となっている。

I-7-7図 ストーカー事案の相談等件数の推移別ウインドウで開きます
I-7-7図 ストーカー事案の相談等件数の推移

I-7-7図[CSV形式:1KB]CSVファイル

内閣府「男女間における暴力に関する調査」(令和2年)において,これまでにある特定の相手から執拗なつきまといや待ち伏せ,面会・交際の要求,無言電話や連続した電話・メール等の被害経験を聞いたところ,1人以上の者から被害を受けたことがある者の割合が,女性10.7%,男性4.0%となっている(I-7-8図)。

I-7-8図 特定の相手からの執拗なつきまとい等の被害経験別ウインドウで開きます
I-7-8図 特定の相手からの執拗なつきまとい等の被害経験

I-7-8図[CSV形式:1KB]CSVファイル

また,被害の相談先として,「友人・知人に相談した」が女性51.8%,男性48.5%でともに最も高い(I-7-9図)。

I-7-9図 特定の相手からの執拗なつきまとい等の被害の相談先(複数回答)別ウインドウで開きます
I-7-9図 特定の相手からの執拗なつきまとい等の被害の相談先(複数回答)

I-7-9図[CSV形式:1KB]CSVファイル

(ストーカー事案に対する対応状況)

警察庁「令和2年におけるストーカー事案及び配偶者からの暴力事案等への対応状況について」によると,ストーカー規制法違反の検挙は,平成24(2012)年以降増加し,平成30(2018)年及び令和元(2019)年は減少したが,令和2(2020)年は985件と前年に比べ121件(14.0%)増加し,ストーカー規制法施行後最多となっている。ストーカー事案に関連する刑法犯・特別法犯の検挙は,平成24(2012)年以降高水準で推移していたが,平成29(2017)年から令和元(2019)年は減少したものの,令和2(2020)年は1,518件(前年比27件(1.8%)増)と増加した。また,ストーカー規制法に基づく警告は,平成24(2012)年以降増加していたが,平成29(2017)年から令和元(2019)年は減少したものの,令和2(2020)年は2,146件と前年に比べ94件(4.6%)増加した。禁止命令等は,緩やかな増加傾向にあったが,平成29(2017)年から急増し,令和2(2020)年も1,543件と増加し,ストーカー規制法施行後最多となっている。

(強制性交等・強制わいせつの認知件数)

強制性交等及び強制わいせつの認知件数は,令和2(2020)年は強制性交等1,332件(前年比73件減少),強制わいせつ4,154件(同746件減少)となっている(I-7-10図)。

I-7-10図 強制性交等・強制わいせつ認知件数の推移別ウインドウで開きます
I-7-10図 強制性交等・強制わいせつ認知件数の推移

I-7-10図[CSV形式:2KB]CSVファイル

(無理やりに性交された経験等)

内閣府「男女間における暴力に関する調査」(令和2年)において,これまでに無理やりに性交等された経験を聞いたところ,1回以上の被害経験がある女性は6.9%,男性は1.0%となっている。

同調査によると,被害経験がある者のうち,被害について「どこ(だれ)にも相談しなかった」者は,女性は58.4%,男性は70.6%となっている(I-7-11図)。

I-7-11図 無理やりに性交等をされた被害経験等別ウインドウで開きます
I-7-11図 無理やりに性交等をされた被害経験等

I-7-11図[CSV形式:2KB]CSVファイル

(子供に対する性的暴力の検挙件数)

令和2(2020)年の児童買春事犯の検挙件数は637件,児童ポルノ事犯の検挙件数は2,757件であり,いずれも前年に比べ減少した(I-7-12図)。また,児童虐待事件のうち性的虐待の検挙件数は299件(前年比53件増加)となっている。

I-7-12図 児童買春及び児童ポルノ事犯の検挙件数の推移別ウインドウで開きます
I-7-12図 児童買春及び児童ポルノ事犯の検挙件数の推移

I-7-12図[CSV形式:1KB]CSVファイル

(人身取引事犯検挙件数等)

令和2(2020)年の警察における人身取引事犯の検挙件数は55件,検挙人員は58人(うち,ブローカーは3人)であり,被害者総数は37人であった(I-7-13図)。被害者の国籍は,日本が30人で最も多く,次いでフィリピンが7人となっている。

I-7-13図 人身取引事犯の検挙状況等の推移別ウインドウで開きます
I-7-13図 人身取引事犯の検挙状況等の推移

I-7-13図[CSV形式:1KB]CSVファイル