第1節 教育をめぐる状況

本編 > I > 第4章 > 第1節 教育をめぐる状況

第1節 教育をめぐる状況

(女子の大学進学率は長期的に上昇傾向)

令和元(2019)年度の学校種類別の男女の進学率を見ると,高等学校等への進学率は,女子96.0%,男子95.6%と,高い水準にあるが,ここ数年間は男女ともわずかながら低下している(平成28(2016)年女子96.9%,男子96.3%)。また,専修学校(専門課程)への進学率は,女子27.1%,男子20.6%と,女子の方が6.5%ポイント高い。大学(学部)への進学率は,女子50.7%,男子56.6%と男子の方が5.9%ポイント高いが,女子は全体の7.9%が短期大学(本科)へ進学しており,これを合わせると,女子の大学等進学率は58.6%となる。近年,大学(学部)への女子の進学率が上昇傾向にある一方で,短期大学への進学率は平成6(1994) 年度の24.9%をピークに低下傾向にある。

大学(学部)卒業後,直ちに大学院へ進学する者の割合は,令和元(2019)年度では女子5.5%,男子14.3%となっており,男女とも平成22(2010)年以降低下傾向にある(平成22(2010)年女子7.1%,男子17.4%)(I-4-1図)。

I-4-1図 学校種類別進学率の推移別ウインドウで開きます
I-4-1図 学校種類別進学率の推移

I-4-1図[CSV形式:4KB]CSVファイル

なお,文部科学省「学校基本統計」によると,令和元(2019)年度における高等教育段階の女子学生の割合は, 大学(学部)45.4%,大学院(修士課程)31.6%,大学院(博士課程)33.7%となっている。

(社会人の学び直しの状況)

修士課程の社会人入学者に占める女子学生の割合を見ると,平成19(2007)年以降5割弱で推移しており,令和元(2019)年度は平成12(2000)年度(37.1%)と比べて10%ポイント以上高い48.3%である。

仕事により直結した学位と言える専門職学位課程への社会人入学者に占める女子学生の割合は,修士課程への社会人入学者に占める割合に比べて低く,令和元(2019)年度は29.7%であるが,昨年度(28.2%)に比べ上昇している(I-4-2図)。

I-4-2図 社会人大学院入学者数(男女別)及び女子学生の割合の推移別ウインドウで開きます
I-4-2図 社会人大学院入学者数(男女別)及び女子学生の割合の推移

I-4-2図[CSV形式:2KB]CSVファイル

社会人の学びの理由は,男女ともに「仕事のために学んだ/学んでいる」が最も多い。同じ項目を男女で比較すると,「家庭のために学んだ/学んでいる」とする割合は女性の方がすべての世代で高い。「地域活動や社会貢献活動のために学んだ/学んでいる」とする割合は,男性の方がすべての世代で高くなっているが,特に男性20代がどの世代よりも高くなっている(I-4-3図)。

I-4-3図 学びの理由別ウインドウで開きます
I-4-3図 学びの理由

I-4-3図[CSV形式:1KB]CSVファイル

学び直しに関する情報を的確にかつ容易に得ることが出来る環境を整えていくことも重要であるが,社会人の学び直しのための機会や方法についての認知度は,高いものでも3割台であった(I-4-4図)。

I-4-4図 学び直しのための機会や方法についての認知度別ウインドウで開きます
I-4-4図 学び直しのための機会や方法についての認知度

I-4-4図[CSV形式:1KB]CSVファイル

(専攻分野別に見た男女の偏り)

令和元(2019)年度における専攻分野計での大学(学部),大学院(修士課程)及び大学院(博士課程)における女子学生の割合は,それぞれ45.4%,31.6%,33.7%となっている。専攻分野別に見ると,人文科学の全課程や薬学・看護学等及び教育の大学(学部)及び大学院(修士課程)では女子学生の割合が高い一方,理学及び工学分野等では全課程で女子学生の割合が極めて低く,専攻分野によって男女の偏りが見られる(I-4-5図)。

I-4-5図 大学(学部)及び大学院(修士課程)学生に占める女子学生の割合(専攻分野別,令和元(2019)年度)別ウインドウで開きます
I-4-5図 大学(学部)及び大学院(修士課程)学生に占める女子学生の割合(専攻分野別,令和元(2019)年度)

I-4-5図[CSV形式:1KB]CSVファイル

なお,文部科学省「学校基本統計」(平成30(2018)年度及び令和元(2019)年度)によると,薬学・看護学等及び教育分野の大学院(博士課程)における女子学生の割合は,平成30(2018)年度から令和元(2019)年度にかけて大幅に低下している(薬学・看護学等は46.9%から39.8%,教育は49.6%から30.7%)。

(教育機関における女性教員の割合)

初等中等教育について,令和元(2019)年度における女性教員の割合を見ると,小学校では全教員に占める女性の割合が6割以上となっているが,中学校で4割強,高等学校で3割強と教育段階が上がるにつれて,その割合は低くなっている。また,教頭以上に占める女性の割合は近年上昇傾向にあるものの,小学校で約4分の1,中学校で1割強,高等学校で1割弱となっている。

さらに,令和元(2019)年度における大学及び大学院,短期大学の全教員に占める女性の割合を見ると,短期大学では約5割であるが,大学及び大学院では4分の1程度にとどまっている。特に教授等に占める女性の割合が低く,短期大学でも4割弱,大学及び大学院では2割を大きく割り込んでいる(I-4-6図)。

I-4-6図 本務教員総数に占める女性の割合(教育段階別,令和元(2019)年度)別ウインドウで開きます
I-4-6図 本務教員総数に占める女性の割合(教育段階別,令和元(2019)年度)

I-4-6図[CSV形式:1KB]CSVファイル