第2節 防災・復興における男女共同参画

本編 > I > 第4章 > 第2節 防災・復興における男女共同参画

第2節 防災・復興における男女共同参画

(防災会議の委員に占める女性の割合)

地方公共団体の防災会議の委員に占める女性の割合は,平成28年4月1日現在,都道府県防災会議が14.0%(前年比0.8%ポイント増),市区町村防災会議が8.0%(同0.3%ポイント増)といずれも上昇傾向にある。

都道府県防災会議では,女性委員のいない会議数が平成25年に初めてゼロとなった。一方,市区町村防災会議のうち女性委員のいない会議数は,28年は436(同会議総数の26.7%)となっており,そのうち町村の防災会議が379と8割以上を占めている(I-4-5図,6表)。

I-4-5図 地方防災会議の委員に占める女性の割合の推移別ウインドウで開きます
I-4-5図 地方防災会議の委員に占める女性の割合の推移

I-4-5図[CSV形式:3KB]CSVファイル

I-4-6表 地方防災会議の委員に占める女性の割合及び女性委員がいない市区町村防災会議数(都道府県別,平成28年)別ウインドウで開きます
I-4-6表 地方防災会議の委員に占める女性の割合及び女性委員がいない市区町村防災会議数(都道府県別,平成28年)

I-4-6表[CSV形式:4KB]CSVファイル

都道府県防災会議では,平成24年6月の災害対策基本法(昭和36年法律第223号)の改正により,「自主防災組織を構成する者又は学識経験のある者」(同法第15条第5項第8号)を委員に任命することが可能となったため,この規定を活用し,女性委員の割合を高めた都道府県が多い。都道府県によっては,知事が庁内の職員から委員を任命する際に女性を積極的に登用したり,指定公共機関や指定地方公共機関に対し役職を問わず女性の推薦を依頼するなど,女性委員の割合を高める工夫を行っている。

(防災の現場における男女共同参画)

消防吏員に占める女性の割合は,平成28年4月1日現在で2.5%,女性消防吏員がいない消防本部数は,同日現在で264となっている(I-4-7図)。

I-4-7図 消防本部数及び消防吏員に占める女性の割合の推移別ウインドウで開きます
I-4-7図 消防本部数及び消防吏員に占める女性の割合の推移

I-4-7図[CSV形式:1KB]CSVファイル

消防団員に占める女性の割合は,平成28年4月1日現在で2.8%であり,消防団員総数が減少する中で,女性の割合は一貫して上昇傾向にある。また,女性消防団員がいない消防団数は年々減少しており,同日現在,731(消防団数の33.1%)となっている(I-4-8図)。

I-4-8図 消防団数及び消防団員に占める女性の割合の推移別ウインドウで開きます
I-4-8図 消防団数及び消防団員に占める女性の割合の推移

I-4-8図[CSV形式:1KB]CSVファイル

(復興における男女共同参画)

平成23年に発生した東日本大震災からの復興に向けて,被災地方公共団体は,今後の復興の道筋を示す復興計画を策定している。復興庁において岩手県,宮城県,福島県及び同3県の全市町村を対象に復興と男女共同参画等に関する調査を実施したところ,27年度における,復興計画の策定や推進のための委員会等の委員に占める女性の割合は,14.4%となっている。なお,設置された83の委員会等のうち,女性委員がいない委員会等は15となっている(I-4-9表)。

I-4-9表 復興計画の策定や推進のための委員会等の委員に占める女性の割合(平成27年度)別ウインドウで開きます
I-4-9表 復興計画の策定や推進のための委員会等の委員に占める女性の割合(平成27年度)

I-4-9表[CSV形式:3KB]CSVファイル

(平成28年熊本地震における男女共同参画)

東日本大震災において,女性用の物資が不足した,授乳や着替えをするための場所がなかったなど,物資の備蓄・提供や避難所の運営について,女性の被災者に十分な配慮がなされず,様々な問題が顕在化したという経験を基に,内閣府では,「男女共同参画の視点からの防災・復興の取組指針」を平成25年5月に作成・公表し,様々な機会を活用して,地方公共団体に対し,平常時からの取組を働きかけた。熊本地震発災時には,改めて,熊本県及び熊本市に対して,本指針に基づく対応を要請するとともに,県・市と連絡を取りながら,現地での取組状況の把握や必要な助言等を行った。加えて,男女共同参画の視点から,被災自治体の対応状況の調査を実施した32ところ,取組ごとに自治体の対応に違いはあるものの,男女別トイレや避難所の運営体制への女性の参画は取組が進んでおり,発災後1週間以内に男女別トイレの整備に取り組んだ自治体は約7割,避難所の運営体制への女性の参画に取り組んだ自治体は6割近くに上った。また,間仕切りによるプライバシー確保,女性用更衣室の整備,授乳室の整備なども,5割前後の自治体で,発災後1か月以内に実施された(I-4-10表)。

32アンケート調査において,指定避難所の設置・運営を行ったと回答した熊本県内及び大分県内の34市町村のうち,被害が軽微であったため,避難所の数や運営期間が短く,男女共同参画の視点を反映した取組に対するニーズが少なかったと思われる市町村(自主避難所のみ,家屋被害等が少なく運営期間が短かった避難所のみ等と回答した市町村)を除く24市町村(指定避難所を1箇所以上開設し,中長期的に運営を行った市町村)を対象とした。

I-4-10表 避難所における男女共同参画の視点を反映した取組の実施状況(熊本地震で被災し,1箇所以上の指定避難所を中長期的に運営した24市町村に対する調査結果)別ウインドウで開きます
I-4-10表 避難所における男女共同参画の視点を反映した取組の実施状況(熊本地震で被災し,1箇所以上の指定避難所を中長期的に運営した24市町村に対する調査結果)

I-4-10表[CSV形式:2KB]CSVファイル