コラム2 インターンシップ事業が切り開く女性の再就職(岐阜県山県市)

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コラム2

インターンシップ事業が切り開く女性の再就職(岐阜県山県市)


岐阜県山県市は,岐阜市の北側に隣接する人口約2万7,000人の市である。市内では,製造系の中小企業等において人手不足が大きな問題となっている一方で,子育て期の女性の市外への就労が多く,人材のミスマッチが課題となっている。課題の解消とともに,「仕事も子育ても両立できる山県市!」を目指し,市として様々な取組を行っている。

女性活躍推進法に基づく市町村推進計画を兼ねる「第3次山県市男女共同参画プラン」の策定に当たっては,市民1,000名を対象に「男女共同参画に関する市民意識調査」が行われた。この調査から,「結婚・出産等により離職した女性が再就職する割合が高い」,「仕事と家庭のバランスを重視したい市民が多い」ということが浮かび上がった。こうした市民の声や市の審議会で出された,「女性の社会進出を積極的に支援すべき」,「家庭生活の充実を図りたい女性に配慮すべき」という意見も踏まえ,職業生活だけでなく地域活動などでの女性の活躍にも配慮し,推進計画を策定した。

平成27年度には「地方創生先行型交付金」を活用して,再就職を望む子育て期の女性を対象に地元企業でのインターンシップ事業を行った。市内の中小企業8社で10名の女性が,1~3ヶ月の期間で有給インターンシップを体験し,このうち7名が,体験した企業に希望の就業形態で就職することができた。インターンシップ後のアンケートでは,体験者と受入企業の双方からこうしたインターンシップ事業を続けることが望ましいとの声が寄せられた。

平成28年度は,「地域女性活躍推進交付金」を活用し,「山県市女性のワークライフスタイル応援事業」として前年度の事業の経験も活かし,インターンシップ事業を継続するとともに,新たな取組として,女性活躍の具体例を紹介する冊子「わたしたちの,つむぎかた」の制作・配布や座談会の開催を行った。

これらの取組により,仕事を持つ女性や仕事を持ちたい女性だけでなく,家族や企業経営者などを含めたより多くの人に,女性の活躍に対する共感と理解を深めてもらうことを目指しており,企業にとっては,採用で配慮すべき点を把握することができ,市としては,女性の再就職に,どのような具体的なニーズがあるのかを知る機会となり女性の再就職の支援のためのノウハウの獲得にもつながっている。

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