コラム1 「女性活躍応援マネージャー」の伴走支援(京都府・京都市)

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コラム1

「女性活躍応援マネージャー」の伴走支援(京都府・京都市)


京都府では,平成27年3月に,行政と経済団体等の21の構成団体から成る「輝く女性応援京都会議」(事務局:京都府・京都市・京都労働局・京都商工会議所)を設立し,会議の事務局機能を果たす女性活躍支援拠点「京都ウィメンズベース」(センター長:京都商工会議所女性会会長)が中心となって,企業経営者に対し,自社における女性活躍推進のコミットメントの発信を精力的に働きかけている。

構成団体それぞれの活動も活発である。公益社団法人京都工業会では,京都工業会「女性の会」を立ち上げ,参加企業の総務・企画部門等で活躍する女性管理職及び候補者を対象に,講師を招いての勉強会や各社の取組についての情報交換等を行っている。京都経営者協会では,「女子高生のためのフューチャーフォーラム」を開催し,理工系の研究開発分野で活躍する地元企業の女性社員と女子高生の交流の機会を設けている。こうした構成団体の活動に,京都府は,社会保険労務士やキャリアコンサルタント等の資格を持つ「女性活躍応援マネージャー」によるアドバイスや経費補助等を通じて全面的にバックアップしている。

中小企業における事業主行動計画の策定にも特に力を入れている。女性活躍の重要性は認識しつつも,「策定のメリットが分かりにくい」「人的余裕がない」等の理由から行動計画の策定に二の足を踏む企業が多い中,「女性活躍応援マネージャー」が企業を直接訪問し,計画策定・届出の伴走支援を行っている。平成28年度は,10名の女性活躍応援マネージャーが,建設業や製造業の企業を中心に訪問し,各企業の課題・ニーズに沿った個別支援を行った。

建設業は女性の労働者が少ないこともあり,女性活躍のためのノウハウの蓄積が少ない。ある建設会社の経営者が「女性活躍応援マネージャー」と面談する機会を持ったことをきっかけに,この経営者のネットワークにより,同じ悩みを持つ近隣の建設業の事業者が集まる勉強会の開催に繋がるなど,複数の企業が協力しながら女性活躍推進に取り組んでいる。勉強会は,建設業を皮切りに,製造業でも行われている。京都の主要産業の一つである観光業において女性活躍を進めることも大きな課題である。観光業では女性が主な戦力であるにもかかわらず,深夜労働やシフト制勤務がネックとなって若い女性の就業継続率が低く,女性社員の採用・定着に苦労している企業が多い。観光客の更なる増加が見込まれる中,解決策を見出していくことが求められている。

女性活躍支援拠点「京都ウィメンズベース」「女性活躍応援マネージャー」の伴走支援