第8節 メディアにおける性・暴力表現への対応

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第8節 メディアにおける性・暴力表現への対応

1 広報啓発の推進

警察では,児童ポルノや児童買春に関する情勢の深刻さや被害の未然防止の必要性等について,パンフレットの作成,警察庁等のホームページへの掲載等による広報啓発活動を推進しているほか,サイバー空間における犯罪被害から児童を守るため,犯罪被害の実態やインターネットの危険性等に関しても広報啓発活動等を推進している。

内閣府では,都道府県の青少年条例を集約の上,内閣府ホームページへの掲載を通じて情報提供している。

総務省では,インターネット,携帯電話等のメディアの特性に応じたメディア・リテラシーに関する教材等の普及を図っている。

総務省及び経済産業省では,関係者と連携し,フィルタリング等に関する情報提供・普及啓発活動を実施して,保護者や青少年のインターネットを適切に活用する能力の向上及びフィルタリングの普及を行っている。

2 流通防止対策の推進等

警察では,インターネット上に流通する児童ポルノやわいせつ図画等の違法情報・有害情報を,サイバーパトロール等を通じて早期に把握し,検挙等の措置を講じている。また,サイト管理者等に対する児童ポルノ画像等の削除要請を行うほか,警察庁では,ブロッキングについて関係団体等に情報提供等を行うなど民間の自主的な取組を支援している(本章第4節2参照)。さらに,平成18年6月に運用を開始したインターネット・ホットラインセンターでは,インターネット利用者から,インターネット上の児童ポルノやわいせつ図画等の違法情報・有害情報に関する通報を受け付け,警察への通報や,プロバイダ等への削除依頼等を行っている。そのほか,警察では,サイバー防犯ボランティア活動に関する活動上の具体的留意事項等を整理した「活動マニュアル」及び「育成カリキュラム」を活用して,新たなサイバー防犯ボランティアを育成・支援するとともに,既存の防犯ボランティア団体の活動を促進させ,犯罪抑止のための教育活動や広報啓発活動等を推進している。

総務省では,性や暴力に関するインターネット上の有害な情報から青少年を保護するための有効な手段の一つであるフィルタリングに関し,その導入促進及びサービスの多様化に向けた民間の取組を積極的に支援している。また,平成21年1月に策定された,インターネット上の違法・有害情報対策の総合的な政策パッケージである「安心ネットづくり」促進プログラムに基づき,同年2月に設立された安心ネットづくり促進協議会を中心とする民間団体等の自主的取組を支援している。さらに,同年から,違法・有害情報相談センターを設置し,関係事業者等によるわいせつ情報等の違法・有害情報への対応を促進している。

スマートフォンやソーシャルメディアの急速な普及を受けて,平成25年9月に利用者視点を踏まえたICTサービスに係る諸問題に関する研究会が「スマートフォン安心・安全強化戦略」を公表した。また,26年7月には,青少年のインターネット利用機会が一層拡大する現状を踏まえ,ICTサービス安心・安全研究会における議論の結果として,「青少年インターネットセッション 議長レポート」が取りまとめられた(第14章第1節2(2)参照)。

経済産業省では,青少年のインターネットの利用環境の変化に対応するため,平成22年度に策定した望ましいフィルタリング提供の在り方についての判断基準を踏まえて,ネットワークや機器の利用動向の変化に対応できるよう,機器ごとの青少年によるインターネット利用状況を調査している。また,調査結果は関係事業者にフィードバックし,当該基準に準じた対応を要請している。