第1節 教育分野における男女共同参画

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第1節 教育分野における男女共同参画

(女子の大学進学率は長期的に上昇傾向)

平成26年度の学校種類別の男女の進学率を見ると,高等学校等への進学率は,女子96.9%,男子96.1%と,女子の方が若干高くなっている。大学(学部)への進学率は,男子55.9%,女子47.0%と男子の方が9%ポイント程度高い。女子は全体の9.5%が短期大学(本科)へ進学しており,これを合わせると,女子の大学等進学率は56.5%となる。近年,大学(学部)への女子の進学率が増加傾向にある一方で,短期大学への進学率は6年度の24.9%をピークに減少傾向にある。

大学(学部)卒業後,直ちに大学院へ進学する者の割合は,平成26年度では男子14.8%,女子5.9%となっている(I-6-1図)。

なお,文部科学省「学校基本調査」によると,平成26年度における高等教育段階の女子の割合は,大学の学部43.8%,大学院(修士課程)30.2%,大学院(博士課程)33.0%となっている。

I-6-1図 学校種類別進学率の推移別ウインドウで開きます
I-6-1図 学校種類別進学率の推移

I-6-1図 [CSV形式:3KB]CSVファイル

(修士課程及び専門職学位課程における社会人の学び直しの状況)

修士課程の社会人入学者に占める女子学生の割合を見ると,平成26年度では半数近い49.2%を占めている。

しかし,仕事により直結した学位と言える専門職学位課程への社会人入学者に占める女子の割合は,平成26年度では24.6%であり,16年度以降,おおむね横ばいとなっている(I-6-2図)。

I-6-2図 社会人大学院入学者数の推移(男女別)別ウインドウで開きます
I-6-2図 社会人大学院入学者数の推移(男女別)

I-6-2図 [CSV形式:1KB]CSVファイル

(高等教育在学率の国際比較)

我が国の女性の高等教育在学率は,他の先進国と比較して低い水準になっている。また,他の国では,男性より女性の在学率が高くなっているが,我が国及び韓国では男性より女性の在学率が低くなっている(I-6-3図)。

I-6-3図 高等教育在学率の国際比較別ウインドウで開きます
I-6-3図 高等教育在学率の国際比較

I-6-3図 [CSV形式:1KB]CSVファイル

(専攻分野別に見た男女の偏り)

大学(学部)の女子学生の専攻分野で最も多いのは社会科学分野(25.4%)であり,社会科学分野専攻の学生を男女別に見ると,3割以上が女子となっている。また,資格取得につながる薬学・看護学等及び教育分野についても女子学生が多い一方,理学及び工学分野を専攻する女子学生は少なく,専攻分野によって男女の偏りが見られる(I-6-4図)。

大学院(修士課程)の女子学生の専攻分野で最も多いのは工学分野(15.5%)であるが,工学分野専攻の学生を男女別に見ると,女子は11.2%と少ない。一方,資格取得につながる医学・歯学,薬学・看護学等及び教育分野は,理学及び工学分野に比べ,女子学生が多い傾向にあるなど,大学院についても専攻分野によって男女の偏りが見られる(I-6-5図)。

なお,文部科学省「学校基本調査」(平成26年度)によると,博士課程では,人文科学や教育分野を専攻する学生の女子割合が高い。また,法科大学院では27.6%(26年5月1日現在)が女子学生となっている。

I-6-4図 専攻分野別に見た学生分布(大学(学部))の推移(男女別)別ウインドウで開きます
I-6-4図 専攻分野別に見た学生分布(大学(学部))の推移(男女別)

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I-6-5図 専攻分野別に見た学生分布(大学院(修士課程))の推移(男女別)別ウインドウで開きます
I-6-5図 専攻分野別に見た学生分布(大学院(修士課程))の推移(男女別)

I-6-5図 [CSV形式:2KB]CSVファイル

(社会教育での学習者)

生涯のいつでも,自由に学習機会を選択して学ぶことができるよう,多様な学習機会の整備が進められているところであるが,公民館,青少年教育施設等における学級・講座の受講者については,女性の割合が高い。文部科学省「社会教育調査」(平成23年度)によると,学級・講座の受講者のうち女性が占める割合は,公民館・公民館類似施設で66.1%,生涯学習センターで63.0%,青少年教育施設で52.7%となっている。

(上位の職で少ない女性教員の割合)

初等中等教育について女性教員の割合を見ると,小学校では教諭の6割以上を女性が占めているが,中学校,高等学校と教育段階が上がるにつれてその割合は低くなっている。校長,副校長及び教頭に占める女性の割合は,小学校の校長で平成2年の4.1%が26年には19.1%と大幅に上昇していることを始めとして上昇傾向にあるが,その割合は教諭に比べて依然として低い(I-6-6図)。

文部科学省「学校基本調査」(平成26年度)により,大学及び大学院,短期大学の全教員に占める女性の割合を見ると,短期大学では51.7%であるが,大学及び大学院では22.5%にとどまっており,特に教授,副学長及び学長に占める女性の割合は低い。

また,大学教員における女性の割合を専門分野別に見ると,比較的女性の割合が高い分野においても,講師,准教授,教授と段階が上がるにつれて女性の割合が低くなる傾向が見られる(I-6-7図)。

I-6-6図 本務教員総数に占める女性の割合(初等中等教育,高等教育,平成26年度)別ウインドウで開きます
I-6-6図 本務教員総数に占める女性の割合(初等中等教育,高等教育,平成26年度)

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I-6-7図 大学教員における分野別女性割合(平成26年度)別ウインドウで開きます
I-6-7図 大学教員における分野別女性割合(平成26年度)

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