男女共同参画白書(概要版) 平成27年版

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第2節 地方の政治・行政・経済分野における女性の活躍

1.地方の政治分野における女性の活躍

(女性議員の割合が高い地方議会は,東京圏や近畿地方に多い)

都道府県議会,市区議会及び町村議会の女性議員の割合を都道府県別に見ると,平成26年12月31日現在,これらのいずれも全国平均以上である都道府県は,東京都,神奈川県,長野県,滋賀県,京都府及び兵庫県の6都府県となっているなど,女性議員の割合が高い地方議会は東京圏や近畿地方に多い傾向がある(I-特-3図)。

I-特-3図 地方議会における女性議員の割合(都道府県別,平成26年)

(女性の当選人割合は立候補者割合に比例して増加)

平成23年統一地方選挙における地方議会の立候補者と当選人の女性割合を都道府県別に見ると,女性の立候補者割合が高い都道府県で女性の当選人割合が高く,おおむね比例関係にある。また,25歳以上45歳未満の立候補者割合が高い都道府県で,立候補者の女性割合が高い傾向が見られ,これらを合わせて考えると,男女にかかわりなく若年層の立候補者を増やし,若年層の政治参画を通じた地方政治の活性化を進めることで,結果的に女性議員割合が高まっていく可能性も示唆される。

2.地方の行政分野における女性の活躍

(都道府県管理職の女性割合は地方公共団体により様々)

平成26年4月1日現在で,都道府県における管理職の女性割合を地方公共団体別に見ると,東京都が14.9%,鳥取県が12.0%となる一方,依然として5%に満たない県も見られるなど,都道府県により様々である(I-特-6図)。

I-特-6図 地方公務員(都道府県)管理職に占める女性の割合(都道府県別,平成16,26年)

(市区町村管理職ではさらに団体間の差が大きい)

平成26年4月1日現在,管理職の女性割合が30%以上の市区町村は28府県に計61団体(全市区町村の3.5%)あり,最も割合が高いのは徳島県板野町(54.1%)となっている。一方,女性管理職がゼロの市区町村も42都道府県に307団体(全市区町村の17.6%)ある。

(都道府県上級職の女性採用割合は2割を超える)

都道府県の上級職における平成16~25年度の各年度の採用者に占める女性割合の平均値は,全国平均で21.2%となっている。上級職採用者に占める女性割合が高い県の中には,現時点では管理職の女性の割合が必ずしも高くないところもあるが,将来的には女性の管理職が大きく増加することが期待される。

3.地方の経済分野における女性の活躍

(管理的職業従事者の女性割合は近畿地方以西で高い傾向)

管理的職業従事者に占める女性の割合を都道府県別に見ると,近畿地方以西では全国平均(13.4%)以上のところが多い(I-特-10図)。

I-特-10図 管理的職業従事者に占める女性割合(都道府県別,平成24年)

(女性の昇進意欲は制度や条件により高まる可能性)

働く男女の昇進に対する意識(平成27年)を見ると,正社員及び非正社員のいずれにおいても,「昇進したい」とする者の割合は,男性より女性の方が低い。しかし,女性は「昇進制度や昇進するポストがない」とする者の割合が男性よりも高いこと等を考慮すると,昇進制度や昇進の条件によっては,女性の昇進意識も高まる可能性がある。

(女性の起業は中国・四国・九州地方で多い傾向)

女性の有業者に占める起業者の割合(平成24年)を都道府県別に見ると,中国地方,四国地方及び九州地方で全国平均を上回る県が多い。

株式会社日本政策金融公庫が融資をした企業を対象とした調査により,起業者の開業直前の職業を見ると,女性では,前職が「非正社員」や「専業主婦」といった,事業運営の経験が少ないと考えられる者が3割近くを占めている。また,開業の動機を見ると,女性の起業者は男性と比較して,「年齢や性別に関係なく仕事がしたかった」,「趣味や特技を生かしたかった」等の割合が高い。女性の起業は,地域経済の活性化につながるとともに,女性の能力発揮や自己実現の場としても重要と考えられる。