第2節 仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)の重要性

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第2節 仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)の重要性

(女性の就業継続をめぐる状況)

育児休業を取得している女性は増えているが,出産前後に継続就業している割合は増えておらず,出産を機に離職する女性は以前と変わらず多い(第1-3-3図)。

第1-3-3図 子どもの出生年別第1子出産前後の妻の就業経歴 別ウインドウで開きます
第1-3-3図 子どもの出生年別第1子出産前後の妻の就業経歴

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これを正規の職員とパート・派遣に分けて見ると,正規の職員は就業を継続している者の割合が増加しているのに対し,パート・派遣は就業を継続する者の割合が正規の職員に比べて少なく,パート・派遣等非正規雇用者については,第1子出産前後に退職する女性の割合が依然として高い状況にある(第1-3-4図)。

第1-3-4図 出産前有職者の就業継続率(就業形態別) 別ウインドウで開きます
第1-3-4図 出産前有職者の就業継続率(就業形態別)

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(子育て世代の男性の長時間労働)

年齢別男性の週労働時間60時間以上の就業者の割合を見ると,子育て期にある30歳代男性において,18.2%(平成24年)と,他の年代に比べ,最も高い水準となっている(第1-3-5図)。

第1-3-5図 週労働時間60時間以上の就業者の割合(男性・年齢別) 別ウインドウで開きます
第1-3-5図 週労働時間60時間以上の就業者の割合(男性・年齢別)

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そうした男性の長時間労働の影響もあって,総務省「社会生活基本調査」(平成23年)によると,我が国では, 6歳未満の子どもを持つ夫の家事・育児関連に費やす時間(1日当たり)は67分と前回調査(平成18年)から7分増加したものの,他の先進国と比較して低水準にとどまっている(第1-3-6図)。

第1-3-6図 6歳未満児のいる夫の家事・育児関連時間(1日当たり) 別ウインドウで開きます
第1-3-6図 6歳未満児のいる夫の家事・育児関連時間( 1日当たり)

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また,男性の育児休業取得率の推移を見ると,民間企業では,平成23年には2.63%となっており,前年に比べ1.29ポイント上昇した。国家公務員では,同年度は2.02%と前年比0.22ポイント上昇した。しかしいずれも,女性(民間企業87.8%,国家公務員98.7%)と比較すると依然として低水準で,男女間で大きな差がある(第1-3-7図)。

第1-3-7図 男性の育児休業取得率の推移 別ウインドウで開きます
第1-3-7図 男性の育児休業取得率の推移

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(仕事と介護の両立について)

厚生労働省「仕事と介護の両立に関する実態把握のための調査研究」(平成22年3月) 2によると,仕事と介護を両立しながら,介護を始める前と同じ職場で仕事を継続している人(以下「継続組」という。),及び介護のために転職し現在仕事をしている人(以下「転職組」という。)を対象に,「介護と仕事の両立促進のために必要な勤務先による支援」について質問したところ,「出社・退社時刻を自分の都合で変えられる仕組み」と答えた人の割合が30.5%,「残業をなくす/減らす仕組み」が29.4%,「介護サービス利用費用の助成」が26.4%と多くなっ
ている(第1-3-8図)。

第1-3-8図 仕事と介護の両立促進のために必要な勤務先による支援(複数回答) 別ウインドウで開きます
第1-3-8図 仕事と介護の両立促進のために必要な勤務先による支援(複数回答)

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2平成21年度委託事業。

また,継続組,転職組に加え,仕事と介護のために仕事を辞め,現在,仕事に就いていない人も対象に,「仕事と介護の両立に必要な地域や社会による支援」について質問したところ,「介護に関する情報の普及啓発」と答えた人の割合が48.0%,「緊急時に対応できるショートステイの拡大」が44.7%,「精神面での負担軽減のための相談の充実」が41.3%と多くなっている(第1-3-9図)。

第1-3-9図 仕事と介護の両立促進のために必要な地域や社会による支援 別ウインドウで開きます
第1-3-9図 仕事と介護の両立促進のために必要な地域や社会による支援)

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