コラム5 男性への稼ぎ手としての役割期待

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コラム5

男性への稼ぎ手としての役割期待


内閣府「『男性にとっての男女共同参画』に関する意識調査報告書」(平成24年4月)によると,家族を経済的に支える役割は夫に,家事を主に担う役割は妻にそれぞれ期待する傾向は男女双方に見られる。

同調査によれば,「(結婚したら)家族のために,仕事は継続しなければならない」と思うかという問に男性の8割弱が肯定的に答えている(「とてもそう思う」又は「ややそう思う」と答えた者の割合。以下同じ)。これに対して,女性も8割が「(結婚したら)夫は家族のために,仕事は継続しなければならない」という問に肯定的に答えている。他方で,「(結婚したら)妻には,できるだけ稼いでもらいたい」との問に肯定的に答えた男性の割合が2割弱にとどまるのに対して,女性では5割弱の者が「(結婚したら)自分もできるだけ稼ぎたい」との問に肯定的に答えている。

さらに,「家事は,主に妻にしてほしい」という問に対して男性の約5割,「家事は主に自分がしたほうがよい」という問に対して女性の約6割がそれぞれ肯定的に答えており,男性では年収が高くなるほどそのような役割への期待が強まる傾向がうかがえる。

男性自身による稼ぎ手としての役割意識は自らの雇用が不安定であることや離職・転職経験があることによっては影響されないことを指摘する研究もあり,夫の就業率が妻の所得水準によって影響されていないことをうかがわせるデータ(第1-特-22a図)等からも,男性の就業は女性とは異なる意識や事情に基づいていることがあらためてうかがわれる。