コラム4 M字カーブの深さ(都道府県別)

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コラム4

M字カーブの深さ(都道府県別)


女性の労働力率に見られるM字カーブについては,近年,底が浅くなってきており,また,年齢の若い世代に今後もその傾向が続くことを思わせる興味深い動きも見られるが,都道府県別のM字カーブの深さやその要因はそれぞれの地域の雇用環境や意識等によって様々であることが指摘されている。

全国知事会が平成24年7月に取りまとめた「女性の活躍の場の拡大による経済活性化のための提言-M字カーブの解消に向けて-」(以下「提言」という。)によれば,M字カーブの深さ(左側の山の頂点と底との差)が最も浅いのは高知県(2.5ポイント)で,島根県(3.5ポイント)がこれに続く。これに対して,M字カーブが深いのは神奈川県(18.0ポイント)を筆頭に,奈良県(16.8ポイント),東京都(15.6ポイント),千葉県(14.9ポイント),大阪府(14.3ポイント),埼玉県(13.8ポイント),兵庫県(13.7ポイント)と大都市とその周辺地域となっている。

提言では,M字カーブの要因として挙げられることの多い「男性の意識」,「社会の意識」,「雇用環境」,「保育環境」及び「女性の意識」に関連する指標を各種統計調査や意識調査から設定して分析している(「雇用環境」は男女別)。それによれば,各都道府県におけるM字カーブの深さと,それらの要因の平均値との間には相関が見られ,また,都道府県によって各項目のポイントに偏りも見られた。

提言では,都道府県別のM字カーブの分析のほか,M字カーブの解消による経済効果(有業者減少の歯止め効果,県内総生産の増加額)を試算しつつ,仕事と家庭の両立,子育てをしながらの就労継続等4分野にわたって,M字カーブの解消に向けて国・地方自治体・企業等が行うべき取組を提言している。

(参考)女性の労働力率におけるM字カーブの深さ(都道府県別)