男女共同参画白書(概要版) 平成25年版

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第6章 生涯を通じた女性の健康

(乳児死亡率等は低下傾向)

母子保健関係の主要な指標の昭和50年から平成23年までの動向を見ると,いずれも総じて低下 (改善)傾向となっている(第31図)。

第31図 母子保健関係指標の推移

(総数では減少傾向にある人工妊娠中絶件数)

人工妊娠中絶件数及び人工妊娠中絶実施率(15歳以上50歳未満女子人口千対)の昭和50年から平成23年度までの動向を見ると,総数では件数,実施率共に総じて減少傾向にある。また,20歳未満の件数の全年齢に占める割合は,昭和50年の1.8%から,平成14年度には13.7%となり,それ以降減少傾向にあったが,22年度以降2年連続で増加し,23年度には10.3%と,前年に比べ0.8ポイント上昇した。

(若年での感染が多いHIV感染者)

平成23年に新規で感染が報告されたHIV感染者は1,056人(第32図),エイズ患者は473人で,前年に比べてHIV感染者の報告数は減少し,エイズ患者の報告数は増加した。HIV感染者は過去4位,エイズ患者は過去最多であった。HIV感染者の推定感染地域を見ると,全体の87.2%(921件) が国内感染となっている。

感染が報告された時点の年齢で年代別に新規で感染が報告された感染者数を見ると,20歳代が全体の31.2%,30歳代が34.8%を占めており,HIV感染者は20歳代,30歳代に集中している。

第32図 HIV感染者の推移(男女別・年代別)

(女性のがん)

女性特有のがんとして子宮がん,乳がん等があり,これらのがんの総患者数は,平成23年では5.5万人,乳がんは19.2万人となっている。

また,我が国における女性のがん検診の受診率(過去2年間)は,子宮がん検診においては20歳以上で32.0%,乳がん検診においては40歳以上で31.4%であり,欧米諸国と比べて低い状況にある。