平成24年版男女共同参画白書

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第1節 女性の人権を尊重した表現の推進のためのメディアの取組の支援等

性の商品化や暴力表現が女性の人権を侵害している現状を改善し,メディアが自主的に女性の人権を尊重した表現を行うようその取組を促すとともに,性・暴力表現を扱ったメディアを青少年やそれに接することを望まない者から隔離することを含め,メディアにおける人権尊重を推進する実効的な方策について検討する。また,メディア・リテラシー(メディアの情報を主体的に読み解き,自ら発信する能力)の向上のための支援を積極的に行う。

文部科学省では,平成23年度に引き続き,学校教育,社会教育を通じて,情報を主体的に収集・判断し,インターネットを始めとする様々なメディアが社会に及ぼす影響を理解することで,情報化の進展に主体的に対応できる能力の育成を図る。また,保護者等を対象にインターネット上のモラルやマナーを普及啓発するケータイモラルキャラバン隊を継続するとともに,新たに,インターネットにつながる新たな機器への対応や緊急時に有効なインターネットの活用法等について,青少年が研修し発信する事業を展開する。さらに,スマートフォン等日々進化し急速に普及していくネット環境への対応策等を青少年・保護者に対し普及啓発するとともに,学校・家庭・地域が連携した先進的な取組を充実させ,地域における有害情報対策を推進する。

内閣府では,青少年育成条例における有害図書類の指定制度の効果的な運用を図るため,都道府県等との連携を密にしつつ,引き続き情報提供を行う。

警察では,「児童ポルノ排除総合対策」等に基づき,悪質・巧妙化するインターネット利用児童ポルノ事犯の態様の変化に応じた取締りの強化,削除依頼の実施や関連事業者によるブロッキングに対する協力等の流通・閲覧防止対策の推進,被害児童の早期発見及び支援活動等,総合的な児童ポルノ対策を推進する。また,事業者によるブロッキングの自主的実施がより実効的なものとなるように,関連する情報を提供する。

総務省では,インターネット・サービス・プロバイダの規模に見合った精度の高いブロッキング方式の開発・実証を行い,その導入に向けた支援・環境整備を行うために,「児童ポルノサイトのブロッキングに関する実証実験」を実施するとともに,当該実証実験の成果等の普及・啓発や児童ポルノアドレスリスト作成・管理を行う民間団体等の活動の支援を行うことで,民間事業者の自主的な取組としてのインターネット上の児童ポルノ画像等の流通・閲覧防止対策の導入の推進を行う。

さらに,メディアの健全な利用の促進に必要となるメディア・リテラシーの向上を図るため,放送,インターネット,携帯電話等のメディアの特性に応じたメディア・リテラシーに関する教材等の普及を図る。

経済産業省では,今後も引き続き関係者と連携して,青少年のインターネットの利用環境の変化に対応するために,望ましいフィルタリングの提供の在り方についての判断基準の普及に努め,当該基準を用いた判断に資するべく,新たなインターネット接続機器に対応した機器の利用状況等を継続的に調査するなどの必要な施策を講じるとともに,フィルタリング等に関する情報提供・普及啓発活動を通じて,保護者や青少年のインターネットを適切に活用する能力の向上及びフィルタリングの普及啓発を行う。