平成24年版男女共同参画白書

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第5章 高齢男女をめぐる状況

本章のポイント


第1節 高齢男女をめぐる状況等

  • 男性では5人に1人,女性では4人に1人以上が65歳以上の高齢者であり,75歳以上では6割以上を女性が占めている。
  • 孤立や経済困窮等の状況に置かれやすい高齢の単身世帯は,未婚や離婚が増える中で今後急速に増えていくと考えられる。
  • 貧困の状況には男女で違いが見られ,高齢になると女性の相対的貧困率は男性の相対的貧困率を大きく上回るようになる。特に,高齢単身女性世帯や母子世帯の貧困率が高い状況が見られる。
  • 男性については,単身男性の地域における孤立が深刻化している。
  • 非正規雇用が若年層も含めて増加傾向にある。非正規雇用者は,現状においては厚生年金等被用者保険の適用から除外されやすい状況にあるとの指摘もあり,その増加は将来において老後の生活設計を描きにくい層の増加に結び付く可能性がある。
  • 相対的貧困率を,到達した教育段階(学歴)別に見ると,特に中学校卒業の若年の女性において高い傾向が見られる。

第2節 高齢男女の自立と共生

  • 女性は男性に比べて,就業中断等で就業経験の蓄積や能力開発が不十分であるために,就業希望が実現されにくい現状がある。
  • 女性の高齢期の経済的自立につなげるため,税制や社会保障制度を多様なライフスタイルに中立的なものとする方向で見直していくことが必要である。
  • 高齢社会を豊かで活力ある社会とするためには,年齢や性別に基づく固定的な見方や偏見を除去し,高齢者を他の世代と共に自立し誇りを持って社会を支える重要な一員として,積極的に捉える必要がある。