平成24年版男女共同参画白書

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コラム2

災害派遣における女性自衛官等の活躍と託児支援の重要性


今般の災害派遣においては,子どもを抱える多くの自衛隊員が,駐屯地に一時的に子どもを預け,それぞれの業務に従事した。

人事業務に従事した東北補給処の隊員は,「震災発生時,職場で被災しました。母1人子1人の私は,登校していた小学3年生の娘を必死に探し出し,余震が続く官舎に一人では置いておけず,駐屯地内の一時預り所に連れてきました。そこで,約1週間お世話になり,何とか仕事をすることができました。その後実家に預けましたが,子どもを安心して預け国民のために働けるよう託児所機能がこれから充実していくことを切に願います」と述べている。

防衛省・自衛隊では,天災地変により災害派遣命令等が発令された場合の緊急登庁に当たって,隊員が家族の世話等に不安を抱くことなく任務に専念できるよう,常日頃から備えておくことは重要と考えている。特に小さな子どもを対象とした託児支援は,災害派遣により多くの女性自衛官等を活用する観点からも重視しており,基地・駐屯地内の施設において,一時的に子どもを預かることができる態勢の整備(子どもの世話をする人員の配置や安全マットを敷くなどの環境整備)に取り組んでいる。

今般の震災に当たっては,地震発生当日に陸上自衛隊の19個駐屯地において児童を一時的に預かる施設を開設して,延べ1,138人の子どもを一時的に預かった。このことにより,延べ931人の隊員が災害派遣活動に従事することができ,自衛隊の即応態勢維持の観点から大きな成果が得られ,子どもを持つ女性自衛官等の活用にも大いに役立った。

朝霞駐屯地内の一時預り所