平成23年版男女共同参画白書

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第4節 売買春への対策の推進

1 売買春の根絶に向けた対策の推進,売買春からの女性の保護,社会復帰支援

警察では,売春防止法,風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和23年法律第122号),児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律(平成11年法律第52号。以下「児童買春・児童ポルノ法」という。),児童福祉法,刑法(明治40年法律第45号)及び地方公共団体が定める青少年保護育成条例等に違反する行為について,厳正な取締りを行うとともに,被害女性の保護・支援に努めている。

法務省では,刑事施設,少年院等において,社会復帰に向けた処遇の一層の充実に努めている。

厚生労働省では,売買春を未然に防止するため,婦人相談所及び婦人保護施設並びに婦人相談員による婦人保護事業の積極的な実施に努めている。

2 児童に関する対策の推進

我が国は,「児童の権利に関する条約」及び「児童の売買,児童買春及び児童ポルノに関する児童の権利に関する条約の選択議定書」を,それぞれ平成6年及び17年に締結しており,関係省庁が連携しつつその履行に努めている。

また,「児童ポルノ排除総合対策」(平成22年7月27日犯罪対策閣僚会議決定)に基づき,関係省庁が連携して,児童ポルノの排除に向けた国民運動の推進,インターネット上の児童ポルノ画像等の流通・閲覧防止対策の推進などに取り組むこととしている。

外務省では,平成22年3月に「児童の権利条約に関するシンポジウム~今後の課題」を開催し(共催:ユニセフ東京事務所,日本ユニセフ協会),テーマの一つとして「児童の性的搾取からの保護」を取り上げ,我が国が対処すべき今後の課題及び国際協力の観点から我が国が果たすべき役割について,有識者・実務者からの提言及び聴衆との意見交換を通じて議論を行った。

警察では,平成16年6月に法定刑の引上げ等の改正がなされた児童買春・児童ポルノ法に基づき,児童買春の取締りを強力に推進するとともに,被害児童に対しては,関係機関等と連携しつつ,必要に応じ継続的な支援等を実施するなどの保護対策を推進している。また,児童買春等に関する情勢の深刻さや被害の未然防止の必要性等について,広報啓発活動を推進している。

厚生労働省では,児童買春の被害者となった児童に対し,相談,一時保護,児童養護施設等への入所等の対応を行い,場合により心理的治療を行うなどその心身の状況に応じた適切な処遇を図っている。