平成21年版男女共同参画白書

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コラム

女性研究者の活躍促進


日本の研究者に占める女性の割合は13.0%と他の先進国と比べて2分の1から3分の1程度の水準にとどまっており,国際的にみても低い割合となっている。

このため,「男女共同参画基本計画(第2次)」では,新たな取組を必要とする分野の1つに科学技術を新設した。また,当該計画及び「第3期科学技術基本計画」において,女性研究者の採用割合の目標として,「自然科学系全体で25%(理学20%,工学15%,農学30%,保健30%)」を掲げ,これらの計画等に基づき,出産・育児等と研究活動を両立するための環境整備,女性研究者の積極的な採用・登用等の推進,女子中高生の理工系選択の支援等の取組を進めている。

さらに取組を加速するため,「女性の参画加速プログラム」(平成20年4月男女共同参画推進本部決定)を策定し,活躍が期待されながら女性の参画が少ない分野として研究者を3つの重点分野の1つに掲げ,研究者の出産・育児を考慮した研究費等の制度の拡充・弾力化やモデルとなる先進的な取組の普及・定着など研究を続けやすい環境整備等に積極的に取り組んでいる。

このほか,様々な団体等の取組の一例として,平成20年7月には日本学術会議科学者委員会がアンケート調査結果を基に提言:「学術分野における男女共同参画促進のために」を公表するとともに,男女共同参画学協会連絡会では,学協会間での連携協力を通じ,科学技術の分野における,女性と男性がともに個性と能力を発揮できる環境整備とネットワーク形成に取り組んでおり,様々な提言・調査研究を行っている。

また,同年9月には国立大学七大学総長による「U7男女共同参画に係る共同宣言」が行われるとともに,平成21年3月には東京大学による「男女共同参画加速のための宣言」が公表されるなど様々な取組が進められている。