平成19年版男女共同参画白書

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第4節 多様な就業ニーズを踏まえた雇用環境の整備

1 パートタイム労働対策の総合的な推進

(1)パートタイム労働指針の周知による均衡待遇の定着と事業主の取組への支援

厚生労働省では,短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律(平成5年法律第76号)に基づく「事業主が講ずべき短時間労働者の雇用管理の改善等のための措置に関する指針」(平成5年労働省告示第118号)において示された正社員とパートタイム労働者との均衡を考慮した待遇(均衡待遇)の考え方の浸透・定着を図るため,都道府県労働局等を通じた広報活動,説明会の実施により,指針の周知に努めている。

また,働き方が多様化している中で,それぞれの働き方の実態に応じた待遇の均衡を図り,すべてのパートタイム労働者について,公正な働き方を実現するため,短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律の一部を改正する法律案を第166回国会へ提出した。

短時間労働援助センターにおいては,事業主が均衡待遇への取組状況を自ら評価しアドバイスを得られるインターネット上の診断システムの提供,雇用管理アドバイザーによる情報提供,相談援助の実施,パートタイム労働者と正社員との均衡待遇に意欲のある事業所への具体的な助言及びその成果を普及させるための,当該事業所が属している業種別団体等の使用者会議の開催等により均衡待遇に取り組む事業主への支援を行った。

(2)パートタイム労働者の雇用の安定
 厚生労働省では,パートタイム雇用に関する職業紹介サービス等を提供するパートバンクを設置し,パートタイム雇用に係る円滑な需給調整を推進している。

2 労働者派遣事業に係る対策の推進

厚生労働省では,労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律(昭和60年法律第88号)に基づき,適正な事業運営が確保されるよう派遣元事業主,派遣先等に対し,制度の周知及び指導の徹底を図るとともに,派遣労働者等からの相談に対応している。

3 在宅勤務等,新しい就業形態等に係る施策の推進

総務省,厚生労働省,経済産業省,国土交通省(以下「テレワーク推進関係4省」という。)が呼びかけ人となり,産学官連携の下,平成17年11月に設立した「テレワーク推進フォーラム」において,政府の目標である「2010年までに適正な就業環境の下でのテレワーカーが就業者人口の2割(「IT新改革戦略」(平成18年1月IT戦略本部決定))の達成に資するよう,課題解決のための調査研究や普及活動を展開している。

また,テレワーク推進関係4省では共同で,これからテレワークを導入しようと考えている企業,あるいは既にテレワークを導入したが運用がうまくいっていない企業などを支援するため,「企業のためのテレワーク導入・運用ガイドブック」を分かりやすく映像化したDVDを公表した。

総務省では,平成18年10月から育児・介護に携わる職員を対象に,官公庁では初めて,テレワーク(在宅勤務)を本格開始し,率先したテレワークの実施に取り組んでいる。

国土交通省では,今後のテレワークの普及啓発・支援策の検討に資するため,平成17年度に行った第1回テレワーク試行の結果を踏まえ,18年度は育児等の負担を抱える職員を対象として,第2回テレワーク試行を実施した。

厚生労働省では,在宅勤務の意義やメリットを広く浸透させるため,健康面や業務面への影響等について調査する実証実験を行った。また,在宅勤務の適切な労務管理の在り方を明確にしたガイドラインの周知やシンポジウム開催・相談活動等により,テレワークの適切な導入及び実施を図っている。

また,在宅ワークについて契約条件の文書明示や適正化などを示したガイドラインの周知・啓発を行うとともに,インターネット上で能力開発ができるシステムの運用や再就職セミナー,情報提供,相談等の支援事業を実施した。

4 男女のそれぞれ少ない職業分野への参画

内閣府では,関係省と連携し,女子高校生・学生等を対象に,平成17年度から,女性の進出が遅れている理工系分野に関する情報提供・意識啓発キャンペーン,地域の女性センターにおける多様なキャリア形成支援のための就業支援・意識啓発セミナー,ジョブカフェ等と連携した研修・広報事業などを実施している。