平成18年版男女共同参画白書

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NPO活動で再チャレンジして活躍する女性

惣万佳代子氏(特定非営利活動法人「デイサービスこのゆびとーまれ」理事長)

(平成16年度女性のチャレンジ大賞(内閣府)受賞)

看護師としての20年の経験から,デイサービスの開業を決意し,平成5年民間デイケアハウス「このゆびとーまれ」を開設。高齢者だけでなく子どもや,障害者も一緒にケアできる在宅福祉サービスとして独自の「富山型デイサービス」を創設。

平成11年,県内で初めてのNPO法人として「このゆびとーまれ」が認証され,同法人を手本に富山型デイサービスを行おうとするNPO法人が年々増加している。

従前,小規模な事業所では知的障害者と障害児のデイサービスに対する国の支援費を受給できなかったが,平成15年,富山県は「富山型デイサービス推進特区」を申請し認定を受けた。

平成16年には2床以上のショートステイでお年寄りと障害者が一緒に利用できる「富山型福祉サービス特区」が認められるよう特区を申請,この提案を受け,限られた地域でなく全国的に規制緩和がなされるまでとなり,全国的な支持や広がりをみせている。

さらに「富山型」民間デイサービスの起業を支援するため,起業家育成講座の講師を務め,多くの「富山型」民間デイサービスの起業家を輩出している。

デイサービスこのゆびとーまれ
デイサービスこのゆびとーまれ

星川光子氏(特定非営利活動法人「いぶりたすけ愛」理事長)

(平成17年度女性のチャレンジ賞(内閣府)受賞)

登別市国内派遣研修への参加をきっかけに,高齢者介護分野に着目し,主婦5名で勉強会を始め,平成7年に「登別ライフケアを考える会」を設立。

平成9年には「いぶりたすけ愛」へと組織名を変更し,平成11年には北海道初の介護分野でのNPO法人認証を受け,介護保険適用サービスを提供する法人へと発展した。現在,会員は870余名にまで増えており,かつ会員の3分の1は男性であり,従来女性が担ってきた介護や育児を地域社会における市民活動へと転換することに成功していると言える。

そのサービス内容は,介護等の在宅サービス等を提供した会員は1時間当たり5点のサービス券をもらい,将来,換金若しくは自分や家族がサービスを受けることができるというもので,市民相互扶助に「有償性」や「時間預託」を取り入れた新たな福祉形態を展開している。

平成18年4月には高齢者の自立と共生を目指す、「グループリビング」を開設。「住んでもいい」「泊まってもいい」「通ってもいい」「訪問してもらってもいい」多機能なサービス拠点を新築、新たな取組を実施している。

いぶりたすけ愛
いぶりたすけ愛