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第1節 子育て期の女性の労働の現状
1 子育て期の女性労働力率
(女性の労働力率は子育て期に低下するが,子育て期の就業希望者は多い)
日本の女性の労働力率は,子育て期に当たる30歳代前半で低下するM字型カーブを描く。就業希望者数を労働力人口に加えて算出した潜在的労働力率では,労働力率にあったM字のくぼみは少なくなり,台形に近くなる。就業希望率は30歳代で高くなっており,就業希望者総数は360万人のうち25歳から54歳までが245万人となっている(第1図)。
2 仕事と家庭に関する男女の意識の変化
(女性の職業に関する意識は「就業継続」支持が「一時中断・再就職」を上回る)
女性が職業をもつことについての考えは,「子どもができても,ずっと職業を続ける方がよい」と考える「継続就業」支持(41.9%)が,「子どもができたら職業をやめ,大きくなったら再び職業をもつ方がよい」と考える「一時中断・再就職」支持(37.0%)を上回る(第2図)。
3 出産前後の女性の就業の変化
(出産前後を通じて継続就業している女性は23%)
女性の勤続年数は長期化傾向にあるが,出産を機に離職する女性も多く第1子の出生1年前に有職であった母親で出生1年半後まで一貫して継続就業している割合は23%,一時離職して出生1年半後までに再就職した割合は13%である(第3図)。
4 男性の家事・育児参加の状況
(男性の家事・育児参加が女性の就業を支える)
1日7時間以上勤務している女性では,夫の家事・子育て時間が60分以上である割合が高まっており,女性の仕事と子育ての両立のためには,男性の家事・育児参加が進むことが重要であると考えられる(第4図)。
第4図 女性の出勤日1日あたりの勤務時間別:夫の1日の家事・育児時間
5 女性の活躍は日本社会の活力
(女性労働力で労働力人口の減少を緩和できる)
女性の労働市場参加が進むと仮定して計算すると,労働力人口の減少をかなりの部分緩和することができると推測される。就業を希望する女性の就業実現が望まれるところである(第5図)。