(施策の策定等に当たっての配慮)
第15条 国及び地方公共団体は、男女共同参画社会の形成に影響(1)を及ぼすと認められる(2) 施策(3)を策定し、及び実施するに当たっては、男女共同参画社会の形成に配慮(4)しなければならない。
1 趣旨
国及び地方公共団体の施策は、社会経済活動全般を対象に展開され、当該施策に伴って生じる影響も広範多岐にわ たるため、直接的に男女共同参画社会の形成の促進に関係する施策ではなくとも、結果的に男女共同参画社会の形成 に影響を及ぼすことがあり得ることから、そのような施策について男女共同参画社会の形成への影響を適切に配慮する 必要があると規定したものである。
また、男女共同参画社会の形成の促進に関する施策は、国においては男女共同参画基本計画に盛り込まれ、地方公 共団体においても都道府県男女共同参画計画、市町村男女共同参画計画に盛り込まれるなどして、実施されることにな る。これらの計画に盛り込まれない施策であっても、策定、実施に当たっては男女共同参画社会の形成に配慮すべきとし たものである。
この施策への配慮は、施策を策定等する者が行うことは当然であるが、基本法第22条第4号の規定(政府の施策が 男女共同参画社会の形成に及ぼす影響を調査し、必要があると認めるときは、内閣総理大臣及び関係各大臣に対し、意 見を述べること)により男女共同参画会議の所掌事務ともされており、男女共同参画会議が施策の影響調査を行うことが 明記されている。
第15条が地方公共団体を含んでいるのは、地方公共団体の施策もその区域の住民に与え る影響が大きいためである。
2 用語解説
- (1)「影響」
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「影響」には様々なものが考えられ、男女共同参画社会の形成という視点で見た場合、形成を促進する影響と阻害す る影響の両方があり得る。
- (2)「及ぼすと認められる」
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ある施策が影響を及ぼすか否かの判断は、第一義的には、施策を策定、実施する主体によって行われるべきもので ある。
- (3)「施策」
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男女共同参画社会の形成の促進に関する施策だけでなく、およそ国及び地方公共団体が策定、実施する施策すべてが含まれ得るものである。
- (4)「配慮」
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本条における「配慮」とは、具体的には当該施策の策定・実施に当たり、男女共同参画社会の形成が図られるよう努 めることである。当該施策に男女共同参画社会の形成に対する阻害要因がある場合は、阻害要因をなくすように努め、 形成の促進に資する場合は、その推進に一層努めることである。
もとより求められる配慮の程度及び具体的内容については、施策の種別・内容に応じて異なるので、「配慮」は、個別 施策の実施の上で具体化されるものである。