特集3
第80回国連総会「第4回世界女性会議開催30周年記念ハイレベル会合」
内閣府男女共同参画局総務課
国連では1975年の国際婦人年以降、国連女性の地位委員会が中心となり、5年、10年ごとの節目に特別な会合を開催してきました。特に1995年に北京で開催された「第4回世界女性会議」では、現在のジェンダー平等に関する国際的な指針ともいうべき「北京宣言・行動綱領」が採択されました。同会議開催30年目となる2025年は北京+30と題し、様々な取組が行われています。ここでは第80回国連総会ハイレベルウィーク中に開催された会合について報告します。
第80回国連総会「第4回世界女性会議開催30周年記念ハイレベル会合」
2025年9月22日、第80回国連総会「第4回世界女性会議開催30周年記念ハイレベル会合」がアメリカ合衆国・ニューヨークの国連本部で開催されました。
同会合では、国連総会議長、国連事務総長、UN Women事務局長等からのステートメントに続いて、国連加盟各国の首脳・閣僚級等が、男女共同参画社会の実現に向けた各国のコミットメントを表明しました。
我が国からも、三原じゅん子内閣府特命担当大臣(男女共同参画)が出席し、日本政府の北京+30行動アジェンダへの参加に際し、特に「女性・平和・安全保障」と「完全かつ平等な意思決定の力」へのコミットメントを表明しました。

国連総会議場にてステートメントを述べる三原大臣
出典:UN Photo/Loey Felipe
三原大臣によるステートメント全文
議長、御列席の皆様。北京+30行動アジェンダへの参加に際し、日本政府が「女性・平和・安全保障」と「完全かつ平等な意思決定の力」の分野の取組を着実に進めていくことをお約束いたします。
昨年1月、能登半島地震の被災地で女性の休憩所を開設し、性被害を防止するためにホイッスルを避難所で配って回った医師がいました。内科医の根上昌子さんです。
日本は東日本大震災などの経験から、災害時に女性の視点で何をすべきかの教訓を得ています。根上医師だけでなく、多くの女性支援団体や企業が、行政と共に一丸となって能登の女性の支援に当たりました。
日本はこれからも、分野を横断して防災や災害対応への適用を含むWPSアジェンダの実施と強化にコミットしてまいります。
日本は、あらゆる分野の意思決定層における女性の参画拡大に向けても努力を継続しています。
本年は、女性に選ばれる地方づくりを進めるため、北京会議を契機に制定した男女共同参画社会基本法を改正しました。地域のあらゆるステークホルダーが固定的な性別役割分担意識や社会的慣習を改めるよう取り組む体制を各地に構築すべく、来春、ナショナルセンターとして男女共同参画機構を設立し、各地の男女共同参画センターの取組を強力に支援します。
加えて、本年、新たな男女共同参画基本計画を策定し、北京+30行動アジェンダを強力に前進させてまいります。
「子育ても仕事も諦めたくない、職場は自分で作ろうという思いで起業した。」
私にこう語ったある日本の女性起業家は、出産を契機に仕事を辞めて地元に戻り、男性中心の地域で苦労しながらも、酒蔵体験の滞在ビジネスを起業し、地域の幅広い年齢の女性達をスタッフに迎えてビジネスを発展させました。
私は、日本はまだまだ変わっていけると信じています。
世界各国の皆様と手を携え、男女共同参画社会の実現に向けて、日本は全力を尽くしてまいります。
ありがとうございました。

会合の様子
出典:UN Photo/Loey Felipe
日本政府の北京+30に向けた取組については、こちらをご覧ください。
https://www.gender.go.jp/international/int_kaigi/int_csw/beijing30-k.html
