トピックス1
女性役員登用に関する令和6年度調査研究を公表しました
政府は、2023年6月に、女性役員の登用に向けた新たな数値目標を策定しました。この目標に向けた取組を通じて、女性活躍の機運は確実に高まっています。一方、女性登用の進捗には企業ごとに差異があることや、国際的に見ると我が国の役員登用は十分ではない等の課題もあります。これらを踏まえ、登用の加速化に向け、以下の調査研究を行い公表しました。
内閣府男女共同参画局推進課
【令和6年度調査研究のポイント】
●プライム市場上場企業への「執行役員又はそれに準じる役職者」に占める女性割合に関するアンケート調査結果等により、2024年の東証プライム市場上場企業の女性役員比率は15.6%、女性役員が一人もいない東証プライム市場上場企業の比率は4%となりました。
●女性役員登用目標の達成に向けた行動計画を策定している企業の事例を紹介した「女性役員登用に向けた行動計画と取組事例集~企業事例でわかる!目標設定から計画策定・実践まで~」(以下「行動計画と取組事例集」といいます。)を作成しました。
●女性人材のパイプライン構築に向けて女性役員・管理職の皆様のキャリアパス・経験等を記載した「企業で活躍する女性リーダーからのメッセージ~ロールモデル集~」(以下「ロールモデル集」といいます。)を作成しました。
政府の女性役員登用目標について
2023年6月の「女性活躍・男女共同参画の重点方針 2023(女性版骨太の方針 2023)」(令和5年6月 13 日すべての女性が輝く社会づくり本部・男女共同参画推進本部決定)において、プライム市場上場企業を対象として、「2030 年までに、女性役員の比率を30%以上とすることを目指す」、「2025年を目途に、女性役員を1名以上選任するよう努める」などの目標を掲げました。また、その中間的な目標として、2023年 12 月に「第5次男女共同参画基本計画」(令和2年 12 月 25 日閣議決定)における 2025年までの成果目標として「東証プライム市場上場企業役員に占める女性の割合」を19%とすることなどを決定しました。
(備考)
1.東洋経済新報社「役員四季報」及び内閣府調査に基づき内閣府において作成。日本を除くG7諸国の平均、OECD諸国の平均はOECD“Social and Welfare Statistics”から引用。
2.全上場企業、東証一部上場企業、2023年以前の東証プライム市場上場企業における役員は、取締役、監査役及び執行役。
3.2024年以降の東証プライム市場上場企業における役員は、取締役、監査役、執行役に加えて、各企業が女性役員登用目標の前提とした執行役員又はそれに準じる役職者(会社法上の「支配人その他の重要な使用人の選任及び解任」として、取締役会の決議による選任・解任がされている役職者を基本とし、業務において重要な権限を委任されている役職者等)も含む。
4.調査時点は、原則として各年7月31日現在。
「行動計画と取組事例集」について
行動計画とは、各企業において作成されている計画であり、女性役員登用目標の達成に向けた社内での推進体制、登用に向けた人材育成プログラムなどの具体的な施策、ロードマップ等を盛り込んでいます。今回のアンケート調査では、目標設定の有無と行動計画の整備状況についても確認しており、東証プライム市場上場企業において女性役員登用目標を設定している企業は20.0%、目標に加え、行動計画についても策定している企業は10.9%でした。「行動計画と取組事例集」では、まず、「目標設定、行動計画策定・実行のポイント」として、目標設定や行動計画策定・実行の際に重要なキーワードを示しています。
女性役員登用に向けた目標設定、行動計画策定・実行のポイントのページより
続いて、目標・行動計画を整備して取組を進めている10社の事例を紹介しています。各企業の行動計画策定までの経緯や現状把握、目標数値の設定方法、行動計画に盛り込んだ取組(人材育成・意識醸成等に向けた具体的取組)等や行動計画のポイントを図やHP画像によりわかりやすく掲載しています。そのほか、各企業の行動計画策定・実行の担当者が、当事者として「特に重要だと考えていること」も記載しており、実践的な内容となっています。
企業事例 「大日本印刷株式会社」のページより
「ロールモデル集」について
「ロールモデル集」では、経営の中心で活躍されている女性役員・管理職の方に、それぞれのキャリアパス、キャリアを積む中で大変だったことやその乗り越え方、仕事のやりがい等をお伺いしました。冒頭に3名の女性役員による特別座談会、続いて10名の女性役員・管理職の個別ヒアリングの内容を掲載しています。ロールモデルについては、「ある人のすべてを真似る」というアプローチではなく、「この部分はこの人」、「あの部分はあの人」と、部分ごとに参考にしていただくのが良いと考えます。是非、「ロールモデル集」からキャリアのヒントを見つけていただき、より多くの女性がリーダーに挑戦し、自分らしい形で活躍いただきたいと思います。
特別座談会のページより
最後に
女性の活躍は、多様性(ダイバーシティ)が尊重される社会を実現するとともに、我が国の経済社会にイノベーションをもたらし持続的な発展を確保する上でも不可欠です。政府としても、こうした取組を通じて、女性登用の加速化を引き続き推進していきます。
本調査研究の資料はこちらに掲載しています。
https://www.gender.go.jp/policy/mieruka/company/yakuin.html#chousat