特集3
第6次男女共同参画基本計画策定に当たっての基本的な考え方(素案)を取りまとめました
内閣府男女共同参画局推進課
第6次男女共同参画基本計画(以下「6次計画」という。)の策定に向けた「基本的な考え方」についての内閣総理大臣からの諮問(令和6年12月13日)に応じ、その取りまとめに向け、第6次基本計画策定専門調査会(以下「専門調査会」という。)の下に3つのワーキング・グループを設置して詳細な検討を行い、その結果を専門調査会に報告しました。
その後、専門調査会にて議論を行い、第6次男女共同参画基本計画策定に当たっての基本的な考え方(素案)(以下「基本的な考え方(素案)」という。)を取りまとめました。
【1】基本的な考え方(素案)のポイント
基本的な考え方(素案)では、女性も男性も暮らしやすい多様な幸せ(well-being)の実現につながるよう、男女共同参画社会の取組を進めるという考えの下、改正女性活躍推進法に基づく情報公表の取組の充実、各種ハラスメント対策の強化、仕事と健康課題の両立支援、テクノロジーの進展と利活用の広がりを踏まえた男女共同参画の推進、能登半島地震等を踏まえた災害対応への男女共同参画の視点の導入、地域における男女共同参画の取組などを強化しながら取り組むこととしています。
6次計画における基本的な視点と取り組むべき事項 |
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1 性別にかかわらず全ての人にとって働きやすい環境づくりと女性の所得向上・経済的自立に向けた取組の一層の推進。その基盤として、両立支援(育児、介護、健康、学び等)、多様で柔軟な働き方の推進、長時間労働の是正、DXによる働き方改革・生産性向上、ハラスメント対策及びリ・スキリングの促進。 2 男女間の実質的な機会の平等を担保する観点から極めて重要である意思決定過程への女性の参画を一層加速するため、「30%目標」の達成と、その先の、誰もが性別を意識することなく活躍でき、指導的地位にある人々の性別に偏りがないような社会に向け、国際的水準も意識しつつ、ポジティブ・アクションも含め、人材登用・育成を強化する必要。 3 各地域の実情を踏まえた男女共同参画の取組を促進し、更に女性にも選ばれる地域づくりを後押しするため、都市部・地方における課題を踏まえた、雇用の場の創出、起業支援、非正規雇用の処遇改善と正規転換、男女間賃金格差の是正、固定的な性別役割分担意識の解消・慣行の見直し、教育分野の取組、国・地方公共団体・産業界・市民社会の連携や取組の横展開等の各地域における男女共同参画の推進。 4 テクノロジーの進展・利活用の広がりを踏まえ、テクノロジー関係施策のジェンダー主流化と男女共同参画施策を進める上でのテクノロジー利活用促進を車の両輪として進め、ジェンダード・イノベーションを推進するとともに、テクノロジーの進展が男女共同参画に与える負の側面に留意した安全・安心な利用環境の整備に取り組む必要。 5 性犯罪・性暴力や配偶者等への暴力等の多様な暴力が男女共同参画社会の実現を妨げていることを踏まえ、ジェンダーに基づくあらゆる暴力を容認しない社会基盤の形成と被害者の尊厳を回復するための支援の充実に取り組む必要。 6 社会的・経済的な男女間の格差が生活上の困難を固定化・複合化していることを背景に、多様かつ複合的な困難を抱える女性に対して困難な状況が固定化・連鎖しないようきめ細かな支援に取り組む必要。 7 大規模災害での男女共同参画の視点の浸透の必要性が再認識されたことも踏まえ、男女共同参画の視点を取り入れた防災・復興対策の徹底が必要。 8 税制や社会保障制度をはじめとする社会制度や慣行が、実質的に男女にどのような影響を与えるのか常に検討され、経済社会情勢を踏まえて不断に見直されることが男女共同参画社会の形成のために重要であり、持続可能な活力ある我が国社会を次世代に引き継ぐためには、あらゆる分野において男女共同参画・女性活躍の視点を確保するとともに、制度・慣行が男女の社会活動の選択にできる限り中立なものとする必要。 |
【2】基本的な考え方(素案)の構成
基本的な考え方(素案)は、【1】基本的な考え方(素案)のポイントをもとに、「第1部 基本的な方針」と「第2部 政策編」で構成しています。
「第1部 基本的な方針」は、男女共同参画基本計画の目指すべき社会や、社会情勢の現状、予想される環境変化、6次計画における基本的な視点と取り組むべき事項(前頁参照)等を整理しています。
「第2部 政策編」は、基本的な視点と取り組むべき事項を踏まえ、2つの政策領域(「Ⅰ 男女共同参画の推進による多様な幸せ(well-being)の実現」、「Ⅱ 男女共同参画社会の実現に向けた基盤の整備 ・強化」)に加え、これらの取組を総合的かつ計画的に推進するための「Ⅲ 男女共同参画社会の実現に向けた推進体制の整備・強化」で構成しています。
基本的な考え方(素案)の構成 |
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第1部 基本的な方針 第2部 政策編 Ⅰ 男女共同参画の推進による多様な幸せ(well-being)の実現 第1分野 ライフステージに応じて全ての人が希望する働き方を選択できる社会の実現 第2分野 あらゆる分野における政策・方針決定過程への女性の参画拡大 第3分野 女性の所得向上と経済的自立の実現 第4分野 生涯を通じた男女の健康への支援 第5分野 テクノロジーの進展・利活用の広がりを踏まえた男女共同参画の推進 第6分野 ジェンダーに基づくあらゆる暴力を容認しない社会基盤の形成と被害者支援の充実 第7分野 男女共同参画の視点に立った貧困等生活上の困難に対する支援と多様性を尊重する環境の整備 第8分野 防災・復興における男女共同参画の推進 Ⅱ 男女共同参画社会の実現に向けた基盤の整備・強化 第9分野 地域における男女共同参画の状況に応じた取組の推進 第10分野 男女共同参画の視点に立った各種制度等の整備 第11分野 教育・メディア等を通じた男女双方の意識改革、理解の促進 第12分野 男女共同参画に関する国際的な協調及び貢献 Ⅲ 男女共同参画社会の実現に向けた推進体制の整備・強化 |
【3】今後のスケジュール
6次計画については、取りまとめた「基本的な考え方」(素案)に対する公聴会やパブリックコメントでの意見募集を行い、秋頃の「基本的な考え方」の答申等を経て、12月の閣議決定を目指して検討を進めていきます。
パブリックコメントは、下記のとおり、開催しますので、皆様のご意見をお寄せください。
また、専門調査会での議論の状況は、内閣府男女共同参画局HPに掲載しておりますので、あわせて、ご覧ください。
「第6次基本計画策定専門調査会」の開催状況については、こちらをご覧ください。
https://www.gender.go.jp/kaigi/senmon/6th/list.html
パブリックコメント |
・「基本的な考え方(素案)」について、令和7年8月26日(火)から令和7年9月15日(月)まで、国民の皆様のご意見を募集します。 ・意見の提出方法及び提出先等は、こちらをご覧ください |