「共同参画」2025年8月号

特集2

男女共同参画週間における表彰

内閣府男女共同参画局総務課

男女共同参画社会基本法の目的及び基本理念に対する国民の理解を深めることを目的として、毎年6月23日から29日までの1週間、「男女共同参画週間」を実施しています。

週間中の6月27日(金)に「男女共同参画社会づくり功労者内閣総理大臣表彰」、「男女共同参画週間キャッチフレーズ・女性のチャレンジ賞表彰式」 を実施しました。

男女共同参画社会づくり功労者内閣総理大臣表彰

多年にわたり、男女共同参画社会に向けた気運の醸成等に功績のあった方や、各分野において実践的な活動を積み重ね、男女共同参画の推進に貢献してきた方などに内閣総理大臣から表彰するもので、今年度は11名に贈られました。

残念ながら柄澤康喜氏はご欠席となりましたが、10名の受賞者にご出席いただきました。受賞者を代表して當山君子さんに石破総理から表彰状が授与されました。


表彰状授与の様子
表彰状授与の様子


※受賞者の情報については、7、8ページで紹介しています。


男女共同参画週間キャッチフレーズ・女性のチャレンジ賞表彰式

●開会挨拶

はじめに、三原内閣府特命担当大臣(男女共同参画)・女性活躍担当大臣は、冒頭の挨拶で、自分らしくチャレンジしている女性を応援する気運を高めるため、新たに任命した「未来ウーマン応援大使」の入江聖奈氏を表彰式に迎えることとした旨を紹介し、受賞者に対し益々の活躍を祈念する旨を述べ、祝意を表しました。


挨拶をする三原大臣
挨拶をする三原大臣


●「未来ウーマン応援大使」挨拶

オリンピックにおいて金メダルを獲得後は、大学院に進学しカエルの研究をしており、スポーツから理系の道へ進む中では困難なことが沢山あったが、「自身の好きなことには真剣に向き合いたい」との思いがこれまでの自分を支えてきたと、自身の経験を紹介しました。

最後に、未来ウーマン応援大使の活動を通じて、自分の挑戦する姿がロールモデルになるよう、カエルの研究に邁進していきたいと述べました。


挨拶をする入江大使
挨拶をする入江大使


●男女共同参画週間キャッチフレーズ表彰

最優秀賞の小田多恵さん、優秀賞の阿部一騎さんのお二人に記念品のトロフィーを授与し、それぞれのキャッチフレーズに込められた思いをお話しいただきました。なお、優秀賞の山野大輔さんは残念ながらご欠席でした。


男女共同参画週間キャッチフレーズ表彰
男女共同参画週間キャッチフレーズ表彰
(左から阿部さん、入江大使、三原大臣、小田さん)


【最優秀作品】 

誰でも、どこでも、自分らしく

小田 多恵さん(福岡県)

【優秀作品】

人が育つ、絆が広がる、未来が変わる 

阿部 一騎さん(新潟県)

育成しよう 貴重な人材 醸成しよう 共同参画

山野 大輔さん(大阪府)


●女性のチャレンジ賞表彰

女性のチャレンジ賞(個人4名)、女性のチャレンジ支援賞(団体1先)、女性のチャレンジ賞特別部門賞(テーマ:男女共同参画の視点に立った防災・復興、個人2名)が決定され、表彰状と記念品のトロフィーを授与しました。


女性のチャレンジ賞表彰
女性のチャレンジ賞表彰


※受賞者の情報については、9、10ページで紹介しています。


【関連リンク】

男女共同参画週間について
https://www.gender.go.jp/public/week/index.html


令和7年度男女共同参画社会づくり功労者内閣総理大臣表彰受賞者
https://www.gender.go.jp/public/commendation/souri/meibo-r07.html


表彰式の様子(首相官邸ホームページ)
https://www.kantei.go.jp/jp/103/actions/202506/27hyoushou.html


令和7年度「男女共同参画週間」キャッチフレーズについて
https://www.gender.go.jp/public/week/catch.html


令和7年度女性のチャレンジ賞受賞者名簿
https://www.gender.go.jp/public/commendation/women_challenge/katudoug-r07.html


男女共同参画社会づくり功労者内閣総理大臣表彰受賞者

多年にわたり、男女共同参画社会に向けた気運の醸成等に功績のあった方や、各分野において実践的な活動を積み重ね、男女共同参画の推進に貢献してきた方などに内閣総理大臣から表彰するものです。今年度は下記の11名に贈られました。(50音順、敬称略)

石澤 恵美子

石澤 恵美子(いしざわ えみこ) 男女共同参画社会をすすめる黒石ハーモニーの会 会長

推薦者:青森県

 「男女共同参画社会をすすめる黒石ハーモニーの会」の設立当時から会長を務め、黒石市男女共同参画審議会委員も務めた。黒石市の男女共同参画推進のトップランナーとして長年にわたり取り組み、市の範囲を超えて津軽地域の広域的な活動に携わっている。

柄澤 康喜

柄澤 康喜(からさわ やすよし) 三井住友海上火災保険株式会社 常任顧問

推薦者:内閣府

 日本経団連ダイバーシティ推進委員長を長年務め、ダイバーシティ&インクルージョンを経済界から推し進め、企業の意思決定過程に女性の視点を生かす取組に尽力した。内閣府「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」の活動に賛同し、公平性を強く意識した取組を推進した。

小林 鈴代

小林 鈴代(こばやし すずよ) 岡山県男女共同参画推進センター 運営委員会副委員長

推薦者:岡山県

 長きにわたり豊富な知見と卓越した行動力により、男女共同参画に係るさまざまな市民団体を結成し、リーダーとしてイベントの企画・運営や県内各地での啓発講座等を積極的に行うとともに、県や市の審議会等の委員として基本計画策定等に尽力するなど行政にも多大な貢献をしている。

笹谷 春美

笹谷 春美(ささたに はるみ) 公益財団法人 北海道女性協会理事長

推薦者:北海道

 北海道教育大学教授として知見を活かして男女共同参画に関する講演を各地で実施するほか、北海道立女性プラザ館長として全道の男女平等参画社会の推進に貢献している。北海道、札幌市の女性関係会議の委員としても審議の中心となって指導的な役割を果たした。

當山 君子

當山 君子(とうやま きみこ) 沖縄県名誉生活指導士

推薦者:沖縄県

 約半世紀にわたり生活改善活動に参画し、農村女性リーダーとして農村女性の資質向上及び地域活性化支援の取組に尽力した。沖縄県農山漁村生活研究会会長、恩納村議会議員等を歴任し、沖縄県農村における男女共同参画の社会づくりや女性活躍推進に大きく貢献した。

中村 薫

中村 薫(なかむら かおる) 元・全国人権擁護委員連合会 男女共同参画委員会委員長

推薦者:法務省

 人権教育担当の元教師の経験を生かして人権擁護活動を行い、人権擁護委員組織体において男女共同参画委員長を務めるなど中心的役割を担っている。女性の人権に関する専門相談電話「女性の人権ホットライン」強化週間においては自ら相談対応を行い周知・広報にも尽力した。

西山 香代子

西山 香代子(にしやま かよこ) やまぐちネットワークエコー代表

推薦者:山口県

 男女共同参画を推進する民間団体「やまぐちネットワークエコー」代表、(公財)山口きらめき財団評議員、山口県女性団体連絡協議会副会長、同会長等を歴任し、数多くの県民学習会開催や、リーダー育成等を通じて、男女共同参画社会の形成に寄与した。

根本 由紀子

根本 由紀子(ねもと ゆきこ) かづの土地改良区 事務局長

推薦者:秋田県

 男性が多い土地改良の現場において女性活躍の先駆者として積極的に活動。圃場整備の現場で指揮を執る工事担当者として抜擢され「あきた水土里ネット女性の会」の初代会長を務めたほか、「全国水土里ネット女性の会」の会長に就任し、土地改良区への女性の参画拡大に尽力した。

福島 有佳子

福島 有佳子(ふくしま ゆかこ) 川村義肢株式会社工房アルテ 主任技師

推薦者:大阪府

 障がいや事故、病気等で失った身体の一部を外科的手術なしにリアルに復元する「人工ボディ」を開発。高い技術と一人ひとりに寄り添う心のサポートの両輪で社会復帰を支援するとともに、後進の育成、医療分野との連携、講演活動、保護司活動等、ますます活躍の場を広げている。

宮川 昌江

宮川 昌江(みやかわ まさえ) ダイワ通信株式会社 社外監査役

推薦者:石川県

 金沢商工会議所女性会初代会長に就任。起業を目指す女性の支援として実践的なセミナー等を開催し、女性経営者の資質向上に貢献した。さらには、金沢ゾンタクラブの役員として女性のネットワーク構築に尽力し、女性経営者の先駆者として礎を築いた。


安永 牧生

安永 牧生(やすなが まきお) 佐賀県医療センター好生館 産婦人科部長(婦人科)

推薦者:佐賀県

 佐賀県での性暴力被害者支援に取り組むにあたり設置された「性暴力被害者急性期対応及び回復期・養生期支援体制整備専門部会」のメンバーとして携わり、医療行為を伴う急性期支援を24時間体制で実施する「性暴力救護センターさが さがmirai」の設立に尽力した。

女性のチャレンジ賞受賞者

起業、NPO法人での活動、地域活動等にチャレンジしている女性個人、女性団体・グループ及びそのようなチャレンジを支援する個人、団体・グループを内閣府特命担当大臣(男女共同参画担当)から表彰するものです。

〈女性のチャレンジ賞〉 受賞者4名

五十音順、敬称略

五十嵐 美樹(いがらし みき) 東京都市大学 准教授

推薦者:一般

五十嵐 美樹

 環境や性別に関係なく科学に触れるきっかけを創ることを掲げ、身近なエネルギー問題やSDGsをテーマに、得意のダンスを取り入れたオリジナルコンテンツを開発し、子ども達に科学の面白さに触れるきっかけづくりのために全国各地でサイエンスショーを開催している。また、全国各地の中学校・高校での理系女子キャリアイベント等で講師を務めるなど、次代を担う世代への科学教育の普及とジェンダー平等推進の両面でも貢献し、現在も活躍の場を広げている。

五十嵐 美樹

桑井 亜乃(くわい あの) アルカス熊谷 ラグビーレフリー

推薦者:埼玉県

桑井 亜乃

 ラグビー界では男女含めて世界で初めて、選手(リオ2016)とレフリー(パリ2024)の両方でオリンピックに出場した。男子15人制ラグビーで国内最高峰の舞台であるリーグワン2024-25シーズンでは、前身のトップリーグ時代を含め女性で初めてレフリーとして選出されている。レフリーに転じて以降も、ハイレベルなトレーニングや、海外留学でレフリー技術を磨くなど研鑽に努め、新たな道を切り開き、挑戦を続けている。

桑井 亜乃

甲賀 かをり(こうが かをり) 千葉大学大学院医学研究院産婦人科学 教授

推薦者:千葉大学

甲賀 かをり

 産婦人科医として多くの手術や外来治療に従事する傍ら、子宮内膜症をはじめとする月経関連疾患を専門に、女性の健康に関する知識普及ひいては男女共同参画を目指し、2012年に日本子宮内膜症啓発会議を設立し、副理事長として、一般市民への疾患啓発や政策提言、企業・自治体と連携した活動を展開した。外科系分野においても、腹腔鏡・ロボット手術の普及・啓発、若手医師の育成、新規技術開発に尽力し、女性医師のリーダーとして活躍している。

甲賀 かをり

西原 麻友子(にしはら まゆこ) 株式会社ベホマル 代表取締役

推薦者:滋賀県

西原 麻友子

 研究職として15年間企業にて勤務した後、自ら求める「美しい地球を守りたい」という夢の実現のため、自宅の一角で一人で起業し研究に着手した。バイオマスCO₂吸収剤の研究論文から、プラスチックの製造への応用を考え、立命館大学と共同研究を開始。その後、立命館大学BKCインキュベータに入居し本格的に研究開発を行い、使うだけで大気中の二酸化炭素を吸収するプラスチックを開発した。現在は、実用化および商品化に向けてさらに研究を進めている。

西原 麻友子

〈女性のチャレンジ支援賞〉 受賞団体1先

一般社団法人CWAJ(カレッジ・ウィメンズ・アソシエーション・オブ・ジャパン) 会長 ハイディ・ズコスキー・スウィートナム

推薦者:一般

一般社団法人CWAJ

 「女性が女性を支える」という理念のもと、創設以来約900名の学生に奨学金を授与してきた。現代版画展は、すぐれた日本の現代版画を展示・販売して版画の魅力を発信しており、芸術界でも有数の版画展となり、若手の育成に寄与している。この版画展の純益は奨学金・教育プログラム等を資金面で支えている。また、視覚障害者・外国人留学生に対する教育・文化交流プログラム等も提供し、長きにわたり女性の社会進出を支援し続けている。

一般社団法人CWAJ

〈女性のチャレンジ賞特別部門賞「男女共同参画の視点に立った防災・復興」〉 受賞者2名

五十音順、敬称略

杉本 めぐみ(すぎもと めぐみ) 大阪大学大学院人間科学研究科 准教授

推薦者:大阪大学

杉本 めぐみ

 2004年インド洋津波の復興と防災支援の専門家として在インドネシア日本国大使館や日赤等で活動し、その後20年にわたって国内外の災害支援や災害研究や防災教育に従事。前職の九州大学では女子高校生の夏期理系研究インターンシップ制度「QURIES(キュリーズ)プログラム」の創設等、女性支援や後身の育成にも尽力。過去の南海トラフ地震から着想し、インドネシアに津波伝承碑85基の建設など学際的な研究アプローチだけでなく、国内外の自然災害の現場で女性支援の実務も行う。

杉本 めぐみ

根上 昌子(ねがみ まさこ) ねがみ みらいクリニック 院長

推薦者:石川県

根上 昌子

 令和6年能登半島地震の発災翌日から、七尾市にある自身のクリニックを休憩所として開放し、被災した女性や子どもを支援したほか、避難所においてチラシや笛付き防犯ブザーの配布による性暴力被害防止の啓もう活動を行い、女性視点からの避難所運営の支援に尽力した。また、民間団体や有識者を巻き込んだプロジェクトチームを立ち上げ、行政機関とも連携し、被災地で性暴力を受けた際の被害者相談や緊急避妊薬をデリバリーする体制とネットワークを構築し、女性の安心・安全確保に大きく寄与した。

根上 昌子