「共同参画」2025年5月号

巻頭言

誰もが自分らしく活躍できる社会の実現に向けて

昨年は、北陸新幹線東京・敦賀間が直結し、全国からのお客様で県内が賑うなど、「ふくい新時代」が幕開けしました。開業2年目の今年は、開業効果を県内全域に波及させることやインバウンドの拡大など、より高いステージを目指して取り組んでいます。また、福井の魅力や新幹線効果を活かし、進学や就職、UIターンなど、若者や女性に「選ばれるふくい」にしていく必要があると考えています。そのためには、性別に関わりなく、一人ひとりが輝ける共生社会を形成していくことが欠かせません。

去る2月6日に、内閣府との共催により福井県で「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」地域シンポジウムを開催しました。あいにくの大雪にも関わらず、約180名の方に参加いただき、女性活躍推進における組織トップのコミットメントの重要性について考える貴重な機会となりました。

福井県は、共働き率が全国1位、女性就業率が全国2位と、多くの女性が働いています。その一方、女性管理職の割合は全国と比べて低く、意思決定の場には依然として女性が少ない状況にあります。そのため、女性の採用・育成・登用や働きやすい職場づくりを進める「ふくい女性活躍推進企業」の登録推進と併せ、若手から管理職までの育成を県が支援する研修の実施のほか、登録企業に対するメリットの充実、個々の企業に寄り添った伴走支援を強化し、女性が能力を発揮しやすい職場環境づくりをさらに進めていきたいと考えています。

また、福井県の女性は仕事でも家庭でも頑張っており、ゆとり時間が日本一少ない状況にあります。働きやすい職場づくりと併せて、夫婦・家族で家事をシェアする「共家事」や家事を外部化・省力化する「ラク家事」等も促進することにより、仕事と家庭との両立基盤をさらに整備し、女性活躍を加速していきます。

さらに、「男性は仕事、女性は家庭」といった性別による役割分担意識やアンコンシャス・バイアス(無意識の思い込み)が、根強く残っていることも事実であり、今後、企業や地域等におけるアンコンシャス・バイアス等への気づきや相互理解を促進することにより、社会全体で多様な価値観を認め合える風土づくりも進めてまいります。

引き続き、第4次福井県男女共同参画計画の基本理念に掲げる「『がんばれ』から『楽しもう』へ」を合言葉に、誰もが自分らしく過ごせる「安心の居場所」といきいきと輝ける「活躍の舞台」づくりを推進し、県民一人ひとりが自分らしく活躍できる社会の実現を目指してまいります。

杉本 達治
杉本 達治
Sugimoto Tatsuji
福井県知事

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