「共同参画」2024年3・4月号

トピックス1

農業女子プロジェクトが10周年を迎えました

農林水産省経営局就農・女性課


「農業女子プロジェクト」とは

農業女子プロジェクト(平成25年設立)は、企業・教育機関と連携して、女性農業者の知恵を生かした新たな商品・サービスの開発、未来の農業女子を育む活動、情報発信等を行い、社会全体での女性農業者の存在感を高め、併せて職業として農業を選択する若手女性の増加を目的とした農林水産省の取組です。令和5年11月に同プロジェクトは10周年を迎え、設立当時37名だった農業女子プロジェクトメンバー(以下、女子メンバーという。)は、1,000名を超え、地域・世代を超えた大きなネットワークとなりました。


農業女子プロジェクト10周年ロゴマーク
農業女子プロジェクト10周年ロゴマーク


農業女子プロジェクト10 年間の取組と社会への波及

農業女子プロジェクトの第1~5期は、女子メンバーが企業と共同で女性が使用しやすい農機具や農作業着を開発する企業プロジェクトや、教育機関と共同で未来の農業女子をはぐくむ「はぐくみ活動」など、現在の活動基盤となる取組が次々と行われました。その取組は地域にも広がり、設立翌年には、初の地域版グループが誕生し、また、女子メンバーの自主的勉強会「農業女子ラボ」が設置され、海外での販売などにも挑戦しました。また、様々なイベントへの積極的な出店を通じて情報発信に取り組みました。

第6~10期では、これまでの取組に加え、企業と共同でWEBサイトや有名百貨店での販売などに取り組むとともに、女子メンバーが地元でマルシェを開催するなど地域での活動が増加するなか、コロナ禍を契機に、オンラインでのネットワーク作りやセミナー等の活動も活性化しました。

また、「はぐくみ活動」では、女子メンバーによる出前授業の実施等により、女子学生が卒業後に新規就農する例も出てきました。

このような農業女子プロジェクトの10年間の取組は、社会に波及しています。その1つが「ジェンダード・イノベーション」です。農業女子プロジェクトでは、企業と女子メンバーが共同で、女性が使用しやすい農機具や農作業着を開発してきましたが、女性に限らず「誰にでも使いやすいもの」として標準仕様になっているものもあります。井関農機と女子メンバーが共同で開発した耕うん機「ちょこプチ」は、機械操作に不慣れな女性農業者のために添付した二次元コードが他機種でも標準仕様となり、新規就農者や高齢者等にも使いやすい商品となりました。

*研究・開発のデザインに、積極的に性差分析を組み込むことで、科学技術分野におけるイノベーションと発見を実現しようとするアプローチ。(お茶の水大学ジェンダード・イノベーション研究所HP より)

第12 回農業女子プロジェクト推進会議を開催“初”となる農林水産大臣感謝状を授与

令和5年11月24日(金)に「第12回農業女子プロジェクト推進会議」を開催しました。

今回は、農業女子プロジェクト10周年を記念し、10年間の振り返りとともに、同プロジェクト設立当初から女性農業者の活躍や同プロジェクトの認知度向上及び発展に貢献した企業7社に農林水産大臣感謝状を授与しました。


推進会議の様子
推進会議の様子


感謝状授与後の集合写真
感謝状授与後の集合写真


農業女子プロジェクト10 周年イベント開催

令和5年11月25日(土)に、東京都港区において、農業女子プロジェクト10周年を記念したイベント「わたしたちの未来への種まき」を開催しました。本イベントは、一般の参加者が「聞く」「話す」「食べる」体験を通じ、「農」を身近に感じてもらうことを目的とし、料理家の和田明日香氏やインフルエンサーで女性農業者の月野亜衣氏が、それぞれ女子メンバーを訪問し、「農」を感じた体験を対談形式で発表しました。また、会場では、女子メンバーの食材を使った軽食などが提供されたほか、女子メンバーが生産品の試食を提供し、一般参加者との交流を深めました。女子メンバーを代表し、農業女子プロジェクト設立当時から活動を続けている内山佳奈さん(北海道)が、農業女子プロジェクト10年間の活動を紹介し、「農業女子プロジェクトの活動を通して、女性農業者を後押ししてくれる人が増えた。これからもプロジェクトで得た知識や経験を生かしていきたい。」との想いを表明されました。また、当日の一般参加者からは「女性農業者が栽培する野菜を買って応援したい」「女性農業者の農園に行ってみたい」という感想があり、関心が高まりました。


参加者でにぎわう生産品展示スペース
参加者でにぎわう生産品展示スペース


10年の振り返りを発表する女子メンバーの内山さん
10年の振り返りを発表する女子メンバーの内山さん


農業女子プロジェクトの今後

農業女子プロジェクトでは、第11期(令和5年11月~令和6年10月)の活動方針として以下の3つを決定しました。

1つ目は女子メンバーの学びと交流の場である「NEXTラボ」の実施です。女子メンバーのニーズに合わせ、企業やベテランの女子メンバー等のノウハウを活用し、学びと交流の場となるように進める予定です。

2つ目は地域活動の活性化です。これまで首都圏での活動が中心でしたが、地域の企業や教育機関と連携して、地域での活動をさらに促進します。

3つ目は「農」の魅力発信です。就農相談会やイベントにおいて、食や農に関心のある女性や学生等に「農」の魅力を発信します。

今後も、農業女子プロジェクトを発展させられるよう、引き続き女子メンバーを中心に、企業や教育機関、農政局と連携して取組を推進するとともに、女子メンバーが全国各地で活躍できるよう後押ししていきます。


「農」の魅力発信をする女子メンバー
「農」の魅力発信をする女子メンバー


農業女子プロジェクトについて、詳細はこちらをご覧ください。
公式HP
https://nougyoujoshi.maff.go.jp/


公式Facebook
https://www.facebook.com/nougyoujoshi.project


公式Instagram(@nougyoujoshipj)
https://www.instagram.com/nougyoujoshipj/?hl=ja

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