「共同参画」2023年11月号

巻頭言

新 任 御 挨 拶

令和5年9月13日に、女性活躍・男女共同参画担当大臣を拝命いたしました加藤鮎子です。

我が国における女性活躍・男女共同参画の現状は、いわゆる「M字カーブ」の問題は解消に向かい、女性役員なども増加しているものの、出産を契機に、女性が非正規雇用化する、いわゆる「L字カーブ」の存在に象徴されるように、様々なライフイベントに当たりキャリア形成と二者択一を迫られるのは、多くが女性です。その背景には、長時間労働を中心とした労働慣行や女性への家事・育児等の無償労働時間の偏り、それらの根底にある固定的な性別役割分担意識など、構造的課題が存在すると考えられます。

こうした中、女性活躍の機運醸成、キャリア形成を支える環境づくりを両輪で進めることにより、これらの構造的な課題を解消し、男女ともに希望に応じてキャリア形成できる社会を実現する必要があります。

このような認識の下、岸田内閣においては、目玉政策である「新しい資本主義」の中核として「女性の経済的自立」を位置付け、政府一体で取組を進めているところです。

政府としましては、令和2年末に閣議決定した「第5次男女共同参画基本計画」及び本年6月に策定した「女性版骨太の方針2023」に基づき、

・企業における女性登用の加速化や女性起業家の育成・支援など、女性活躍と経済成長の好循環の実現

・平時や育児期を通じた多様で柔軟な働き方の推進や、女性デジタル人材の育成といったリスキリングの推進など、女性の所得向上・経済的自立に向けた取組の強化

・第5次男女共同参画基本計画に掲げられた女性の登用目標の達成に向けた、科学技術・学術、防災など各分野における取組

などを推進してまいります。

また、配偶者等からの暴力や性犯罪・性暴力は、個人の尊厳を害する重大な人権侵害であり、その根絶を図ることは、男女共同参画社会を形成していく上で重要な課題です。

このため、配偶者等からの暴力については、令和6年4月に施行する改正配偶者暴力防止法の円滑な運用に向けた準備を進めるとともに、被害者に対する相談支援の更なる強化を図ってまいります。

性犯罪・性暴力については、本年7月に取りまとめた「こども・若者の性被害防止のための緊急対策パッケージ」に基づく施策などの実施を加速させ、加害の防止、被害者支援の充実、教育・啓発の強化等を進めてまいります。

皆様の御支援、御協力を何とぞよろしくお願い申し上げます。

加藤 鮎子女性活躍担当大臣・内閣府特命担当大臣(男女共同参画)
加藤 鮎子
Ayuko Kato
女性活躍担当大臣・内閣府特命担当大臣
(男女共同参画)

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