「共同参画」2023年2月号

トピックス3

農業女子プロジェクトの新たな展開方向
~設立10年!さらなる発展に向けて~
農林水産省経営局就農・女性課

■ 農業女子プロジェクト設立から10年

1 これまでの歩み

農林水産省では、女性農業者の存在感を高め、職業としての農業の魅力をもっと多くの方に知っていただくことを目的とした農業女子プロジェクトを行っています。

2013年11月に女性農業者37名と参画企業9社でスタートした本プロジェクトは、様々な企業等の協力により、女性農業者のアイデアを活かした商品・サービスの開発・提供を行ってきました。また、2016年からは、教育機関とともに、未来の農業女子を「はぐくむ」活動もスタートし、本年1月時点で、農業女子メンバー933名、参画企業35社、教育機関8校となりました。


農業女子プロジェクトメンバーの状況
農業女子プロジェクトメンバーの状況


農業女子プロジェクトから生まれた商品


ダイハツ
女性目線の軽トラック開発
ダイハツ 女性目線の軽トラック開発
女性農業者が使いやすい装備を備えたハイゼット



モンベル
農作業も快適な作業着開発
モンベル フィールドウェア
モンベル フィールドウェア


メンバーは20~40代が7割強を占め、農産物の生産・加工にとどまらず、子どもへの食農教育、誰もが働きやすい環境づくり、循環型農業の実践などSDGsのさまざまなゴールにつながる活動を積極的に実施しています。


SDGsにつながる活動の実施

健康的な食生活の実現に取り組む
学校給食への食材提供
学校給食への食材提供


働きやすい環境をつくり、地域の主要産業になることを目指す
女性が働きやすい環境づくり
女性が働きやすい環境づくり


農作業体験から“食”と“農業”の大切さを教える
農を伝える絵本の制作・読み聞かせ「AGRI BATON PROJECT」
農を伝える絵本の制作・読み聞かせ「AGRI BATON PROJECT」


農村の魅力を発信し、地域の農業を維持する
メディアを通じて農への想いを発信
メディアを通じて農への想いを発信


自然によりそった持続可能な農業の実現に取り組む
ブドウの搾りかすで肉用牛を肥育
ブドウの搾りかすで肉用牛を肥育


農業女子プロジェクト公式Webサイト
農業女子プロジェクト公式Webサイト
https://nougyoujoshi.maff.go.jp/


2 今後に向けて

2022年11月、第11回農業女子プロジェクト推進会議が開催されました。角田秀穂農林水産大臣政務官は、「女性が農業経営に関わると、利益の増加率が高まるなど、女性は農業経営において重要な役割を担っている。今後の農業の発展、地域経済の活性化のためには、生活者の視点で活躍する女性が力を発揮することが重要である。」と述べました。また、会議の場では、農業女子メンバーから、

  1. 農村では、女性が前に出るべきでないという風潮がいまだに根強い。特にメンバーの3分の1程度を占める“農家の嫁”は、研修に参加するチャンスもない場合が多いので、農業女子が学べる場を作ってほしい
  2. 農業者数が急速に減少する一方で、オーガニック、サステナブル、アウトドアなどの切り口から農業や農村に関心を持つ若い女性は増えており、農業に踏み出すためのきっかけづくりが必要である

等の意見が出ました。

これらの意見を踏まえて、今後、本プロジェクトでは、農業女子メンバーが最新の農業技術や販売手法等について学べる場の設置、都会の女性や高校生等に対する農業の魅力発信に取り組んでいくこととしています。

また、本プロジェクトにおける活動を通じて、女性農業者の活躍の場が地域から日本全国に広がっている一方で、農村地域における指導的立場といえる農業委員に占める女性の割合は12.4%、農協役員に占める女性の割合は9.0%にとどまっています。

農林水産省においては、多様性のある農業や持続可能な地域づくりに向けて、農業女子メンバーをはじめとする女性農業者がより一層活躍できるよう、地域のリーダーとなる女性農業経営者の育成、育児と農業のサポート活動支援等の女性が働きやすい環境の整備、女性グループの活動支援等に取り組んでいきます。


推進会議の様子
(推進会議の様子)
佐藤ゆきえ(福島)  景井 愛実(福島)  石毛 理恵(千葉)
石井真帆美(群馬)  片山 京子(山梨)  藤井 和代(福井)
中垣 野歩(岐阜)  西岡さち子(徳島)  藤原 美里(熊本)
大吉 枝美(鹿児島) 若松由美恵 (ラフリー/鹿児島)
(会議に参加した農業女子メンバー、敬称略)


■ 令和4年度農山漁村女性活躍表彰における農林水産大臣賞等が決定

本表彰は、農林水産業及び農山漁村の活性化や、農林水産業経営や政策・方針決定への女性の参画推進、次世代リーダーとなりうる若手女性の農林水産業への参入、地域の子育て支援など女性活躍推進のために積極的に活動している女性又は団体を表彰するものです。この度、農林水産大臣賞6点をはじめ、経営局長賞、水産庁長官賞、団体賞など合計20点が決定しました。

農林水産大臣賞受賞者
■女性地域社会参画部門 (個人)野崎 さち子(青森県十和田市)
■女性地域社会参画部門 (組織)日光市農業委員会(栃木県日光市)
■女性起業・新規事業開拓部門新谷 梨恵子(新潟県小千谷市)
■女性活躍経営体部門有限会社 さかもと園芸(群馬県桐生市)
■若手女性チャレンジ部門金光 史(愛媛県西条市)
■地域子育て支援部門JA熊本市女性部(熊本県熊本市)

■「農業女子アワード2022」最終審査及び表彰式を開催します(2月14日ライブ配信)

今後の食・農・くらしの活性化に向けた女性農業者及び若者のビジネスアイデアや、年齢、性別などに関わらず個性を活かした農業経営を行っている家族・法人を表彰し、その取組を広く発信します。表彰は、「ベストウーマン賞」「ベストグループ賞」「ベストユース賞」「ベストファミリー賞」「ベストカンパニー賞」の5部門で行い、各部門3組のファイナリストの最終審査及び表彰式を行います。

詳細については、以下のQRコードより御確認ください。


農業女子アワード2022 Webサイト
農業女子アワード2022 Webサイト
(リアル視聴と結果の公表はこちらから)

内閣府男女共同参画局 Gender Equality Bureau Cabinet Office〒100-8914 東京都千代田区永田町1-6-1
電話番号 03-5253-2111(大代表)
法人番号:2000012010019