「共同参画」2022年6月号

特集3

女性デジタル人材育成プラン
内閣府男女共同参画局総務課

令和4年4月26日の男女共同参画会議において、「女性デジタル人材育成プラン」(以下、「プラン」)を決定しました。今回は、プラン策定の背景や概要、具体策について御紹介します。


●プラン策定の背景と目的

○コロナ下における女性の就労支援

新型コロナウイルス感染症は特に女性の就業面に大きな影響を与え、非正規雇用労働者への厳しい影響は今なお継続しています。他方で、情報通信業はコロナ下においても雇用が増加し、その他の業種でもデジタル人材の需要が高まる中で、女性のデジタルスキルの向上と就労支援が重要となっています。


女性の産業別就業者数の前年、前々年同期差


○女性の経済的自立

人生100年時代を迎え、女性が経済的に自立できるよう、新たなスキルを習得する必要があります。特に、デジタル分野で働く女性は、経験年数に比例して順調に年収が伸びており、女性の所得向上の実現を期待できる成長分野となっています。


デジタル分野の人材(女性)の年収の推移


○デジタル分野におけるジェンダーギャップの解消

現状、IT技術者や、新たな就業獲得に向けた公的職業訓練のITコースの利用率は、いずれも女性割合が低くなっています。デジタル人材の需要が高まる中、男女間の偏りの解消に向け取組を進める必要があります。


IT技術者の女性比率


求職者支援訓練における女性比率


こうした3つの観点から、就労に直結するデジタルスキルを身に付けた女性デジタル人材の育成を強力に進めるため、令和4年4月26日、男女共同参画会議においてプランを決定しました。

プランに基づき、デジタルスキル習得支援及びデジタル分野への就労支援を政府一体で3年間集中的に推進します。また、プラン策定3年後を目途に、様々な統計を用いてデジタル人材の男女割合をマクロの視点から点検するなど、プランの効果を検証し、必要な見直しを行います。


●プランのポイント

プランは、デジタルスキル向上とデジタル分野への就労支援という両面の視点から具体策を盛り込んだ総合的な対策としています。ポイントとしては以下の3点です。

①基礎的なデジタルリテラシー獲得の支援など、デジタル分野への間口を広く取り、女性の参入を促進
②育児・介護等でフルタイムの仕事ができない女性も、柔軟な働き方でデジタル就労ができる環境を整備
③自治体や企業等に対して周知・啓発を強力に行うことで、全国各地域へ官民連携の取組を横展開


●プランの主な具体策

○デジタルスキル教育コンテンツの提供

「デジタル人材育成プラットフォーム」において産学官のデジタルスキル教育コンテンツを提供しています。特に、ポータルサイト上で、育児等との両立を目指す方やキャリアが一時中断した方など女性が活用しやすい講座を抽出するとともに、主要な支援策を分かりやすく一覧化しています。


デジタル人材育成プラットフォーム


○公的職業訓練を通じたデジタルスキル向上

再就職や転職、スキルアップを目指す方々向けの公的職業訓練において、デジタル分野のコース設定を促進するとともに、育児等で時間的制約のある女性も受けやすいよう、eラーニングコースの拡充や託児サービス付きの訓練コースを実施しています。また、収入が一定額以下等の条件を満たす場合は、月10万円の生活支援の給付金を受給しながら受講することが可能です。


○地域女性活躍推進交付金

自治体における、デジタルスキルの取得とスキルを生かした就労を支援するための地域の実情に応じた取組を「地域女性活躍推進交付金」により後押ししています。


○女性デジタル人材育成の事例集

全国津々浦々へと取組が広がっていくよう、官民の優良事例を「事例集」として取りまとめ、「デジタル人材育成プラットフォーム」のポータルサイト等に掲載し、随時更新を行います。


事例集


女性デジタル人材育成プラン
https://www.gender.go.jp/policy/digital/index.html


マナビDX(支援策や講座を案内するポータルサイト)
https://manabi-dx.ipa.go.jp/04/

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