「共同参画」2022年5月号

特集2

「アダルトビデオ」出演強要問題緊急対策パッケージ
内閣府男女共同参画局男女間暴力対策課

■AV出演被害の問題への対策

令和4年4月1日から施行された成年年齢引下げに伴って、アダルトビデオ(AV)出演による被害が増える事態が懸念されています。

AV出演被害の問題は、被害者の心身に深い傷を残しかねない重大な人権侵害であり、決して許されません。

この問題に対して政府一体となって強力に取り組んでいくため、「アダルトビデオ」出演強要問題緊急対策パッケージを取りまとめました。


「アダルトビデオ」出演強要問題緊急対策パッケージ(概要)


■「アダルトビデオ」出演強要問題緊急対策パッケージについて

以下、パッケージの概要について御紹介します。


若年層に向けた教育・広報・啓発等の強化

令和4年3月には、大学、短大、高専、高校等に向け、ポスター、リーフレット、動画を通じた周知や、10代・20代をターゲットにしたSNS広告による動画の周知を行いました。

また、全都道府県に設置されている、性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターに対して、法的支援や警察への相談等の積極的な実施について周知するとともに、日本司法支援センター(法テラス)に対しても、法的支援について協力を求めました。

さらに、4月に実施した「若年層の性暴力被害予防月間」では、SNSやトレインチャンネル等を活用し、AV出演強要を始めとする成年年齢の引下げに係る若年層の性暴力被害予防について、集中的に広報・啓発を行いました。

これらに加え、AV出演強要に関する「手口」について、民間の支援団体とも連携して更なる情報収集を行い、注意喚起を図るとともに、教育啓発や各種相談窓口とも情報を共有し、活用を促していきます。

また、被害者保護に係る各種法制度等について、学校教育の現場などで、性被害の予防や対処に関する教育を含め、教育啓発を進めていきます。


被害者保護に係る各種法制度の運用強化等

AV出演は、性的な行為を内容とするものであり、本人の意思に反するAV出演強要においては、民法や消費者契約法、刑法、労働者派遣法・職業安定法、労働基準法など、被害者保護に係る各種法制度を徹底活用し、しっかりと適用することにより、対処することが重要です。泣き寝入りやあきらめによる撮影を防ぐため、これらについて各種相談窓口や法テラス、専用相談窓口等に向けて周知し、運用を強化していきます。


AV人権倫理機構の自主規制

令和4年3月、AV業界の健全化を図る第三者的な機関であるAV人権倫理機構において、「出演年齢を20歳以上とすることを強く推奨する。例外として18、19歳のAV出演希望者を受け入れる場合には、①18歳で高等学校などに在籍する者との契約等は行わないこと、②丁寧な出演意思確認を各工程の際に実施すること、③顔バレ等リスクの十分な説明や熟慮期間を置くこと」などの新たなルールを会員団体に通知しています。

また、ルール逸脱行為があった場合の対応についてAV人権倫理機構も交えて調整・整理するとともに、ルールを逸脱する業者が極めて悪質な業者であり、危険性が高いことを周知していきます。


■相談窓口について

性犯罪・性暴力でお悩みの方が安心して相談できる窓口があります。


性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター

緊急避妊薬の処方や性感染症検査、証拠採取などの医療的支援、相談・カウンセリングなどの心理的支援、警察への同行支援、弁護士など専門家を紹介する法的支援などを行います。「#8891(はやくワンストップ)」で最寄りのワンストップ支援センターにつながります。


性暴力に関するSNS相談「Cure time」(キュアタイム)

SNSでも相談できます。プライバシーに配慮し、秘密は厳守します。安心して御相談ください。

性暴力に関するSNS相談「Cure time」(キュアタイム)


不安なことがあれば、一人で悩まず、相談窓口に相談してください。

また、周りで被害に困っている方がいる場合には、相談窓口の情報を共有していただき、一人でも多くの方が相談・支援につながることができるよう御協力をお願いします。

内閣府男女共同参画局 Gender Equality Bureau Cabinet Office〒100-8914 東京都千代田区永田町1-6-1
電話番号 03-5253-2111(大代表)
法人番号:2000012010019