「共同参画」2022年3・4月号

巻頭言

「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」地域シンポジウム IN秋田をとおして思うこと

昨年7月に、秋田県の女性活躍の更なる推進を託され、損害保険ジャパン株式会社のグループ会社社長から秋田県理事に転身しました。

これまでの経験で得た知見をもとに、地元の企業や団体の方々と意見交換をしていく中で、女性の活躍推進は、それぞれの土地の歴史・文化・県民性の他、産業構造や人口分布など様々な要素を踏まえた上で、それを実行していく方々の思いや環境に寄り添い、その必要性と効果について具体的に説明していくことが重要であると感じています。

日本企業の99.7パーセントが中小企業であり、経営戦略上に女性活躍推進のプライオリティを上位にあげることを難しいとする企業は少なくありません。

女性活躍推進は、多くのビジネスインパクトや働き方改革、性別を超えたワーク・ライフ・バランスにも繋がることを数々の企業が実証しています。そのことを経営者自身が理解し、納得しないことには真の推進はなく、加えて経営者の強い信念とそれを裏付けする中長期的なビジョンが不可欠であると思います。

2022年4月から施行される改正女性活躍推進法では、今後、常時雇用する労働者が101人以上300人以下の事業主についても一般事業主行動計画の策定・届出等が義務付けられます。

まさにこの変革期において、中小企業経営者の理解促進と、効果的なサポートが必要であることから、秋田県では、平成30年に設置した「あきた女性活躍・両立支援センター」を核とし、「女性活躍・両立支援推進員」の企業訪問による法制度や各種支援制度の周知、専門アドバイザーによる一般事業主行動計画の策定支援、えるぼし認定取得に係る指導などの取組を強化しています。

今年1月21日に内閣府主催の「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」地域シンポジウムが秋田県で開催されました。県内外の企業の代表など約300名の参加のみなさまが、女性の活躍推進における組織トップのコミットメントの重要性について考える貴重な機会になったと思います。

女性の活躍推進は、地域社会の様々な課題解決の糸口になると確信しています。

今後は、女性の活躍推進を、点ではなく、線や面で捉え、社会の持続的成長のためのビタミン剤として社会に浸透するよう、私自身も全力で取り組んで参りたいと思います。

この取組を継続していくことにより、5年後の輝く秋田県を期待しています。

秋田県理事 陶山さなえ
秋田県理事
陶山さなえ

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