「共同参画」2021年10月号

トピックス3

日ASEAN女性スポーツ協力~日本からASEAN諸国と共に~
スポーツ庁国際課

スポーツにおける我が国とASEAN諸国との協力関係を一層強化するため、2017年、日本政府とASEAN諸国は第1回「日ASEANスポーツ大臣会合」を開催し、4つの優先協力分野について合意し、その一つとして「女性スポーツ」が位置づけられました。この取組の一環として、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会期間中にスポーツ庁とASEAN事務局が、スポーツを通じたジェンダー平等の推進を目的とした4日間のプログラム「ASEAN-Japan Workshop on Promoting Gender Equality in Sports」をオンラインで開催しました(協力:UN Women(国連女性機関)、事業実施機関:順天堂大学女性スポーツ研究センター(JCRWS)。

また、会期中に行われたオープンシンポジウムでは、9名のゲストスピーカーを招聘し、国内外から300名を超える方が参加しました。


オープンシンポジウム


プログラムの目的と成果

本プログラムの目的は、①ASEANにおける女性のスポーツ参加を促進するための各国のアクションプランを策定すること、②スポーツを通じた、リーダーシップトレーニングを実施し、ASEAN各国の若年女性のエンパワーメントを図ることの2つで、主に政策立案者向けのワークショップ(以下、WS)と、若年女性向けのWSが開催され、総勢70名以上が参加しました。

政策立案者向けWSには、ASEAN加盟各国の中央政府関係者、地方政府関係者、国内オリンピック委員会(NOC)の女性スポーツ委員会から推薦された参加者1名ずつが名を連ね、実践的な意見交換が行われました。WS最終日には各国毎に1つずつ、実行可能なアクションプランのアイデアが発表され、参加者からは、「これまでこのようなWSは実施したことがなく、非常に有意義な時間であった」との感想を得られました。

若年女性向けWSには、主にスポーツの分野で活躍する次世代リーダーが参加し、各国政府及びUNESCOユース&スポーツタスクフォースから25名が選出されました。こちらのWSでは、主にスポーツを通じた社会課題分析に基づく政策提案のスキルに焦点を当てたリーダーシップトレーニングを実施しました。WS中には、実際に政策立案者に若年女性自身が声を届ける、アドボカシーの実践も行いました。

全体を通して、参加型アプローチでWSが展開され、参加者同士が協力して作業をする場面や、参加者が自ら考え意見を出し合う場面が多く見られました。また、様々なオンラインツールや運動、アイスブレイキングも活用し、参加者同士の交流を促しました。


参加者交流


ASEAN諸国とともに、スポーツにおけるジェンダー平等の実現を

本プログラムは、東京2020大会開催が決定し、日本政府がスポーツを通じた国際協力を強化する中で実現した事業です。東京2020大会が終了した今、大会レガシーとして、日本のスポーツ界でも「多様性」と「調和」について議論を継続し、様々な施策を講じながらスポーツにおける、またスポーツを通じたジェンダー平等の実現に向けて努力していきます。

本プログラムを通じてスポーツ界からアジアのジェンダー平等社会に向けて共に歩んでいく日本とASEANの連帯が強固になりました。日ASEANスポーツ会合においては、本プログラムで各国が発表したアクションプランをフォローアップするなどして、女性スポーツを通じた日ASEANの一層の関係強化に取り組んでいきたいと考えています。

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