トピックス2
「災害対応力を強化する女性の視点」実践的学習プログラム/防災女子の会提言
男女共同参画局総務課
「災害対応力を強化する女性の視点」実践的学習プログラム
令和2年5月、内閣府は「災害対応力を強化する女性の視点~男女共同参画の視点からの防災・復興ガイドライン~」(以下、「ガイドライン」という。)を作成しました。このガイドラインでは、地方公共団体が女性の視点に立った災害対応の取組を進める際に参照できるよう、基本的な考え方と、平常時の備え、初動段階、避難生活、復旧・復興の各段階において女性の視点から取り組むべき事項を示しています。
実践的学習プログラムは、災害対応に携わる全ての地方公共団体の職員が、ガイドラインの内容をより深く理解し、女性の視点に立った取組を企画立案・実行できるようになることを目的としています。
本プログラムでは、あらゆる防災・復興施策に女性の視点を取り入れるために特に必要な取組として以下の3つを掲げ、具体的な取組ポイントや事例を示しています。
①意思決定/防災の現場への女性の参画
②地方公共団体の防災・危機管理担当部局と男女共同参画部局/男女共同参画センターとの連携
③地域の女性防災リーダーの育成と男性への理解促進
●セッション1 【座学・動画教材】
防災になぜ男女共同参画の視点が必要か
災害時は、誰もが過酷な環境に置かれるため、「みんなが大変なのだから我慢しなければ」と思い込んでしまう傾向があります。そして、避難所の運営は男性リーダーがほとんどであり、女性から要望を出しにくく、出したとしても男性には理解されないこともあります。そのため、女性たちは避難所に居づらくなることを危惧して声を上げるのをあきらめ、問題への対応がなされないまま、劣悪な環境での暮らしを余儀なくされます。
このセッションでは、災害時に女性と男性が受ける影響やニーズの違い、避難所等で女性が直面する課題をデータや統計を用いて説明しています。そして災害時に女性が抱える困難を軽減するための具体的な施策や取組を示しています。これにより、防災になぜ女性の視点が必要なのかを理解し、女性の視点に立った取組を進めることの重要性に気付くことができます。
●セッション2 【座学・動画教材】
災害対応力を強化する女性の視点
このセッションでは、災害の各段階において発生する課題と取組ポイント、これまでの災害での地方公共団体等による取組事例について、ガイドラインを参照しながら学ぶことで、平常時・災害時にガイドラインをうまく活用できるようになります。
●セッション3 【ワークショップ】
男女共同参画の視点から防災の取組を実践する
セッション3は、セッション1、2で学んだことを自身が所属する組織や団体の業務に落とし込んで考えるワークショップです。自身の組織や団体での災害対応に係る業務について、ワークシートを使って検討します。これにより平常時・災害時の業務に女性の視点からの取組を組み込むための考え方を学ぶことができます。
●プログラムの活用にあたって
本プログラムは、地方公共団体の職員を対象に作成されたものですが、自治会・自主防災組織等の地域の防災活動の中核となる団体、防災・復興を専門とする研究機関や大学、災害支援を行うNPO・NGO、女性防災士や女性消防団など地域の女性防災リーダーとして活躍する方々等、様々な団体や機関が実施する研修や勉強会、防災・男女共同参画関連のイベント等で利用していただくことを想定しています。
また、地方公共団体や男女共同参画センター等による女性の視点から防災・復興の取組事例も多数紹介していますので、研修等と組み合わせて利用いただけます。
本プログラムを様々な機会を捉えて積極的に活用いただき、ガイドラインの内容についての理解を深めるとともに、各地域において女性の視点に立った災害対応の取組を更に進めていただくことを期待しています。
教材のダウンロードはこちら
https://www.gender.go.jp/policy/saigai/program/index.html
防災女子の会提言
内閣府防災担当と男女共同参画局の女性職員による「防災女子の会」が提言書を取りまとめ、5月17日に小此木防災担当大臣(当時)へ手交しました。
提言では、女性の視点に立った被災者支援の推進や女性の視点を組み込むための防災担当部局の体制強化などを求めています。
また、この提言を受け、丸川男女共同参画担当大臣と小此木防災担当大臣(当時)が連名で初となる大臣メッセージを公表しました。
提言の全文はこちら
http://www.bousai.go.jp/kyoiku/joshi/index.html
両大臣によるメッセージはこちら
https://www.gender.go.jp/policy/saigai/message/index.html