「共同参画」2021年8月号

トピックス1

子供を性暴力の当事者にしないための「生命(いのち)の安全教育」の推進
内閣府男女共同参画局男女間暴力対策課

子供を性暴力の当事者にしないために

政府では、令和2年6月に性犯罪・性暴力対策強化のための関係府省会議において、「性犯罪・性暴力対策の強化の方針」(以下「強化の方針」という。)を取りまとめ、令和4年度までの3年間を性犯罪・性暴力対策の「集中強化期間」として、取組を進めています。

この強化の方針では、刑事法の検討はもとより、被害者支援の一層の充実、加害者対策に加え、生命(いのち)の尊さを学び、性暴力の加害者や被害者、そして傍観者にならないための教育・啓発の強化にも重点を置いています。

子供を性暴力の当事者にしないためには、誰もが「生命(いのち)を大切にする」、性暴力の「加害者にならない」、「被害者にならない」、「傍観者にならない」ための教育・啓発を強化していくことが必要です。


「生命(いのち)の安全教育」調査研究事業の実施

本来、子供を性被害から守り、被害に遭った時に支えになるのは保護者や周囲の大人ですが、家庭内に加害者がいる場合や、虐待などが生じている家庭もあり、親が子供に何をどのように教えればよいかが分からない場合など、家庭がこの機能を十分に発揮できない場合もあります。子供が性暴力被害に遭い、その被害が継続することが、その後の学業や就労を含め、人生に多大な負の影響を与えていることを考えれば、性暴力の加害者や被害者、傍観者のいずれにもならないよう、学校教育がより大きな役割を果たしていくことが求められます。

そこで、令和2年度、内閣府と文部科学省は、共同で、子供を性暴力の当事者にしないための「生命(いのち)の安全教育」調査研究事業を実施し、発達段階に応じた教材や教職員向けの指導手引き、啓発資料等の作成に向けた現状調査、分析・検討を行い、報告書及び教材イメージ等を公表しました。

今後は、文部科学省において、教材イメージ等を活用したモデル事業を令和3年度、令和4年度に実施し、教育機関における実証を通じた指導モデルを開発することとしています。さらに、モデル事業の成果や課題を踏まえ、令和5年度に、全国の小中高の各学校において、地域の実情に応じた教育を実施していくとしており、全国展開に向けた取組が進んでいきます。


子供を性暴力の当事者にしないための「生命(いのち)の安全教育」調査研究事業報告書についてはこちら
https://www.gender.go.jp/policy/no_violence/e-vaw/chousa/r02_inochi.html


教材イメージの主な内容

幼児期
幼児期
「水着で隠れる部分」は自分だけの大切なところ
相手の大切なところを、見たり、触ったりしてはいけない
いやな触られ方をした場合の対応 等


小学生(低・中学年)
小学生(低・中学年)
「水着で隠れる部分」は自分だけの大切なところ
相手の大切なところを、見たり、触ったりしない
いやな触られ方をした場合の対応 等


小学生(高学年)
小学生(高学年)
SNSを使うときに気を付けること 等


中学校
中学校
自分と相手を守る「距離感」について
性暴力とは何か(デートDV、SNSを通じた被害の例示)
性暴力被害に遭った場合の対応 等


高 校
高校
自分と相手を守る「距離感」について
性暴力とは何か(デートDV、SNSを通じた被害、セクシュアルハラスメントの例示)
二次被害について
性暴力被害に遭った場合の対応 等


高校卒業前、大学、一般(啓発資料)
高校卒業前、大学、一般(啓発資料)
性暴力の例
身近な被害実態
性暴力が起きないようにするためのポイント
性暴力被害に遭った場合の対応・相談先 等


特別支援教育
小・中学校向け教材を活用しつつ、児童生徒等の障害の状態や特性及び発達の状態等に応じた個別指導を実施。

内閣府男女共同参画局 Gender Equality Bureau Cabinet Office〒100-8914 東京都千代田区永田町1-6-1
電話番号 03-5253-2111(大代表)
法人番号:2000012010019