「共同参画」2021年8月号

特集1

仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)総括文書 -2007~2020-
内閣府男女共同参画局推進課

2007年12月に策定された「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」(以下「憲章」という。)と「仕事と生活の調和推進のための行動指針」(以下「行動指針」という。)に基づき、企業、労働組合、地方公共団体の代表や有識者等で構成された「仕事と生活の調和連携推進・評価部会」(以下「評価部会」という。)は、関係省庁と連携して憲章と行動指針の点検・評価を行ってまいりました。行動指針で定めている数値目標の期限が2020年であることを機に、数値目標のこれまでの動向や、政労使の取組、評価部会委員の提言等を取りまとめた「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)総括文書 –2007~2020–」(以下「総括文書」という。)を公表いたしました。

今回は総括文書の中から、第2章の「2020年時点での数値目標達成状況とその理由、今後の課題」について紹介いたします。


数値目標設定指標の動向

行動指針では、政策によって一定の影響を及ぼすことのできる13項目18指標について、取組が進んだ場合に達成される水準として2020年の数値目標を設定しています。行動指針で定めた「数値目標設定指標」の状況は以下のとおり、13項目中3項目が達成済み又はほぼ達成、8項目が順調でないものの進捗している、2項目が進捗していないという結果となりました。




総括文書では、それぞれの数値目標の詳しい動向や政労使のこれまでの主な取組、結果の分析、今後予定されている主な取組等を掲載しております。

今回は13の数値目標の中から、「週労働時間60時間以上の雇用者の割合」と「年次有給休暇取得率」について紹介いたします。


週労働時間60時間以上の雇用者の割合



週労働時間60時間以上の雇用者の割合を見ると、2005年以降は低下傾向にあり、2020年は5.1%で、目標値の5.0%をほぼ達成しています。

これまで、関連法の整備として、月60時間を超える時間外労働に対する割増賃金率の引き上げ等が盛り込まれた「労働基準法の一部を改正する法律」の施行(2010年4月、中小企業には当面の間適用を猶予)や、時間外労働の上限規制・勤務間インターバル制度の導入の努力義務等が盛り込まれた「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律(以下、「働き方改革関連法」という。)」の施行(2019年4月、中小企業における時間外労働の上限規制に係る規定の適用は2020年4月)等を行ってきました。また、具体的な施策として、労働基準監督機関による長時間労働是正のための取組のほか、2014年から「過労死等防止啓発月間」である11月を中心に、過労死等を防止することの重要性について周知・啓発等を実施しました。

時間外労働の上限規制の適用が猶予されている建設事業、自動車運転の業務、医師、鹿児島県及び沖縄県における砂糖製造業についても、2024年4月1日から適用が開始されます。週労働時間60時間以上の就業者の割合を2025年までに5.0%とする成果目標(第5次男女共同参画基本計画、少子化社会対策大綱等)の達成に向けた取組等を推進します。


年次有給休暇取得率



目標値70%に対して56.3%(2019)と、13.7ポイント不足し、未達成です。

2006年以降は、50%を下回る水準で推移していましたが、2017年以降は50%を超え、上昇傾向にあります。

これまで、関連法の整備として、2019年4月に働き方改革関連法が施行され、使用者に対し、10日以上の年次有給休暇が付与される労働者に対し、年5日、時季を指定して有給休暇を与えることが義務付けられました。また、具体的な施策として、

  • ・所定外労働の削減、年次有給休暇の取得促進等に取り組む中小企業事業主に助成金(働き方改革推進支援助成金等)の支給
  • ・国、関係労使、地方公共団体等が協働し、地域のお祭り等に合わせた計画的な年次有給休暇の取得を企業、住民等に働きかけ、地域の休暇取得促進の機運を醸成する事業を実施
  • ・労使自らが「働き方・休み方」の改善に向けた検討を行う際に活用できる「働き方・休み方改善ポータルサイト」を開設し、情報発信の実施

等を行ってきました。

今後は、年次有給休暇取得率を2025年までに70%とする成果目標(第5次男女共同参画基本計画、少子化社会対策大綱等)の達成に向けて、働き方改革関連法の周知や履行確保を徹底するとともに、引き続き、10月の「年次有給休暇取得促進期間」に加え、夏季など連続休暇を取得しやすい時季に年次有給休暇取得の集中的な広報を実施するなどの取組を推進します。


総括文書全体版はこちら
http://wwwa.cao.go.jp/wlb/government/top/hyouka/07-20/zentai.html


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