「共同参画」2021年7月号

トピックス2

若年層の性暴力被害予防について
内閣府男女共同参画局男女間暴力対策課

若年層に対する性暴力は許されない

性犯罪・性暴力は、被害者の尊厳を著しく踏みにじる行為であり、その心身に長期にわたり重大な悪影響を及ぼすものであることから、その根絶に向けた取組を強化していく必要があります。特に10代から20代の若年層を狙った性犯罪・性暴力は、その未熟さに付け込んだ許しがたい重大な人権侵害であり、決して許されるものではありません。


巧妙化する性暴力の手口

政府は、昨年6月に「性犯罪・性暴力対策の強化の方針」(令和2年6月11日性犯罪・性暴力対策強化のための関係府省会議決定)を取りまとめ、令和2年度から4年度までの3年間を、性犯罪・性暴力対策の「集中強化期間」として、若年層の様々な性暴力被害の予防啓発や性暴力被害に関する相談先の周知を行っています。また令和2年10月からSNS相談「Cure time(キュアタイム)」を継続して実施しており、若年層が相談しやすい手段を提供しています。

若年層への性暴力はこれまでも対策が進められてきたAV出演強要、JKビジネスなどの問題に加え、

  • レイプドラッグの問題
  • 酔わせて性的行為を強要
  • 自撮り画像を勝手に掲載される、なりすました相手から性暴力を受けるといったSNSを利用した性被害
  • セクシュアルハラスメント
  • 痴漢 等、

手口が巧妙になっています。「被害にあっているかも。」と思ったら、ひとりで悩まず御相談ください。

※飲み物や食べ物に混ぜて、相手を抵抗できない状態にして性的行為をする睡眠薬等の薬物


●こんな被害が起きています

事 例 ❶
AV出演強要

街でモデルやアイドルにならないかと誘われた。紹介してもらった事務所は、アダルトビデオへの女優を派遣しているプロダクションだった。


事 例 ❷
JKビジネス

SNSでアルバイトの広告を見つけ、座っているだけの仕事だと聞いていたのに、客の前で胸や下半身を強調するポーズをとらされた。


事 例 ❸
レイプドラッグ

カラオケボックスでトイレに行った後、残っていた飲み物を飲んだら意識がもうろうとして、気がつくと服を脱がされた状態で、一人で取り残されていた。


事 例 ❹
酔わせて性的行為を強要

サークルの飲み会で、先輩からお酒をすすめられ、断れずに飲み続けていたら、身体がだるくなり、気が付くと複数の人に囲まれ、胸や下半身を触られていた。


事 例 ❺
SNSを利用した性被害

外出自粛により、誰にも会えず、さびしくなり、SNSでつながった男性に裸の写真を送ってしまった。


事 例 ❻
セクシュアルハラスメント

就職活動で性的な言動を拒否したことで内定が取り消されたなど不利益な扱いをされた。


被害を受けたあなたは悪くありません

「お酒を飲んでしまったから」「誘いを断れなかったから」「自分が不注意だったから」などと、自分を責めないでください。加害者が友人や先輩、知人などの場合、相手を信用してしまうのも当然のことです。「相手を信用した自分が悪かった」などと自分を責める必要はありません。悪いのは加害者です。

同意のない性的行為の強要は、いかなる理由・関係性であってもすべて性暴力です。性暴力は、年齢、性別にかかわらず起こります。また、身近な人や恋人の間でも起こります。

性暴力に関する情報をみんなで共有して、社会全体で性暴力をなくしていくことが大切です。ウェブサイトでは、被害事例や対応策、相談窓口を紹介していますので御覧ください。


「若年層の性暴力被害予防」についてはこちら
https://www.gender.go.jp/policy/no_violence/jakunengekkan/

被害に遭った時の対応や相談窓口についてはこちら
https://www.gender.go.jp/policy/no_violence/seibouryoku/


一人で悩んでいませんか?

もし性暴力の被害に遭ってしまったら、一人で抱え込まず、性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター(以下、ワンストップ支援センター)に相談してください。全国共通短縮番号「#8891」(はやくワンストップ)にかけると、最寄りのワンストップ支援センターにつながります。プライバシーは守られますので安心して相談してください。


ワンストップ支援センターでは以下のような相談をすることができます

  • 妊娠や性感染症が心配
    協力関係にある医療機関において、緊急避妊薬の処方や、妊娠・性感染症の検査等を受けることができるよう、サポートします。
  • こころやからだのことが心配
    医療機関等において、必要な治療や心理的支援を受けることができるようサポートします。
  • 警察に相談したい、相談するかどうか迷っている
    警察での支援、捜査、証拠採取等に関する情報の提供、警察への同行など、相談する際のサポートを行います。
  • 法律や裁判のことがよくわからない
    弁護士等と連携しながら、法的な手続等のサポートを行います。
  • その他(今後のことが心配等)
    その他、安心して安全に生活することができるよう、必要なことを一緒に考えてサポートします。

また、内閣府では、性暴力に関するSNS相談「Cure time(キュアタイム)」を実施しています。電話はちょっと…と思う方は、ぜひ、「キュアタイム」で検索してみてください。

年齢・性別・セクシュアリティを問わず、匿名で相談を受け付けています。


全国のワンストップ支援センター一覧はこちら
https://www.gender.go.jp/policy/no_violence/seibouryoku/consult.html

SNS相談Cure time(キュアタイム)への相談はこちら
https://curetime.jp/


内閣府男女共同参画局 Gender Equality Bureau Cabinet Office〒100-8914 東京都千代田区永田町1-6-1
電話番号 03-5253-2111(大代表)
法人番号:2000012010019