「共同参画」2021年6月号

トピックス3

外務省主催ウェビナー「国際女性記念の年に寄せて」
外務省総合外交政策局女性参画推進室

2020年は、ジェンダー平等に関する国際的指針を打ち出した第4回世界女性会議から25周年、平和と安全保障分野への女性の参画の重要性を謳った国連安保理決議1325号の採択から20周年という記念の年でした。他方で、新型コロナウイルス感染症の拡大により、既存のジェンダー間の格差が拡大しています。こうした中で、外務省は、ポスト・コロナ時代における「より良い社会づくり」に向けて、3月29日にウェビナーを開催しました。


パネル・ディスカッション1
「女性のエンパワーメントをよりよい社会の原動力に」

現在の国際的な潮流として、女性リーダーがデジタル技術を活用し成果を上げたこと、国際社会の様々な場でジェンダー平等が取り上げられていることが紹介されました。一方、日本では民間企業による女性役員の増加に向けた取組が遅れていることや、新型コロナウイルス感染症の影響による女性の失業・所得減に加え、DVが増加していること等が指摘されました。 

また、ジェンダー平等の達成に向け、女性リーダーを積極的に育成し、指導者層における女性の割合をデータと理論に基づいて高めていくこと、ソーシャルメディア等を活用し様々な人の声を聞くこと、行政による女性参画の促進制度の策定と実施状況のモニタリングの必要性が提言されました。

パネル・ディスカッションの様子


パネル・ディスカッション2
「スポーツ界における女性のエンパワーメント」

スポーツ界の国際的な取組として、本年開催される「平等を目指す全ての世代フォーラム」や、パラ・スポーツへの女性の参加促進事業が紹介されました。一方、日本では女児が「男性的」とされるスポーツに参加するのが難しく、トップアスリートでさえ出産等でキャリアを断念する事例があると指摘されました。

こうした問題に対し、メディアがジェンダー平等な報道をすべきこと、意思決定層や指導者に女性を登用し、ロールモデルを作っていくこと、男性もジェンダー平等に向け主体的に取り組むこと等が提言されるとともに、コロナ禍においてオンラインで選手がトレーニング方法に関する情報交換や外国語の勉強等にも挑戦し始めていることが共有されました。


パネル・ディスカッション3
「女性・平和・安全保障(WPS)ってなに?」

WPSとは、紛争予防や和平交渉等の意思決定における女性の平等で完全な参画の必要性等に言及した国連安保理決議に基づき国際社会全体で取り組んでいる課題です。パネルでは、G7のWPSイニシアティブにおける日本のスリランカ支援によって、内戦で影響を受けた700名以上の女性たちが職業訓練を受け経済的エンパワーメントが進んだこと、EUによるボスニア・ヘルツェゴビナ支援によって、同国の軍と警察の2割は女性となり、国連PKO等でも活躍し、平和に貢献していることが紹介されました。

また、日本はアフガニスタンを長年支援して信頼を得ており、JICAによる女性警察官への訓練支援は現地女性の人権保護に貢献していると高い評価を得ていますが、未だ厳しい治安状況を踏まえ引き続き関心を持って支援継続を願うとの提言がありました。


パネリストの情報等、ウェビナーの詳細については、以下のホームページをご覧ください。
https://www.mofa-wwe.jp/


内閣府男女共同参画局 Gender Equality Bureau Cabinet Office〒100-8914 東京都千代田区永田町1-6-1
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