「共同参画」2021年6月号

特集3

男女共同参画シンボルマークリニューアル!
内閣府男女共同参画局総務課

男女共同参画シンボルマークができたのは平成21年4月。12年の時を経て、男女共同参画の取組をさらに加速するよう、令和3年5月、シンボルマークのリニューアルを実施しました。新たなシンボルマークおよびそれに込めた思い(ステートメント)を御紹介します。


シンボルマーク


女性も男性もそれぞれの意欲に応じて、あらゆる分野で自らの希望と夢に向かって活動ができる社会。
ひとりひとりが豊かな人生を過ごせる社会の実現。
男女が手を取り合って共に活躍している社会をイメージし二つの円がつながるようなデザインにした。
男女共同参画の裾野を全国に広げられるよう、活力や積極性を表し、視覚に強く訴えかけてくる赤を用いた。


シンボルマークのリニューアルに御協力いただいたデザイナーの岡本一宣氏にお話を伺いました。

◆デザインに込めた思い

シンボルマークをリニューアルするというのは良いことだと思います。シンボルマークやロゴというものは、少しずつ時代にあわせて変えていくべきです。今回は「存在感を強調したい」というご要望でしたので、今までのモノクロ、かつ細いラインでは少し弱いと思い、誰しも目を引く赤を採用し、中の人が丸みを帯びているため、周囲は丸囲みから四角囲みにリニューアルしました。

◆感動を呼び覚ますためには、偏らない価値観で

私は、性差は無数にあり、明確に区切れるものではなく、グラデーションになっていると思っています。デザイン業界や感性を仕事にする人たちの中には、その性差のグラデーションのうち中央に近い人たちが多い気がします。クリエイティブな産業・生産の現場では、感動を呼ぶものが評価されます。その感動を多く呼び覚ますためには、グラデーションの両極端にいるような偏った価値観ではなく、両方の性の考え方を持ち合わせた人のほうが良いものが創れると思うのです。

◆学校現場や働き方も変わり、女性デザイナーが増えてきた

私の事務所でも、ここ5年くらいで景色が変わりました。これまではずっと男性の方が多かったのですが、今では9:1で女性デザイナーが多いです。美術系の学校・大学の学生比率をそのまま反映しており、性別ではなく、腕やセンスの良さで選んだ結果、勝ち抜けたのが女性だったようです。

働き方も少しずつ変えています。この業界は徹夜でガンガン仕事をするという風潮が根強かったですが、私はそれが嫌だった。段取りよく、要領よく、仕事を構築すれば、徹夜などしなくても十分に良い仕事ができるはずだと私は信じていました。40年ほど前に私は自分の事務所を立ち上げ、徹夜禁止としました。徹夜をしたらクビです(笑)。こういった取組のおかげか、私の事務所では女性が年々増えています。

◆多様性を生むのには、互いを知り、認め合うことがとても大事!

男女共同参画の意識はとても良いです。たまたま遺伝子をつなぐというところで性差があるだけで、精神的なところはバラバラだし、バラバラを認めていかないと多様性は生まれません。これからは、互いを知って、認め合っていくことが何よりも大切だと思っています。

岡本一宣氏

岡本 一宣氏

アートディレクター、グラフィック・デザイナー、出版プロデューサー

1951年長崎生まれ、武蔵野美術大学造形学部卒業
1979年、グラフィック・デザインオフィス岡本一宣デザイン事務所を設立。
以来、雑誌、PR誌、書籍、写真集などの出版メディアをはじめ、企業のCI.VI、企業ロゴマークデザインやブランディング・デザインなど、グラフィック・デザインに関わる全てについて携わっている。

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