「共同参画」2021年3・4月号

トピックス2

アジア・太平洋、アフリカの女性交流事業 ジェンダーに基づく暴力の根絶に向けて!
内閣府男女共同参画局総務課

1.事業の背景

令和元年8月に横浜で行われた第7回アフリカ開発会議(TICAD7)において、サイドイベントとして、「アフリカにおけるジェンダーに基づく暴力をゼロに!~ともに、実現へ~」(開発のためのアフリカ・ファーストレディー協会、アフリカ連合、国連人口基金共催)が開催されました。イベントには、シエラレオネ共和国、ナミビア共和国、コンゴ民主共和国、ブルキナファソ、マダガスカル共和国、マリ共和国の大統領、ファーストレディが登壇され、我が国からも男女共同参画担当大臣が参加しました。

TICAD7の成果文書「横浜宣言2019」の付属文書である「横浜行動計画2019」では、ii)持続可能で強靱な社会の深化」の具体的な行動の一つとして、「職業訓練を促進し、女性と若者のサービスアクセスの増加と機会の拡大を図ること」が掲げられ、日本がジェンダーに基づく暴力(以下「GBV」という)の根絶に取り組む各国の行政官等を招へいする交流・研修事業を実施することが盛り込まれています。

こうした背景を踏まえて、令和2年度から2年間にわたり、「アジア・太平洋、アフリカの女性交流事業―ジェンダーに基づく暴力の根絶に向けて!」が実施されることになりました。本事業は、日本を含むアジア・太平洋とアフリカ各国のGBV関係者間の交流により、相互の知見や経験の共有を進め、それぞれの国における人材の育成と対応能力の強化に貢献することを目的としています。事業の成果を令和4年に開催予定のTICAD8につなげていくことを目指しています。



2.事業の概要

参加者は以下の各国行政官1名と支援団体職員1名の計2名を参加者としています。

参加国一覧

令和2年度は、対象国のGBVの状況を把握するため、アフリカ事業参加国6か国を対象とした各種調査を行いました。また、令和3年度の交流プログラムの実施に先立ち、英語圏グループと仏語圏グループにわかれ、オンラインによる情報共有・意見交換会を各2回実施しました。そして、調査結果、オンラインによる情報共有・意見交換会で得た情報を基に、令和3年度の交流プログラム実施に向けて、プログラム案の検討を行いました。以下に詳細を記します。


3.各国のGBVの現状と課題に関する調査

各国政府や在外公館の協力を得て、政府機関を対象としたアンケート調査を実施しました。調査では、政府による支援体制、連携・レファラル体制※、支援実施上の課題、好事例、新型コロナウイルス感染症の影響と対応、今後の展望等の情報を得ることができました。

また、支援団体を対象に、オンラインによるヒアリング調査も行いました。調査を通して、主な支援活動、国内外の連携・ネットワーク、課題、好事例、新型コロナウイルス感染症の影響、今後の展望等についての情報を得ることができました。

※レファラル体制:被害者のニーズに応じて専門家や専門機関に照会して情報を得ること。専門家や専門機関を利用者に紹介し、被害者がサービスを受けられるようにすること。


4.オンラインによる情報共有・意見交換会

オンラインによる情報共有・意見交換会は、英語圏グループと仏語圏グループにわかれ、各2回実施しました。

両グループともに、参加者が用意したパワーポイントのスライドを使いながら、自身のキャリアパスや職務、所属機関・団体の活動、GBVの状況や課題、情報共有・意見交換会に期待することなどを発表しました。

英語圏グループでは、「新型コロナウイルス感染症のGBVへの影響と対応」、「GBV予防への男性の巻き込み」、と参加者の関心度の高い2つのトピックについて討議しました。

英語圏グループの様子
英語圏グループの様子

仏語圏グループでは、「GBV予防への男性の巻き込み」、「緊急一時保護施設の役割」、「シェルター運営等の関心事項」についての議論が行われました。

仏語圏グループの様子
仏語圏グループの様子

GBVへ取り組んでいる参加者同士が顔合わせを行うことは大変有意義であり、満足度の高い意見交換会となりました。

さらに、参加者間の交流促進のため、オンライン情報共有・意見交換会に加え、SNS(英語圏:Facebook、仏語圏:WhatsApp)を通した交流も進んでいます。


5.交流プログラム案について

これまでの調査や各国のGBVの現状と課題、オンライン情報共有・意見交換会を踏まえ、令和3年度実施予定の交流プログラム案を検討しました。

交流プログラム案は、以下の3つのトピックに沿って組み立てる予定でいます。

3つのトピック

具体的な開催時期、開催方法等については、新型コロナウイルス感染症の影響や各国の水際対策等を十分に踏まえた上、オンラインでの開催も含めて、引き続き検討していきます。

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