「共同参画」2021年3・4月号

トピックス1

「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」オンラインシンポジウムの開催
内閣府男女共同参画局総務課

「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会(以下「男性リーダーの会」)」は現在約250名の企業の会長・社長、地方自治体の首長等に御参加いただき、取組の共有や意⾒交換を⾏っています。これからは、地域や中小・小規模企業の経営者を含め、更に多くの男性リーダーに御参加いただくことを目指し、各地域でシンポジウムを開催することとなりました。

今年度は、広島県と共催で開催し、当日は広島県内外の企業の代表や社長等、約200名の方に視聴いただきました。その内容の一部を御紹介します。

「輝く⼥性の活躍を加速する男性リーダーの会」
シンポジウム(広島開催)
令和3年2⽉5⽇(⾦) Zoomウェビナー
主催:内閣府 共催:広島県
後援:広島市 / 中国経済連合会 / 広島経済同友会 / 広島県商⼯会議所連合会 / 働き⽅改⾰推進・働く⼥性応援会議ひろしま

開会挨拶

橋本聖子 内閣府特命担当大臣(男女共同参画)・女性活躍担当大臣

開会にあたり、令和2年12月に閣議決定した第5次男女共同参画基本計画において、女性活躍の裾野を地方の企業や中小企業・小規模事業者へ広げることの重要性を正面から取り上げたことについて述べました。

また、視聴いただいている企業経営者へ向けて、「男性リーダーの会」への参加と、そこで得られる女性活躍の好事例を組織へ持ち帰り、更なる推進への取組につなげていただくように呼びかけました。

開会挨拶


湯﨑英彦 広島県知事

組織にとって喫緊の課題は、生産性の向上を図りながら、女性や高齢者を始め、多様な人材が活躍できる職場づくりに取り組むことであると述べました。また、女性活躍の推進に向けて、組織のリーダー自身がこれまでの価値観にとらわれることなく、率先して行動することが重要であると、自身が平成28年に「男性リーダーの会」に参加したことを紹介するとともに、共に刺激しあう仲間である県内の男性リーダーに、会への参加を呼びかけました。


基調講演

清⽔建設株式会社 代表取締役会⻑ 宮本 洋⼀ ⽒

「男性リーダーの会」が発足した翌年の平成27年に本会に御参加いただいて以来、ミーティングにも積極的に御参加いただいている、清⽔建設の宮本会長より、「男性リーダーによる女性活躍推進への想いと取組」をテーマに御講演いただきました。

講演では、平成19年に社長に就任して以降、女性の採用の強化、ダイバーシティ推進室の設置、キャリアと育児の両立支援等を進めてきたこと、今後は女性の管理職登用に向けたパイプラインの構築に取り組むこと等が紹介されました。特に、女性管理職が少ない状況では、意識して女性を引き上げる必要があり、同じ能力の男女がいたら、女性により昇進のチャンスを与えているとのお話をいただきました。

そして、「何よりも大切なことは、トップリーダーが自ら意識改革の重要性を発信し続けること。アンコンシャスバイアスを取り除くことである。」「建設業界全体で、女性が、当たり前に活躍できる職場・社会を構築していきたい。」と、熱い想いをお話しいただきました。

基調講演


パネルディスカッション

マツダ株式会社 代表取締役会⻑ ⼩飼雅道⽒
広島電鉄株式会社 経営管理本部 総務部⻑ 嶋治美帆⼦⽒
広島県知事 湯﨑英彦氏
株式会社キャリアン 代表取締役 河野真理⼦⽒(ファシリテーター)

マツダ 小飼会長、キャリアン 河野代表、広島電鉄 嶋治部長、広島県 湯﨑知事
※写真右上から時計回り
マツダ 小飼会長、キャリアン 河野代表、広島電鉄 嶋治部長、広島県 湯﨑知事

パネルディスカッション内容

1 男性リーダーのコミットメント、トップのリーダーシップについて

湯﨑知事:今はトップに男性が多いという社会状況であるので、社会を変えるためにはトップがしっかり取り組むことを示すべきだと思い、平成28年「男性リーダーの会」に参加した。自らリーダーシップを発揮し、都道府県知事初の育児休暇の取得、イクボス宣言、イクボス同盟ひろしまの立ち上げなど、自ら行動を起こしている。

嶋治部長:入社間もない時、女性は補助の仕事というところがあり、少しやる気を失っていたが、上司が一人前の仕事を任せてくれた。その経験が今の自分に大きな影響を与えている。その時の上司が、現在の社長。トップや管理職は、若手のうちから男性女性問わずチャンスを与える、というのが重要だと感じている。

2 これから(ポスト・ウィズコロナ時代)の女性活躍について

小飼会長:在宅勤務等により、個人の都合に合わせた働き方が可能になっている。この状況をチャンスと捉え、社員活躍の最大化をしていきたい。また、生産・開発においてデジタル技術の活用を他社に先駆けて進めている。デジタルの活用や新しい働き方により、女性も活躍できるフィールドが増えていることをアピールしていきたい。

湯﨑知事:コロナは、これまで抱えてきた課題を浮き彫りにした。企業においては、これまでのビジネスモデルや組織の在り方を変革しなくてはならない。女性活躍は働き方改革と両輪で推進すべきで、これからの時代に必要な強い組織づくりや企業価値の向上につながる、まさに経営戦略そのものだと思う。

3 メッセージ

小飼会長:広島はモノづくり企業が集結しているので、その中で女性に活躍してもらうためには、女性たちに「広島で仕事がしたい」「広島に貢献したい」と思ってもらえるようにしたいと考えている。女性活躍の最大化は、企業の成長に必ずつながる。ぜひ県内企業一丸となって取り組んでいきたい。

嶋治部長:(働く女性に向けて)チャンスが来たらぜひ掴んでほしい、ドアが開いたら遠慮せず1歩踏み出してほしい。(また、経営トップへ向けて)このような厳しい状況下だからこそ、男性女性・年齢問わず、大事な人材として活用してほしい。


~参加者の声~

トップの強い意志のもとで、具体的目標を挙げながらの取組を伺い、参考になった。
他社の取組を拝見し、トップである私がリーダーシップを発揮し、もっと組織的に取り組んでいく必要性を感じた。
社会全体を動かすためには建前だけでない、このようなトップのディスカッションが重要だと感じた。
「男社会」の典型のような業界でも様々な取組がされていることが参考になった。


シンポジウムの内容や、参加者の声はこちらでも紹介しています!
https://www.gender.go.jp/policy/sokushin/male_leaders/event/index.html

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