「共同参画」2021年3・4月号

特集1

令和2年度「女性が輝く先進企業表彰」
内閣府男女共同参画局総務課

女性が輝く先進企業2020


令和2年12月15日、総理大臣官邸において、菅内閣総理大臣、橋本内閣府特命担当大臣(男女共同参画担当)の出席のもと、「女性が輝く先進企業表彰」表彰式が行われました。

この表彰は、女性が活躍できる職場環境の整備を推進するため、役員・管理職への女性の登用に関する方針、取組及び実績並びにそれらの情報開示において顕著な功績があった企業に授与されるものです。7回目(最後)となる本年度は、内閣総理大臣表彰として1社、内閣府特命担当大臣(男女共同参画)表彰として6社が表彰されました。


表彰式

菅総理は、表彰式冒頭の挨拶の中で、「女性は我が国の人口の51%を占めます。その声を十分に反映させることが重要であり、指導的地位にある人々の性別に偏りがない社会を目指し、今後一層強力に取組を進める必要があります。コロナ禍においても、女性活躍の取組を進めることを止めてはなりません。社会変革が求められている今こそ、男女共同参画を達成し、より公正で強靭な社会を作るチャンスです。」「表彰された皆さんには、これからもそれぞれの地域や業界において、また、中小企業にとっても、モデルとなる先進企業として、女性活躍を広げていただきたいと願っています。」と述べました。

表彰企業代表者による記念撮影
表彰企業代表者による記念撮影
前列左より:伊藤忠商事 鈴木社長、資生堂 魚谷社長、菅総理大臣、橋本大臣、篤豊会 久藤理事長
後列左より:りそな銀行 岩永社長、田辺三菱製薬 上野社長、大和ハウス工業 芳井社長、三州製菓 斉之平社長


意見交換

表彰式の後には、橋本大臣と表彰企業の代表者との意見交換が行われました。橋本大臣は、「女性活躍に向けて、それぞれの企業において積極的に取組を進めてこられたことに、心より敬意を表します。日本のジェンダー・ギャップ指数は、153か国中121位と大変残念な状況。健康や教育の分野では水準が非常に高いのに対し、政治と経済分野での遅れが目立っています。これは世界で最も健康で教育を受けた女性たちが活躍できていない、能力を最大限に発揮できていないことを意味しており、高度人材の獲得や我が国の評価に関わる問題です。政府としても、第5次男女共同参画基本計画を通じ、あらゆる分野において女性の参画拡大を促進したいと考えています。」と挨拶を行いました。

また、資生堂の魚谷社長から「明治5年から化粧品を扱っており、女性にとって重要で、社会的意義のある事業だと自負しています。女性の管理職はグループ全体で38%、取締役は46%であり、取締役会は非常に活性化しています。グローバル化のなかで、女性を含めた多様で優秀な人材を確保しなければなりません。30%clubでも、同じ意思を持った企業とともに取組を進めているところです。これからも、政府の方針と合致した女性活躍の取組を進めていきます。」といった発言があるなど、各表彰企業からそれぞれの取組について発表がありました。これを受けて、橋本大臣は、「短時間ではありましたが、充実した意見交換を行うことができました。本日拝聴した先進的な取組を広く社会全体に共有することで、これからますます女性活躍を進めていきたいと思います。」と述べました。

橋本大臣と表彰企業との意見交換
橋本大臣と表彰企業との意見交換


表彰企業の紹介

■■■ 内閣総理大臣表彰 ■■■

株式会社資生堂
株式会社資生堂

創業の時代から、女性を多く雇用し女性の社会参画を後押ししてきた歴史がある。また化粧品を中心とした商品を提供する資生堂の顧客の多くも女性。女性に社会で活躍してもらうことが企業活動にとって重要であるとの考えの下、多様な社員が活躍する組織づくりのためにも女性活躍推進に長年注力。仕事と育児の両立支援や女性社員を対象とした管理職研修の実施、2019年に発足した日本企業の役員に占める女性比率向上を目指す「30% Club Japan」の初代会長に魚谷代表取締役 社長 兼 CEOが就任するなど、多くの取組を行っている。

株式会社資生堂


■■■ 内閣府特命担当大臣(男女共同参画)表彰 ■■■

伊藤忠商事株式会社
伊藤忠商事株式会社

企業の持続的発展の為には組織の多様性は必要不可欠との認識の下、2003年より多様な人材の活躍推進に着手。制度の充実はもとより、現場の実態や個々のライフステージ・キャリアに応じた丁寧な個別支援を実施すると同時に、がんとの両立支援施策をはじめとする一連の働き方改革を実行。社員一人ひとりが最大限能力を発揮できる環境を整備し「厳しくとも働きがいのある会社」の実現に向けた取組を行っている。

伊藤忠商事株式会社


三州製菓株式会社
三州製菓株式会社

日本は、国際比較で女性の学歴レベルは高いが、経済活動や意志決定に参加する機会の男女格差が大きいのが現状。そこで、元々能力の高い女性が更に活躍できる会社にする目標を定めた。施策の一つとして、「一人三役制度」を策定。一人の社員が3つの業務を遂行できるスキルを身に付けることで、お互いの仕事をフォローできるようにし、育児や介護等の急な休みへの対応が可能となった。仕事の効率化や女性のキャリア継続等に繋がっている。

三州製菓株式会社


大和ハウス工業株式会社
大和ハウス工業株式会社

2005年にプロジェクトを立ち上げ、女性が活躍するうえでの負のスパイラルの課題を抽出し、プラスのスパイラルに逆回転させるべく取り組みを開始。意思決定の場の多様化のため女性管理職を輩出する研修の実施や、キャリア構築を促進するための仕事と育児との両立支援、女性が少ない職場への積極配属・職域拡大により多数の施工(現場監督)職の女性技術者が従事するなど、女性活躍を推進した。

大和ハウス工業株式会社


田辺三菱製薬株式会社
田辺三菱製薬株式会社

2014年の経営会議で、全社でD&I 推進に取り組むこと、その第一歩に女性活躍を位置づけることを決定。女性活躍に関する部門横断プロジェクトチームを立ち上げ、半年後に経営層に対し女性活躍施策案の提言を行った。提言内容の実現を経営がコミットし、柔軟な勤務制度と働き方、D&I推進に向けた研修、営業車の私用利用許可、不妊治療に対する支援、イクパパ休暇などを実現させた。

田辺三菱製薬株式会社


社会福祉法人篤豊会
社会福祉法人篤豊会

2016年に管理職手当を新設し、管理職としての意識付けを図った。対象には女性が多く、女性活躍の社内風土が更に加速した。その風を受け、女性向けに「退職した職員の再雇用」、「短時間勤務職員を正規雇用職員へ転用」などを積極的に推し進めている。また、男性向けにも「配偶者出産特別休暇制度」を創設。その他、事業内保育園の完備など子育て世代の職員が働きやすい環境を整備した。これらを通じて、各種認定や表彰を受賞し、女性が活躍でき、安心して働ける企業であることを内外共にPRしている。

社会福祉法人篤豊会


株式会社りそな銀行
株式会社りそな銀行

顧客の半分は女性であり家計運用のカギを握るのは女性、「女性に支持される銀行No1」を目指す、そのために女性が活躍できる環境を整備する、といった経営からの強いメッセージが女性活躍推進に関する取組を後押しした。女性の声を直接経営に届けることを目的に発足した「りそな Womenʼs Council」は、グループ内の女性約20名で構成されており、これまでに行った提言はほぼ全てが実現している。また、女性向け階層別キャリアセミナー等の取組により、女性ライン管理職比率は2015年度21.0%から2020年度28.7%に向上した。

株式会社りそな銀行


表彰企業の取組は、下記HPに掲載していますので、ぜひ御覧ください。
内閣府男女共同参画局HP「女性が輝く先進企業表彰」
https://www.gender.go.jp/policy/mieruka/company/hyosyo01.html

内閣府男女共同参画局 Gender Equality Bureau Cabinet Office〒100-8914 東京都千代田区永田町1-6-1
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