取組事例ファイル/団体編
「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」行動宣言賛同者の取組
平成26年に「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」行動宣言が公表され、現在200名を超える男性リーダーが本宣言に賛同しています。今月は4名の賛同者の取組を紹介します。
■「女性が元気に働き続けられる愛知」をめざして
「日本一元気な愛知」「すべての人が輝く愛知」の実現には、さらなる女性の活躍が欠かせません。私も企業の皆様の取組を後押ししたいと考え、2018年4月には、さらなる女性の活躍促進に向けた知事メッセージを発信しました。
また、「隗より始めよ」の観点から、愛知県庁内では、「女性職員の活躍促進に向けた取組指針」を策定し、主に二つの観点で取組を進めています。
一つ目は「女性職員の職域拡大と登用、キャリア支援」です。管理職に占める女性の割合を2020年度までに10%とする目標を掲げ、本庁への配置、主査以上の役職者や管理職への登用を積極的に進めて、マネジメント力や政策形成能力に優れた女性職員の育成を図っています。
さらに、管理職員の意識改革のためのセミナー、仕事と子育ての両立のための子育て応援プログラムなど、女性が働きやすい組織風土づくりも進めています。この結果、2013年度に6.67%であった管理職に占める女性の割合が2018年度には9.99%と、目標達成まであとわずかとなりました。
二つ目は「ワーク・ライフ・バランスの推進」です。管理職員が先頭に立ち、時間外勤務の縮減や休暇の取得促進などに取り組んでいます。この他、男性職員が育児に積極的に参加できるようイクメンサポートの推進、サテライトオフィスの開設、テレワークの導入に向けた検討など、女性職員に限らず、育児や介護をしながら活躍できる環境の整備に力を注いでいます。
今後とも、「女性が元気に働き続けられる愛知」の実現をめざして、積極的に取組を進めてまいります。
大村 秀章
愛知県知事
子ども同伴で参加できる「育児支援・キャリアガイダンス」
育児休業を取得した男性職員の体験談
■多様な人財が安心して働き、イキイキとチャレンジできる会社へ
TOTOグループは、年齢や性のあり方、国籍など、多様な人財の個性を尊重し、そこから生まれる新しい発想によって、豊かで快適な生活文化を創造していきたいと考えています。中でも、女性の活躍推進については、2005年に社長直轄の「きらめき推進室」を発足し、女性社員の能力発揮や意識調査など、女性のキャリア登用を積極的に推進してきました。2010年度からは「ダイバーシティ推進グループ」と改称し、さまざまな取組を進めています。
例えば、女性社員の育成プログラムは、本人とその上司を対象としたプログラム構成とし、上司に対する意識啓発を併せて推進しています。上司の関与により、研修によるスキル取得と、業務上の役割付与が並行実施でき、効果的なスキル向上の機会となっています。
また、男性社員に対しては、働く女性を支える為の意識啓発を目的に、積極的な家事・育児参画を推進しています。特に、男性の育児休業や、育児参画のための有給休暇取得については、社内ダイバーシティサイトにおいて、関連制度やロールモデルの紹介等を実施。積極的な休暇取得と、意識醸成を進めています。
さらに、すべての社員が、仕事とライフイベントとのバランスをとりながら、キャリアを継続することができるよう、両立支援を目的とした様々な制度導入に取り組み、2018年4月には、育児・介護事由を対象とした「在宅勤務制度」を導入しました。
また、グループ内における風土醸成、意識啓発を目的に、ダイバーシティ推進に関するトップメッセージ発信も、定期的に行っています。
喜多村 円
TOTO株式会社 代表取締役 社長執行役員
部門長を対象とした社長講話
女性社員育成プログラム(上司との合同セッション)
■「好きで選んだ仕事」だから働き続けるために応援し支え合う社内風土が誇りです
造園業は男性中心の職場ですが、私たちグリーンライフ産業は2000年にエンドユーザー向けのショップ事業を始動し、それが男性中心の職場から変わる転機となりました。子どもが安心して遊べる庭、庭を第2のリビングとしての活用など、ユーザーのニーズを汲み取るには同じ目線で話せる女性の力が必要です。そこで、女性プランナーを増員し、現在では女性社員の数が半数を超えています。
評価制度には実力主義を採用し、入社3年目で店長に抜擢された女性社員もいます。17店舗中8店舗で女性が店長を務め、女性の管理職比率は44%。資格取得や経営幹部訓練基礎講座の受講などをサポートし、男女の性差なくキャリアアップを目指せる育成制度を整えています。
一方で、女性が働き続けるための社内制度を拡充しており、出産を経て職場復帰し、時間を短縮した75%勤務で働く子育て社員もいます。店舗への子連れ出勤も容認しており、例えば母親の接客中は周りの社員が子どもを見守るなど支え合いもあります。このように、それぞれの働き方を尊重し、誰かにしわ寄せがいかないこと、お互いを気持ちよく思いやり、応援できる社内風土が醸成されていることは私たちの誇りです。
弊社の社員は男女を問わず、庭づくりやガーデニングの仕事に夢や憧れをもってこの道を選んでくれました。だからこそ仕事でも輝き続け、社会との関わりを持ち続けてほしい。その後押しができるよう、今後もまい進して参ります。
中村 太郎
グリーンライフ産業株式会社 代表取締役
男女性差なく活躍できる風土があります
工事現場で職人さんに確認をする女性社員
■一人ひとりがイキイキと働く社会を創る
リコーは、人々の“はたらく”をよりスマートにするために、価値創造を続けてきました。「人を想う」を起点に「はたらく」を変革する。それが創業以来「三愛精神」のリコーが大切にしてきた原点であり使命です。それは社員に対しても同様です。リコーでは法施行前から育児に伴う休業や短時間勤務制度を導入するなど、女性も働きやすい環境を整えてきました。現在は、一人ひとりがやりがいを持って、個人およびチームとして最大のパフォーマンスを発揮し、 新たな価値を生み出し続けることができる働き方の実現を目指し、取組を進めています。
リコーの提供する働き方変革で時間と場所にとらわれず自分らしい働き方を選べる社会に変え、一人ひとりにあった柔軟な働き方を実現することで、それぞれが持つ能力を十分発揮し、もっとイキイキと働いて欲しい。リコーでは社員の半数近くがリモートワークを活用するなど、柔軟な働き方が浸透してきました。
2017年の社長就任以来、私は年度初めの経営戦略説明会において、女性管理職比率に注視し、結果と今後の取組に関する考えを伝えてきました。今後はさらに一歩踏み込み、各役員からも女性活躍をはじめとした多様な人材を活かすための宣言をしてもらうことにしています。
また、定期的に開催している働き方変革フォーラムには社外の有識者をお招きし、社員と一緒に新たな気づきを頂いています。私もそこで「孫が出来たら育児休暇を取得する」と宣言しました。実現するよう私自身も働き方を変えていきます。ダイバーシティ&インクルージョンはイノベーションの源泉です。これからも価値創造を続けるために、経営戦略として取り組んでまいります。
山下 良則
株式会社リコー 代表取締役社長執行役員・CEO
働き方変革フォーラムでの外部有識者と担当役員によるトークセッション
(Skypeでも配信)
託児付き育児休業後の復帰支援セミナーには男性の参加者も