トピックス3
5周年を迎えた農業女子プロジェクト
農林水産省経営局就農・女性課女性活躍推進室
■農業女子プロジェクトのこれまで
農林水産省が推進している農業女子プロジェクトは、民間企業の協力を得ながら女性農業者の活躍を社会に発信する活動を行っています。農業就業人口の約半数を占める女性農業者が各地で活躍していることや、職業としての農業の魅力をもっと多くの方に知っていただきたいからです。
平成25年11月に37名の農業女子メンバーと9社の企業でスタートし、5年経過した現在、700名を超える農業女子メンバー、34社の企業と6校の教育機関が参画するプロジェクトに成長しました。「農業女子」と名付けていますが決して若い女性だけを対象にしているわけではありません。農業を生業とし、よりよい経営を目指したい女性農業者であれば誰でも参加可能で、生産している農産物も農業のキャリアも多様なメンバーが活動しています。
プロジェクトの一つの柱は、企業とコラボレーションし、農業女子メンバーの知恵やアイデアを生かした商品・サービスの開発です。例えば女性が操作しやすい農業機械や快適に着用できる作業着・インナーウエア・手袋など、こんなものがほしかった!という商品を企業と連携して創り出し世の中に送り出してきました。
この他にも、地方在住のメンバーが多いことから、各地に地域グループをつくりマルシェを開催したり、自ら生産した農産物を香港でプロモーションするイベントを企画・実現したり、国際会議(G7国際フォーラム、国連女性の地位委員会(CSW)サイドイベント)で農業女子メンバーが活動発表をしたり、WAW!のディナーレセプションで自らの農産加工品の提供を行うなど、この5年間で農業女子メンバー達は幅広い活動を行ってきました。
■5周年記念イベント
こんな農業女子プロジェクトの活動をより多くの方に知っていただきたいと、発足5周年を記念して昨年11月に関連イベントを開催しました。
プロジェクトの関係者が一堂に会し、活動方針等について議論を行う農業女子プロジェクト推進会議では、「SDGs×農業女子プロジェクトの可能性」と題して、大崎麻子さん(NPO法人 Gender Action Platform理事/関西学院大学客員教授)による御講演と農業女子メンバーも交えたパネルディスカッションを行いました。
また漁業・水産業の各分野の現場で活躍している女性による「海の宝!水産女子の元気プロジェクト」が発足したことから、農業女子メンバーとこの水産女子メンバーの皆さんとのフォトセッションも実現しました。
他にも「ジャパンハーヴェスト2018丸の内農園」「アグリビジネス創出フェア2018」等のイベントを通じ、消費者や農業関係者等に向けた活動紹介も行いました。また、初の試みとして働く女性をターゲットとした「WOMAN EXPO TOKYO 2018 Winter」にも出展しました。六本木に集まる女性達がどれだけ「農業」に関心をもつものかと一抹の不安を抱いての参加となりましたが、「農業に興味がある」「自分(あるいは夫)の実家が農家でいずれは故郷に戻る」「友人が農業を始めたので教えてあげたい」「家庭菜園をやっていて商品に興味がある」・・・という女性達がブースを訪れ、プロジェクトの成果品を手にとってご覧いただきました。
農業女子プロジェクト推進会議のフォトセッション
大崎さんの講演
パネルディスカッションの様子
■今後の取り組み
農業女子メンバーへのアンケートでは、全国のメンバーとのネットワークづくり、自らのスキルアップ、地域内の交流・グループ活動を望む声が多く寄せられました。地方在住のメンバーからは、首都圏での活動に参加しにくいという意見がありました。今後は、TV会議やSNSの活用を通じ地方在住メンバーも活動に参加しやすい環境づくりを進める他、メンバーのやりたいことを実現するためにも提案型の企画を積極的に推進することで、アクティブに活動できるメンバーを増やしていく方針です。
また、農業女子プロジェクトの3つのミッション(社会・農業界での女性農業者の存在感を高める/女性農業者の意識改革・経営力発展/若い女性の職業選択肢に農業)や、メンバーの日々の活動は、SDGsのゴール5(ジェンダー平等)を始めとする数々のゴールと合致することから、新たにSDGsをテーマに据えた活動を進めることとしています。
ジャパンハーヴェスト2018丸の内農園でマルシェを開催
アグリビジネス創出フェアの様子
WOMAN EXPO TOKYO 2018 Winterへの出展
■3月10日は「農山漁村女性の日」
農林水産省では、毎年3月10日を農山漁村女性の日と定め、この前後に開催される様々な行事を通じ農山漁村女性の活躍を発信し、女性の参画を促進しています。今年度は主に以下の行事を予定しており、農業女子メンバーが参加する行事もあります。是非ご参加ください。
●未来農業DAYs(3月8日:東京国際フォーラム)
農業の未来を担う若手農業者や女性農業者の優れた取組を表彰するとともに、農業に関心がある方による革新的なアイディアを支援することを目的に開催します。
申込みなど詳細はこちらから
●ふるさとの食、にっぽんの食フェスティバル(3月9日~10日:代々木公園)
農業女子メンバーが農産物の販売を行います。
●舞台「私、農業始めます!」(2月26日~3月3日:シダックスカルチャーホールA)
女子大生の目を通して農業女子の頑張り、食と農の大切さをコメディで伝える物語。3月2日~3日には会場で農業女子メンバーによるマルシェを開催する予定です。
申込みなど詳細はこちらから