「共同参画」2018年5月号

行政施策トピックス2

“農山漁村女性の日”関連イベントで女性の活躍を発信!
農林水産省経営局就農女性課女性活躍推進室

毎年3月10日は、農山漁村女性の3つの能力(知恵、技、経験)をトータル(10)に発揮してほしいという願いを込めて、「農山漁村女性の日」と定められています。例年、この前後に様々な行事が開催され、農山漁村女性の活躍を広く発信するとともに、農山漁村の女性の参画を促進しています。今年も全国各地で多彩なイベントが行われましたが、そのうち東京で開催された3つのイベントと、日本国内だけでなく世界への発信を実現した国連女性の地位委員会のサイドイベントの様子をレポートします。

■農業の未来をつくる女性活躍経営体100選(WAP100)表彰式及び女性活躍推進セミナー(3月6日)

 WAP(Women’s Active Participation in agriculture)100は、女性活躍に取組むとともに経営上の成果をあげている農業経営体の認定・表彰を通じ農業界における更なる女性活躍の機運を高めようと、平成27年度から29年度までの3年間、行ってきました。最終年度となる29年度には全国から42経営体を認定・表彰。慣習的な男女の役割分担にとらわれず、女性活躍の場を広げるため使いやすい機械の導入や男女別トイレの設置等のハード面の整備に加え、社会保険完備はもちろん、育児や介護に携わりながらも働きやすい制度を柔軟に導入している経営体や従業員のキャリアアップ支援に力を入れている経営体が認定されました。

表彰式に続くセミナーでは、認定経営体の代表4名をパネリストとして迎え、「女子が変える日本の農業」をテーマとしたパネルディスカッションを実施。事業所内託児所のこと、従業員の人材育成で力を入れていること等、パネリストから具体的な実践内容を聞くことができました。3年間では計102の経営体が認定され、それらの取組をモデル事例として、より多くの農業経営体に発信していくこととしています。

WAP100表彰式。認定経営体の皆さん
WAP100表彰式。認定経営体の皆さん

WAP100認定経営体の概要のQRコード
WAP100認定経営体の概要はこちらからご覧いただけます。

■未来農業DAYs(3月7日)

農業の未来を担う若手農業者や女性農業者の優れた取組を表彰するとともに、農業に関心のある方々の革新的なアイデアを支援することを目的として開催されました。

アワード部門(農山漁村女性活躍表彰)では、農林水産業の振興や地域活性化の活動を中長期にわたり実施された女性、起業で成果を出している女性など、地方公共団体や農業団体等からの推薦を得た方々のうち6名が見事、農林水産大臣賞を受賞されました。

農業振興につながる斬新なアイデアを競うコンペ部門では、昆虫由来の動物性タンパク質フードの開発・生産や、学生によるドローン等の技術を活用した農作業請負など、多彩な内容のプレゼンテーションが行われ、社会人枠・学生枠それぞれで受賞者を決めました。

会場には農業高校生や食と農に関心のある大学生といった若者から、農業経営者として活躍されている女性、長年、地域農業をリードしてきた女性など年代や性別を超えて多くの方々が集まり、交流を深めていました。

未来農業DAYsで表彰される農山漁村女性活躍表彰の受賞者
未来農業DAYsで表彰される農山漁村女性活躍表彰の受賞者

■農業女子PJフォーラム2017(3月8日)

農林水産省が推進する「農業女子プロジェクト」の活動を発信するイベント。今年は、農業女子メンバーが全国9ブロックごとにチームを組んで制作した、日々の取組や地域の農業の魅力をPRする動画のコンテスト(地域部門)などを行いました。

当日は、9ブロックのうち先行ネット投票で上位に選ばれた北海道、東北、九州・沖縄の3ブロックのチームがファイナリストとして登場し、PR動画と合わせて自分たちの取組も含めプレゼンテーション。また、農業女子メンバーが個人やグループで制作した動画の「フリームービー部門」コンテストも行い、ファイナリスト4名の作品が発表されました。

フォーラム観覧者約200名の投票と審査員による審査の結果、地域部門の最優秀賞は北海道ブロックの『NO FARMING, NO LIFE~だから、農業って楽しい』に決定。広大な土地で行う北海道農業の魅力を、ドローンを使って撮影した映像などを織り交ぜ表現した作品です。フリー部門の最優秀賞は、宮崎県の児玉あさみさんの『紅の世界』に。マンゴーアレルギーなど困難を乗り越えてマンゴーの栽培を楽しんでいる様子が伝わる作品です。

地域部門の動画制作にあたっては、農業女子メンバー同士が日々の仕事の合間をぬって連携・協力し作業が進められました。制作過程で構築されたネットワークが今後の活動に生かされることを期待します。

農業女子メンバーが作成した動画は左のQRコードからご覧いただけます。

農業女子PJフォーラム2017のファイナリストの皆さん
農業女子PJフォーラム2017のファイナリストの皆さん

農業女子メンバーが作成した動画のQRコード
農業女子メンバーが作成した動画はこちらからご覧いただけます。

■国連女性の地位委員会で女性農業者が日本農業をPR

例年3月にニューヨークで開催される国連女性の地位委員会(CSW)。今年のテーマが農山漁村女性となり、日本のNGO3団体と日本政府の共催でサイドイベント「農山漁村地域の女性と少女のエンパワーメントに向けての活動」を3月13日に現地で実施。その中で、山形県の女性農業者である結城こずえさんが、自らの活動を世界に発信しました。

結城さんは「農業女子プロジェクト」を通じて知り合った女性農業者のネットワークが加工や販路開拓など自身の経営の発展に繋がったことや、次世代のリーダー育成のための環境づくりにも取り組んでいくこと等を発表しました。結城さんのほか、ネパール、タンザニア、FAOのスピーカーからも農業の取組が紹介され、世界各国の方が参加し、質疑も活発に行われ、会場は熱気にあふれていました。

CSWのサイドイベントの様子(右から2人目が結城さん)
CSWのサイドイベントの様子(右から2人目が結城さん)

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