「共同参画」2018年3・4月号

行政施策トピックス1

「ダイバーシティ・マネジメントセミナー」を開催~成長戦略としてのダイバーシティ~
内閣府男女共同参画局推進課

2017年12月18日(月)に経団連会館(東京都千代田区)、2018年1月30日にリーガロイヤルホテル大阪(大阪府大阪市)において、一般社団法人日本経済団体連合会(以下、「経団連」という。)及び内閣府男女共同参画局の共催で、企業の経営者及び管理職を対象としたダイバーシティ・マネジメントセミナーを開催しました。2013年度から開始した同セミナーは、今年度で5年目を迎え、企業の管理職やダイバーシティ推進担当者等、東京会場は約180名、大阪会場は約200名が参加しました。

■セミナー概要

Society5.0の到来や人口減少等、これから大きな変化を迎える日本社会において、企業が持続的成長を実現するためには、女性、若者、シニア、外国人を含めた多様な人材の能力を最大限引き出し、社会全体として生産性向上を目指していくことが不可欠です。こうした中で、ダイバーシティの実現に向けた取り組みは、この数年、女性活躍推進をはじめ確実に進んでおり、その成果が形となって現われつつあります。

本セミナーでは、ダイバーシティ推進による成果・ビジネスインパクトや、更なる発展に向けた今後の課題や展望についての基調講演のほか、男性等を巻き込んだ意識改革といったこれまでの取り組みや、具体的な成果について、先進的な取組を進める企業等からの事例紹介を通じて理解を深めました。

■基調講演(東京会場)

東京会場の基調講演は、「ダイバーシティ推進の成果と今後の展望」というテーマで、経団連の柄澤康喜女性の活躍推進委員長(三井住友海上火災保険株式会社取締役会長 会長執行役員)にお話しいただきました。

柄澤氏は、「ダイバーシティ推進を確実なものにする重要なポイントは3つある。第1は、規制改革や社内制度改革等によりフレキシビリティーを高めていくこと。第2に、社内外の開示を進め、透明性を高めること。第3はイノベーション。この3つの視点に共通するのは、かつて日本経済が右肩上がりだった時代に固定化した制度を変えていくことである。取り組むべき課題は多いが、活力ある未来に向け、企業・社会には真摯で着実な姿勢が問われている。」という力強いメッセージを会場の参加者へ贈りました。


柄澤氏による基調講演(東京会場)

■基調講演(大阪会場)

大阪会場の基調講演は、「更なる発展のために日本が目指す真のダイバーシティとは~求められるマインドセットチェンジ~」というテーマで、西浦みどり氏(お茶の水女子大学客員教授、理化学研究所ダイバーシティ推進室ダイバーシティ・デザイナー)にお話しいただきました。

西浦氏は、豊富な国際経験を活かした視点から、「ワーク・ライフ・バランスも難しく考える必要はない。欧米では、プライベートライフを重視し、仕事とのバランスを取り生産性を上げようという発想が背景にあるが、日本では長時間労働に象徴される働き過ぎの是正の観点から来ている。遊びのなかから新たな発想が生まれ、仕事につながるものであり、日本人には、自分の癒やしや趣味をみつけて、そのための時間をつくることが求められる。」と語られました。そして、「男・女・LGBT、すべてにおいて、お互いを尊重し、切磋琢磨し、健全な競争力で勝負し得るオープンな社会を醸成していくことが重要である。」とお話しされ、会場の参加者を奮い立たせました。


西浦氏による基調講演(大阪会場)

■事例紹介

基調講演後、「見えてきたダイバーシティによる成果」をテーマに、各社施策のこれまでの具体的な成果や経営上のインパクト、現在進行中の取り組みや課題等、企業等のリーダーによる事例紹介を行いました。

東京会場では、株式会社LIXIL日本人事総務本部人事部長の中垣淳氏、日本航空株式会社執行役員人財本部長の小田卓也氏、株式会社ダッドウェイ取締役副社長の白鳥由紀子氏による事例紹介が行われ、参加者からは様々な質問が寄せられました。

大阪会場では、パナソニック株式会社人事労政部ダイバーシティ・組織開発推進室主幹の讃井由香氏、伊藤忠商事株式会社人事・総務部長代行(兼)採用・人材マネジメント室長の澤瀉久修氏、医療法人寿芳会芳野病院事務部長の廣底幹雄氏による事例紹介が行われ、会場の参加者からは「自社でも取組を進めたい」との声が多く集まり、両会場とも熱気に包まれ、セミナーは終了しました。


事例紹介(東京会場)


事例紹介(大阪会場)

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