「共同参画」2018年1月号

行政施策トピックス4

ユネスコスポーツ・体育担当大臣会合(MINEPV VI)にて強調された女性活躍
スポーツ庁国際課

平成29年7月13日から15日にかけて、ロシアのカザンにてユネスコ主催の第6回スポーツ・体育担当大臣会合(通称:MINEPS VI)が開催されました。MINEPS(International Conference of Ministers and Senior Officials Responsible for Physical Education and Sport)は、ユネスコ主催で、ユネスコ加盟国、準加盟地域のスポーツ・体育担当大臣及び高級実務者等が集まり、スポーツにおける国際的重要課題について議論し、実行志向型の提言を発表する会議です。6回目を迎えた今回は約120カ国(大臣参加41カ国※1)から約500人が参加し、3日間開催されました。

※1 スポーツ大臣参加国(41カ国)

本会議では「万人のためのスポーツへのアクセスに関する包括的な構想の展開」、「持続可能な開発と平和に向けたスポーツの貢献の最大化」、「スポーツの高潔性の保護」の3つのテーマで議論され、前回大会であるMINEPS Vで発表された「ベルリン宣言」等の過去の成果の実行を重視した、3つのメインポリシー、20の政策項目及び5つの具体的な行動からなる「カザン行動計画(※2)」が承認されました。

※2

松野文部科学大臣(当時)は、最終日に本会合のテーマに沿った好事例を紹介するパネルディスカッションにて、昨年10月に開催したスポーツ・文化・ワールド・フォーラムの成果や、日本のスポーツを通じた国際貢献事業である「スポーツ・フォー・トゥモロー」の事例について、国連の「持続可能な開発目標2030」(以下「SDGs」とする。)及びカザン行動計画の政策項目と関連付けながら紹介しました。

具体的には、SDGsの目標3「健康的な生活の確保」に関し、日本独自の学校行事である「運動会」をマラウイやラオスなどで行った事例や、「ラジオ体操」をマレーシア青年スポーツ省などと連携しスポーツイベントで行った事例などを紹介しました。また、SDGsの目標4の「包摂的かつ公平で質の高い教育の提供」に関し、カンボジアでの体育カリキュラム策定支援などの事例を紹介しました。さらにSDGsの目標5の「ジェンダー平等」に関し、ケニアで実施した少女たちへの卓球体験イベントとそれに伴うヒアリング調査を事例として紹介しました(※3)。

※3


MINEPS Ⅵ において発表する松野文部科学大臣(当時)(1)


MINEPS Ⅵ において発表する松野文部科学大臣(当時)(2)

MINEPS VIで採択された「カザン行動計画」では、女性スポーツに関する事項についても強調されました。

1つめのメインポリシーである「万人のためのスポーツへのアクセスに関する包括的な構想の展開」の中では、「スポーツ界のジェンダー平等と女性の地位向上」が項目立てされました。スポーツ参加率、指導者、教育機会、役員登用など、スポーツ界のあらゆる活動におけるジェンダーの平等の実現は女性の地位向上を推進するための強力な役割を果たすと明記されました。また、女性だけではないその他のジェンダーグループに対する社会的な障害にも変革を与えることができると記載されました。

2つめのメインポリシーである「持続可能な開発と平和に向けたスポーツの貢献の最大化」の中では、「社会的なジェンダーの平等の促進ならびに女性の地位向上」が項目立てされ、スポーツは社会のジェンダー規範を反映させるとし、女性スポーツに関する取組から社会のジェンダー不平等を表面化させ、女性にとっての安全・安心な施設の建設や、女性リーダーやロールモデルの増加、女性に対するすべての暴力の撤廃などといった、女性を尊重する社会の態度を促すとし、SDGsの目標5「ジェンダー平等」の達成に貢献することができると明記されました。また具体的な5つのアクションの1つに、「女性・スポーツ・体育・身体活動のためのモニタリング機関の設置に関する実現の可能性の研究の実施」が定められ、UN Womenや国際女性スポーツワーキンググループ(IWG)などと連携し、女性スポーツを推進する団体の関係性や役割を整理し、女性スポーツに関する議論を活性化させ、スポーツ界におけるジェンダーの平等の実現とSDGs目標5「ジェンダーの平等」に対するスポーツの貢献をモニタリングし、評価する体制を検討していくこととなりました。

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