「共同参画」2018年1月号

行政施策トピックス1

G7男女共同参画担当大臣会合
内閣府男女共同参画局総務課

イタリア共和国タオルミーナにおいて、「G7男女共同参画担当大臣会合」(G7 Ministerial Meeting on Gender Equality)(※)が、11月15日及び16日の2日間の日程で開催され、G7(日本、アメリカ、イギリス、イタリア、カナダ、ドイツ、フランス)及びEUの男女共同参画担当大臣等が一堂に会し、国際社会が直面する様々な男女共同参画、女性活躍に関する課題について意見交換を行い、「G7男女共同参画担当大臣宣言」(Declaration of the G7 Meeting on Gender Equality)を取りまとめました。日本からは、山下雄平内閣府大臣政務官が日本代表団長として出席しました。

G7男女共同参画担当大臣会合は、G7サミットに合わせて開催される関係閣僚会合の一つであり、今回のイタリア共和国・タオルミーナのG7において初めて開催されました。

今回のG7男女共同参画担当大臣会合では、「女性の経済的及び政策的エンパワーメント」、「女性の政治的エンパワーメント」及び「女性に対する暴力の防止と撤廃及び人身取引の撲滅に向けた手段としての女性の経済的エンパワーメント」の3つのテーマの下、G7における経済分野や政治分野での女性のエンパワーメント、女性に対する暴力の防止等の取組の推進に向け活発な議論が行われました。


G7男女共同参画担当大臣会合各国政府代表
(イタリア共和国G7サミット公式サイトより引用)

■ワーキングランチ:「女性の経済的及び政策的エンパワーメント:女性の可能性を引き出すための労働市場と福祉制度の再設計」(11月15日)

ワーキングランチにおいては、各国政府代表から、男女の賃金格差等の是正のための労働市場の改革や資本市場における女性の信用アクセスの向上、無償労働に対する経済的な評価、男性の育児への参画に向けた取組の促進等の重要性が指摘されました。

また、日本政府代表の山下政務官からは、非正規雇用の処遇改善、男性の働き方改革の必要性等について言及するとともに、女性が就職・結婚・出産等について如何なる選択をしても社会全体で支援するという視点で考える必要がある旨発言しました。併せて、現在、日本では、子育てに係る負担を国民全体でどのように分担すべきか、消費税財源か新たな社会保険制度かの大きな議論が行われている旨説明しました。


各国代表とともに会合に臨む山下政務官

■ワーキングセッション(1):「女性の政治的エンパワーメント:女性の政治的意思決定における リーダーシップとハイレベルなポジションへのアクセスを促進するための国内法の再考」(11月16日)

ワーキングセッション(1)においては、各国政府代表よりフランスの取組に関心が寄せられたこともあり、フランスから憲法の改正を始めとするフランスの法制度について説明がなされるとともに、女性の政治参画の拡大に当たってはSNS等における女性に対するヘイトスピーチが課題の一つにあるとの問題提起がなされました。

山下政務官からは、日本の国会議員に占める女性割合は他のG7各国に比べると低いが、女性の立候補者が少しずつ増え、選挙の度に女性議員の割合も上がるなど、徐々に政治分野における女性の参画が進んでいる旨説明を行い、また、クオータ制の導入については日本でも議論があるが、一方で、慎重な議論が必要との声もあるとの現状を紹介しました。


ワーキングランチ、セッションの会場の様子

■ワーキングセッション(2):「女性に対する暴力の防止と撤廃及び人身取引の撲滅に向けた手段としての女性の経済的エンパワーメント」(11月16日)

ワーキングセッション(2)においては、各国政府代表から、女性に対する暴力の防止と撤廃及び人身取引の撲滅のためには、NPO等の支援団体との連携や学校教育の充実、労働市場における差別の解消が必要であり、また、インターネットを利用した嫌がらせや脅迫等の解決が急務である旨発言がありました。

山下政務官からは、日本の法改正を伴う人身取引の撲滅に向けた施策の現状や被害者への支援策、女性に対する暴力の根絶に向けた取組等について紹介するとともに、言語が壁となって外国人被害者が声を上げられないといったことがないよう、外国人が多く集まる場で、多言語の相談窓口を案内している等の日本の取組を説明しました。

■共同記者会見(11月16日)

会合の最後に各国政府代表による共同記者会見が開かれ、各国政府代表からはG7初の男女共同参画担当大臣会合を開催したイタリア共和国・ボスキ政務次官のリーダーシップへの謝意と来年の開催国カナダでの議論への期待が示されました。

山下政務官からは、今回の会合に参加した政府代表のうち、男性は自分だけであったが、ジェンダー平等の議論を行う場に男性が一人でも参加していることに意味があり、男性の働き方や家庭での役割が変わらなければ、女性の生き方やキャリアパスは多様化しない、各国とも、政府や企業が慣行を変えるよう努力しなければいけない旨発言しました。


共同記者会見の様子

■G7男女共同参画担当大臣宣言

会合では、以下を主なポイントとする「G7男女共同参画担当大臣宣言」を取りまとめました。

  • 矢印2017年5月26、27日にタオルミーナで開催されたG7首脳会議にて採択された「ジェンダーに配慮した経済環境のためのG7ロードマップ」で合意した施策や行動指針の実装、モニタリングにコミットする。
  • 矢印現存する男女間格差を縮小するために考え方、政策、文化に変化をもたらすため、すべての形態の女性に対する暴力と差別をなくすため、そして、G7諸国における男女間の平等を達成するために、「ジェンダーに配慮した経済環境のためのG7ロードマップ」にて示された質的・量的な目標・期日それぞれの達成に必要となるあらゆる努力を講じる。
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