「共同参画」2017年10月号

取組事例ファイル/団体編

「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」行動宣言賛同者の取組

一昨年「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」行動宣言が公表され、現在150名を超える男性リーダーが本宣言に賛同しています。今月は4名の賛同者の取組を紹介します。

女性のチャレンジを応援しよう!

サラヤ株式会社の経営目標は「衛生、環境、健康にかかわる優れた商品とサービスをお客様にお届けすること」です。このミッションの達成には、まさに男女の共同と参画が欠かせません。そこで当社では、働き方改革の一環として生産性の向上と共に、ワークライフバランスの達成や女性が働きやすい職場づくりをめざしています。

残念ながら女性の働き方には、未だ男性に比べ不利な面が見られます。例えば、子育て期間中の保育所の送り迎え、家事、子供の健康問題による急な就業時間の調整など、女性の育児や家事の負担割合は高く、これらは十分には解決できていません。

そこで、在宅勤務・時差出勤・短時間勤務など制度的な緩和策を実施し、さらに一部の職場では社内保育所の整備を予定しています。また同時に男性の意識改革も必要です。

女性も男性も職業人として進化するために、それぞれにキャリアアップのための研修や教育など、会社は大きな投資をしています。ことに研修などの投資をした女性の活用は、会社にとっても大きな目標であり課題です。当社の部長や役員構成では、まだまだ女性の比率が低く、女性の更なる活躍を願って環境整備を進めている次第です。

女性の中には、自分の職業能力を自分自身で低く見て、責任ある仕事やチャレンジすることを避ける人もいますが、近年になりこれはかなり改善されてきたように思います。そこで、「チャレンジする女性を応援する」のも私の役割かと思っています。


更家 悠介
サラヤ株式会社
代表取締役社長


経営層の考え方を学ぶ「役員メンター制度」の様子


主体的な行動を意識づける「女性リーダー研修」の様子

多様な人財の活力を企業の成長エンジンにつなげる

セブン&アイ・ホールディングスは多彩な流通業態を擁しており、社会の変化や多様化するお客様のニーズに的確に応えることが使命だと考えています。そのためには、多様な社員一人ひとりが主役となって、成長を推進するエンジンになることが重要であり、これまでも女性の活躍をはじめとしたダイバーシティ推進に積極的に取り組んでまいりました。

2012年に「ダイバーシティ推進プロジェクト」を発足させ、現在、「2020年までに女性管理職比率30%達成」をはじめとした5つの目標を掲げ、グループ各社と連携して様々な施策を実施しています。具体的には、女性幹部社員の育成を目指した「なでしこアカデミー」、介護離職ゼロを目指した「介護セミナー」、男性社員や管理職の意識変革を図るための各種セミナー等を実施しています。特に今年はダイバーシティ推進の節目の年として、6月に先進企業から講師を招き、グループ21社の社長と幹部約400名が参加する「セブン&アイダイバーシティDAY2017」を開催すると共に、グループ各社での「働き方改革」に向けた活動を広く展開しています。これらの活動により、直近の女性管理職比率は23.0%となっています。また、小売業特有の課題である社員の祝日出勤をサポートする「スポット保育」を開始し、今秋にはセブン-イレブン加盟店従業員向けの保育施設「セブンなないろ保育園」も開園予定です。

課長級の女性比率(グループ主要8社合計)

ダイバーシティ推進は企業の持続的成長と価値創造の源泉です。多様な人財が活躍できる社会の実現に向けてさらに貢献してまいります。


井阪 隆一
株式会社セブン&アイ・ホールディングス
代表取締役社長


「スポット保育」の様子


「セブン&アイダイバーシティDAY2017」の様子

女性活躍推進から新たな価値創造へ

生命保険事業を取り巻く環境が変化を続けるなか、住友生命はダイバーシティ推進を経営課題に掲げ、「お客さま」「社会」「会社・従業員」が共有できる新たな価値創造に取り組んでいます。

中でも、従業員の約9割が女性の当社にとって、女性活躍推進は重要なテーマであり、時間に制約があっても働き続けられる環境整備と、人材育成の両面から注力しています。環境整備では、法定を上回る両立支援制度を設けるとともに、男女を問わず制度の利用促進を図っています。人材育成では、「2020年度末の女性管理職比率33%」という数値目標を設定し、職種別・層別研修、キャリアローテーション、1対1の面談による意欲醸成を通じて、女性管理職候補者の拡大に取り組んでいます。また、管理職層の意識変革のため、私自身も再三、会議の場で女性活躍推進の重要性を訴えてきました。

現在は「働き方変革」のなかで、トップダウンによる抜本的な既存業務の削減を進めています。これまでも夜8時にパソコンを強制シャットダウンするなど長時間労働の抑制に努めてきましたが、タイム・マネジメントの更なる推進によって、創出された時間をお客さま・マーケット目線に立った業務にシフトすると同時に、総労働時間の削減に取り組んでいます。

今後も、スミセイブランドを支える職員一人ひとりが心身ともに健やかでいきいきと働ける職場環境を構築し、個々の能力を最大限に発揮していくことで、住友生命の新たな成長路線を確立してまいります。


橋本 雅博
住友生命保険相互会社
取締役 代表執行役社長


リーダー養成塾メンバー


夜8時にPCを強制シャットダウンする際の警告メッセージ

何より社員が旅工房を支える強みの源泉

オンライン旅行会社である株式会社旅工房では、トラベル・コンシェルジュという専任スタッフが、お問合せからご帰国までお客様のご希望に寄り添い旅のご提案をするサービスを強みとしております。当社では何よりも社員が会社の強みの源泉と考えておりますが、その社員の7割を女性が占めています。

これまでも、女性社員がライフイベントに左右されずキャリアを続けられる制度を整えることや、女性の活躍推進を重要な戦略として捉え取り組んでまいりました。具体的には、勤続年数にかかわらず時短勤務などの働き方を選択できる育児支援制度や介護休業制度を導入しています。また、旅行会社ならではのこととして、小さなお子様を含む家族旅行の企画を担当した女性社員が、実際に自ら子どもを連れてカナダでの海外研修に参加した事例もあります。そうした女性の活躍を応援する環境整備や取組を通して、現在、女性管理職の割合は33%に達しており、当社では女性社員が積極的に経営に携わっています。

2017年4月1日現在

今後も旅工房が掲げる「国際交流の発展及び世界平和に貢献することと同時に、全従業員及び関係者の物心両面の充足と幸福を追求する。」という経営理念を実現できるよう、さらなる社内環境や制度の整備に取り組んでまいります。


高山 泰仁
株式会社旅工房
代表取締役会長兼社長


トラベル・コンシェルジュとして活躍する女性社員


子どもを連れた女性社員の海外研修の様子

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