「共同参画」2017年1月号

取組事例ファイル/団体編

「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」行動宣言賛同者の取組

一昨年「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」行動宣言が公表され、現在130名を超える男性リーダーが本宣言に賛同しています。今月は4名の賛同者の取組を紹介します。

多様性が新しい価値創造に繋がる会社を目指します!

私たちキリングループは、真摯なモノづくりと心を動かすようなコトづくりを通じて、お客様の笑顔や社会の発展に貢献することを目指しています。そのためには、多様な従業員が様々な意見を出し合い、新しい発想でこれまでにない価値創造にチャレンジすることが重要です。

女性の活躍が会社を変える。2007年よりKWN(キリン・ウィメンズ・ネットワーク)を立ち上げ、女性活躍を推進しています。2021年には女性リーダーを12%にする目標を掲げ、女性リーダーの育成に取り組んでおります。消費者の半分が女性である市場の期待に応えていくためにも、女性ならではの視点を活かすことは、企業にとって極めて重要であると考えています。

その育成方針になっているものが「前倒しのキャリア」です。今後、育成すべき若手女性メンバーにとって、仕事の修羅場経験やキャリアチェンジと、出産育児等のライフイベントが重ならないよう、早い段階で、仕事で「一皮向ける体験」を積ませ、「得意領域」を持てるよう育成していきます。

具体的には、入社3年目の女性メンバーとそのリーダーへの考え方の浸透、自らキャリアについて考える「キャリアワークショップ」、女性メンバーとのキャリア面談に関するリーダー向け手引書の整備、女性リーダー育成プログラムの「キリン・ウィメンズ・カレッジ」等を実施しています。

今後とも、多様な社員が活き活きと活躍できるよう、リーダー層のマネジメント力の向上、働き方改革、風土作り等に取り組んでいきます。


磯崎 功典
キリンホールディングス株式会社
代表取締役社長


キャリアワークショップの様子


女性リーダー育成プログラムの「キリン・ウィメンズ・カレッジ」の様子

次世代女性リーダー育成と働き方改革を両輪で推進

三井住友銀行では、ダイバーシティ推進を成長戦略と位置付けて取り組んでおり、特に「女性の活躍」は最優先課題の1つとして注力しています。2014年、私が委員長となり、各部門トップと外部有識者とで構成される「ダイバーシティ推進委員会」を設置し、部門毎にそれぞれの課題に応じたフィット感のある施策を展開しています。

また、女性リーダーの育成にも力を入れており、現在3名の女性執行役員が活躍していますが、続く次世代を育成するため、中堅女性を対象としたリーダーシップ研修やメンター制度などのキャリア支援を実施しています。研修には私も毎回参加し、ディスカッションを行っていますが、将来を託せる次世代女性リーダーが着々と育っている手応えを感じます。

長時間労働の是正を含む「働き方改革」にも、女性活躍推進の“本丸”と位置付けて取組を強化しています。2015年度より、残業時間の削減目標と業務効率化のための策を定め、外部有識者の評価も踏まえた「働き方改革アワード」を開催しており、定例会議の全廃・資料の過剰品質の排除等、本質を突いた取組を行った部署を、私が表彰しています。また、2016年7月には、要望の多かった「在宅勤務制度」も導入しました。

女性の活躍を不可逆のものとするためには、「トップがコミットし続けること」が不可欠です。今後も、「輝く女性が活躍する社会」の実現に向け、私自身が先頭に立って取り組んでいきます。


國部 毅
株式会社三井住友銀行
頭取兼最高執行役員


中堅女性向けリーダーシップ研修最終日の様子


「働き方改革アワード」金賞表彰

女性活躍推進のその先へ

テイジンは、グローバルな成長において「女性活躍推進が経営上の競争優位に結びつく」と考え、2000年に、専任組織を設置し、推進活動に着手しました。

意思決定層に女性を増やすことを目的に、新卒採用の女性比率、女性管理職比率に数値目標を設け、女性の意識向上・育成のためのプログラムを実施し、同時に人事制度、ワークライフバランス関連制度の改善・整備に取り組んできました。取組を始めてから、女性管理職数が10倍となり、その半数がワーキングマザーとして活躍しています。

多様な組織をマネージメントするには、互いの違いを認め合い、個々の力が発揮できる環境を整えることが重要です。その鍵は、「管理職」にあると考えています。昨年は、「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」行動宣言に賛同し、また「イクボス企業同盟」にも加盟しました。女性活躍推進のための管理職向けセミナーや、女性のリーダーシップ研修に管理職を同席させること等によって、「管理職の意識改革」にも取り組んでいます。

テイジンは企業理念に「Quality of Life」を掲げています。一人ひとりが、生活の豊かさを創造するために、働き方の選択肢を広げていくこと、すなわち、「多様な働き方を実現すること」が重要だと考えています。女性にかかわらず社員が意欲・能力を最大限に発揮できるよう、今までの枠にとらわれない「ワークスタイルの変革」を通して、社員一人ひとりの活躍を支援していきます。


鈴木 純
帝人株式会社
代表取締役CEO


「イクボスセミナー」での「イクボス宣言」(松山事業所管理職)


「女性リーダーシップ研修」に上司も同席

さらなる「お役立ち」の創出に向けて~「衆知」を集めグローバルに発展

パナソニックは、松下幸之助による1918年の創業以来、事業を通じて世界中の皆様の「くらし」の向上と社会の発展に貢献することを基本理念とし、企業活動を行ってまいりました。現在も「お客様への『お役立ち』を創出し続ける会社」に向け、グループ一丸となり成長戦略を推進しております。

我々を取り巻く環境は大きく変化しています。2018年に創業100周年を迎える当社が、今後も更なる発展を遂げるためには、お客様やグローバルに広がる市場にしっかりと向き合い、常に事業を進化させていかなければなりません。その際には、従来以上に多様なものの見方、考え方が必要となります。

こうした観点から、当社は、国籍や性別等に関係なく、お客様・社会に対してお役立ちを創出できる人材が集い、絶えず挑戦していける会社を目指し、様々な施策を進めております。女性や外国人の活躍の場の拡大はもちろん、例えばM&Aでグループに加わった会社や、外部のパートナーも含めて、互いに長所を吸収するといったことも積極的に行っております。こうした取組の結果こそが、当社にとっての「人材の多様性」であり、「共同参画」の姿です。

当社には、創業者の残した「衆知を集める」という言葉があります。グローバル26万人の社員一人ひとりが、強みを活かし、知恵を寄せ合って挑戦を重ねていく。そして新たなお役立ちの創出、さらには「未知なる未来」の創造に向けて活躍できる姿を目指し、今後も取組を一層進化させてまいります。


津賀 一宏
パナソニック株式会社
代表取締役社長


社長と現地幹部との懇談会(インド)


「ダイバーシティマネジメントフォーラム」の様子

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